レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2015/10/19 16:46
- 更新日時
- 2024/04/04 17:00
- 管理番号
- 20151033
- 質問
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解決
百人一首の一枚札のことを「ムスメフサホセ」と呼ぶが、この語はいつごろどのような経緯で使われだしたのか知りたい。
- 回答
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①『百人一首への招待』(平凡社)によれば、
「萬朝報の特別付録として、「小倉百人一首カルタ早取秘伝」が発刊されているが、そこに初めて競技カルタ必須の「決まり字」などが登場している」とあり、次ページの新聞には「フサホセムスメ」の記事がある。
②全日本カルタ協会ホームページによれば、
「現在行われている「競技カルタ」がはじまったのは明治37年です。(中略)早く札をとるための方法を分析し、競技カルタを確立したのは明示のジャーナリスト黒岩涙香でした。」
以上2点から、(涙香が記事で「玄人の取り方を少し述べるのです。」と書いていることからそれ以前にも知られていたと思われるが)黒岩涙香が明治38年に萬朝報で掲載した記事より広まったのではないかと思われる
2020.1月追記
レファレンス協同データベースより情報を頂きました。
「むすめふさほせ」の成立 (吉海 直人)によれば
・「むすめふさほせ」のルーツは明治33年の『福びき集』(博文館)までさかのぼることが出来る。
・「一字決まり」の出発点は、明治36年12月発行の『百人一首カルタ必勝法』(若目田華津)。
- 回答プロセス
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①百人一首についての本をあたる。
②7門の遊戯の辞典も見る。
③百科事典や民俗辞典もチェック
④カルタ協会に問い合わせをしてみたが、留守電でつながらなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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『百人一首への招待』 吉海直人/監修 平凡社 2013年 911.147 978-4-582-92213-4
P160~161 -
全日本カルタ協会ホームぺージ
競技カルタの歴史 http://www.karuta.or.jp/gaiyou/index.html (2015年7月12日確認) 「全日本カルタ教会について」内 -
「むすめふさほせ」の成立 2015/11/16 吉海 直人(日本語日本文学科 教授)
https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/2015-11-16-09-00 -
国立国会図書館デジタルコレクション
福びき集 : 附・歌かるた法 (内外遊戯全書 ; 第14編) / 安藤謙吉 著
(博文館, 1900[明治33].11)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/861702
「さすせふほむめ」p.119 (64コマ) -
国立国会図書館デジタルコレクション
歌かるた博士 : 百戦百勝 篠原嶺葉 著 (大学館, 1911[明治44].12)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/861336
「ムスメフサホセ」p.58 (36コマ)
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『百人一首への招待』 吉海直人/監修 平凡社 2013年 911.147 978-4-582-92213-4
- キーワード
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- 決まり字
- 一字札
- 百人一首
- ムスメフサホセ
- 競技カルタ
- 語呂合わせ
- フサホセムスメ
- 黒岩涙香 くろいわ るいこう
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000182558