レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月07日
- 登録日時
- 2020/12/24 00:30
- 更新日時
- 2021/12/29 00:32
- 管理番号
- 3A20006591
- 質問
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解決
新世界のラヂウム温泉にあった演芸場を拠点としていた「乙女文楽」の写真を見たい。
- 回答
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新世界ラジウム温泉演芸場での乙女文楽の上演写真は見つけることはできませんでしたが、当時の乙女文楽について、比較的詳細な記述のあった資料を以下にご紹介します。
(1) 『上方 -郷土研究- 9 自第九十七号(昭和十四年一月)至第百八号(昭和十四年十二月)』(上方刊行会/監修 新和出版社 1970)
雑誌『上方』の復刻版資料です。101号のp.32-33(復刻版通しページp.308-309)、水谷武雄「大阪に生れた乙女文楽」に以下の内容が記載されています。
乙女文楽には団体が三つあるとして、林二輝氏一座、片山榮治氏一座、吉田光子一座の乙女文楽について記述があります。なお、新世界ラヂウム温泉を本拠としているのは林二輝氏一座と記載されています。
写真が3枚掲載されており、2枚には「片山一座の乙女文楽(寺子屋)」、もう1枚は「先代名人桐竹門十郎」と解説があります。
(2) 『日本の人形芝居』(永田 衡吉/著 錦正社 1969)
「第三章 人形の操法 第五節 特殊の一人遣」のp.526-527に「三 乙女文楽」の項があり、「乙女文楽人形の支え方」と紹介された写真が掲載されています。
(3) 『龍谷大学論集』445号(竜谷学会/編集 竜谷学会 1995.2)
p.308-326 土井順一「乙女文楽の研究」が掲載されています。主に吉田光子氏の証言を元にして、乙女文楽発祥について述べられた論文です。写真が7枚掲載されており、写真1は吉田光子氏の幼少期の義太夫姿の写真、写真2、3は吉田光子が人形を構えた写真、写真4は座元が井上政次郎と書かれた番付で、上演の写真も載っていますが、撮影場所や日付の記載はありません。写真5、7はそれぞれ昭和11年12月11日付、昭和17年12月5日付の慰問に対する感謝状、写真6は昭和8年北陽演舞場の番付です。
なお、この論文では以下の論考が参考文献として挙げられており、「林二輝氏と座員の写真及び氏名が掲載されている。」と記載されていますが、当館では所蔵していないため、内容の確認ができません。
・発明者林二輝談「少女一人使い人形に関する声明」(『浪花名物浄瑠璃雑誌 第309号, 昭和7年2月所収)
(4) 『演劇百科大事典 第1巻』(早稲田大学演劇博物館/編 平凡社 1960)
p.458に「乙女文楽」の項目があり(宮尾しげを執筆)、「乙女文楽(「絵本太功記」十段目)」と解説がある写真が1枚掲載されています。
- 回答プロセス
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1.当館所蔵検索をフリーワード“乙女文楽”で検索、有用資料なし
2.大阪府立中之島図書館「おおさかポータル」( http://www.library.pref.osaka.jp/site/osakaportal/ )で“乙女文楽”を検索、資料(1)が見つかる
3.「Googleブックス」でキーワード“乙女文楽”を検索、資料(2)が見つかる
4.「CiNii Articles」でキーワード“乙女文楽”を検索、資料(3)が見つかる
5.資料(3)で参照されていた資料(4)を確認
- 事前調査事項
- NDC
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- 演劇 (770 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0000245425> 上方 -郷土研究- 9 自第九十七号(昭和十四年一月)至第百八号(昭和十四年十二月) 上方刊行会/監修 新和出版社 1970 資料(1)
- 当館書誌ID <0080081894> 日本の人形芝居 永田 衡吉/著 錦正社 1969 資料(2)
- 当館書誌ID <5100068323> [雑誌巻号] 竜谷大学論集 1995年2月 / 445号 竜谷学会/編集 竜谷学会 1995.2 資料(3)
- 当館書誌ID <0070077776> 演劇百科大事典 第1巻 ア-カク 早稲田大学演劇博物館/編 平凡社 1960 資料(4)
- キーワード
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- 林二輝
- 乙女文楽
- 新世界
- ラヂウム温泉
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000291356