レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/05/16
- 登録日時
- 2023/06/08 00:30
- 更新日時
- 2023/06/08 00:30
- 管理番号
- 牛久ー1856
- 質問
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解決
江戸時代の「夜明け」「夕暮れ」の時間について知りたい。大和言葉で、「夜明け」「夕暮れ」の他の言葉遣いを知りたい。また、その時間帯の写真集を見たい。
- 回答
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〇江戸時代の「夜明け」「夕焼け」の時間について、次の資料を紹介。※()内の数字は回答プロセスの資料番号。
(3)『落語でわかる江戸のくらし3』(竹内誠/学研教育出版/2010.2)…p19
(4)『江戸早わかり事典』(花田富二夫/小学館/2010.6)…p121-123
(5)『事典しらべる江戸時代』(林英夫編集代表/柏書房/2001.10)…p811-813
(6)『時間の日本史』(佐々木勝浩/小学館/2021.8)…p35-37
〇「夜明け」「夕焼け」の大和言葉について、次の資料を紹介。
(2)『日々の会話が華やぐ大和言葉』(山下景子/笠倉出版社/2015.6)…p70-71、p72-73
(8)『類語ニユアンス辞典』(中村明/三省堂/2020.8)…p609、p614
〇「夜明け」「夕焼け」の写真について、次の資料を紹介。
(9)『雲と暮らす。』(武田康男/誠文堂新光社/2011.10)…p44-55、p70-79
(10)『夕焼け空』(ピーピーエス通信社/ピエ・ブックス/2009.9)
(11)『感動的な「日の出」写真の撮り方』(世界文化社/1999.12)
(12)『デジタルカメラによる空の写真の撮り方』(武田康男/誠文堂新光社/2012.4)…p68-77、p80-91
〇追加調査で「夜明け」「夕暮れ」の時間と、大和言葉での他の言い回しの記載のある資料を確認。
(13)『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館/2002.12)…p320-321
(14)『「言いたいこと」から引ける大和ことば辞典』(西谷裕子編/東京堂出版/2017.8)…p268-269、p270-272
(15)『暦と時の事典』(内田正男/雄山閣/1986.5)…p2-4、p246、p283
(16)『理科年表 第96冊(令和5年)』(国立天文台編/丸善出版/2022.11)…p30
- 回答プロセス
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1. 事前調査事項より、フリーワード「古典」+「時刻」で自館資料検索。1件ヒット。
(1)『「暁」の謎を解く』(小林賢章/角川学芸出版/2013.3)…平安時代の「暁」についての資料。江戸時代の「夜明け」「夕焼け」の記載なし。
2. 事前調査事項より、フリーワード「古典」+「大和言葉」で自館資料検索。1件ヒット。
(2)『日々の会話が華やぐ大和言葉』(山下景子/笠倉出版社/2015.6)
…p70-71「時の移ろい・自然」の「朝」の項に、「彼は誰時(かはたれどき)、豊栄登(とよさかのぼり)、朝未き(あさまだき)、暁(あかつき)、東雲(しののめ)、曙(あけぼの)」とあり。
…p72-73「夕」の項に、「茜雲(あかねぐも)、天が紅(あまがべに)、夕紅(ゆうくれない)、灯点し頃(ひともしころ)、暮れなずむ、逢う魔が時(おうまがとき)」とあり。
3. 事前調査事項より、フリーワード「江戸」+「時刻」で自館資料検索。
→過去の当館の「江戸時代の時間について」のレファレンス回答がヒット。そこで紹介していた次の資料を確認。
(3)『落語でわかる江戸のくらし3』(竹内誠/学研教育出版/2010.2)
…p19「季節によって長さがちがう一刻」の項に、「江戸時代の時刻は、夜明けと日暮れが基準になるので、夏と冬とでは、一刻の長さが違っていた」と記載あり。図と絵で説明あり。
(4)『江戸早わかり事典』(花田富二夫/小学館/2010.6)
…p121-123「時刻」の項に、「『明六つ(あけむつ)』とは午前5時から7時頃、『暮六つ(くれむつ)』とは夕方5時から7時頃を指す」と記載あり。時刻の円グラフと「季節による時刻の変化」の棒グラフあり。
(5)『事典しらべる江戸時代』(林英夫編集代表/柏書房/2001.10)
…p811-813「時刻」の項に、「一般的に用いられた不定時法では、夜明け(薄明け、かはたれどき)から日暮(薄暮、たそがれどき)までを昼とし」と記載あり。時刻図と時刻法(不定時法)のグラフあり。
(6)『時間の日本史』(佐々木勝浩/小学館/2021.8)
…p35-36「江戸時代の時刻制度-不定時法-」に、不定時法とは「夜明けを明け六つとし、これを時刻に基準として1日を昼と夜に分け、それぞれを6等分するという時刻制度」とあり。
…p36-37「不定時法の時刻に基準-手の筋大筋の三筋ばかり見える時-」に「空の明るさで時刻の基準をの明け六つ、暮れ六つを決めていた方法」として『西洋時辰儀定刻活測』より「手の筋で見て空の明るさで時刻の基準を決める方法」の記載あり。
4. 請求記号「44-」「81-」の書架をブラウジング。
(7)『暦の科学』(片山真人/ベレ出版/2012.5)…江戸時代の時刻の項目なし。
(8)『類語ニユアンス辞典』(中村明/三省堂/2020.8)
…p609「夜明け」の項に、「黎明」とあり。
…p614「夕暮れ」の項に、「夕まぐれ」とあり。
5. 夜明けと夕暮れの写真を探すため、請求記号「74-」の書架をブラウジング。
(9)『雲と暮らす。』(武田康男/誠文堂新光社/2011.10)
…p44-55に「朝の雲」、p70-79に「夕方の雲」の写真あり。
(10)『夕焼け空』(ピーピーエス通信社/ピエ・ブックス/2009.9)
(11)『感動的な「日の出」写真の撮り方』(世界文化社/1999.12)
(12)『デジタルカメラによる空の写真の撮り方』(武田康男/誠文堂新光社/2012.4)
…p68-77「朝日・夕日を撮る」、p80-91「朝焼け・夕焼けを撮る」に写真あり。
→以上より、(2)~(6)(8)~(12)の資料を紹介し、(2)(8)(9)(12)を貸出終了。
6. 後日追加調査。請求記号「R210」の棚をブラウジング。
(13)『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館/2002.12)
…p320-321に、江戸時代の季節による時刻の変化と時刻の仕組みの記載あり。
7. フリーワードに「大和言葉」で自館資料検索。10件ヒット。書誌内容を確認して次の資料を確認。
(14) 『「言いたいこと」から引ける大和ことば辞典』(西谷裕子編/東京堂出版/2017.8)
…p268-269「十三 とき」の「朝」の項に、「暁(あかつき)、曙(あけぼの)、明け六つ(あけむつ)、朝ぼらけ、朝まだき、彼誰時(かわたれどき)、東雲(しののめ)、夜明け」あり。
…p270-272「夕」の項に、「逢魔が時(おうまがとき)、暮れ泥む(くれなずむ)、暮れ六つ(くれむつ)、黄昏(たそがれ)、火灯し頃、火点し頃(ひともしころ)、夕間暮れ(ゆうまぐれ)、夕闇(ゆうやみ)、宵の口(よいのくち)、宵闇(よいやみ)」あり。
8. 一般件名「時刻」+状態「所蔵」で時間資料検索。33件ヒット。1冊確認。
(15)『暦と時の事典』(内田正男/雄山閣/1986.5)
…p2-4「あけむつ 明六つ」の項に、「日出前二刻半を言う」「一刻は現在の一四・四分に当たるからだいたい日出前三五分である」と記載あり。『寛政歴書』の「定義に従って計算された時刻は、現在『理科年表』に夜明・日暮の名で、東京における値が掲載されている」「明六つ(日出前三五分ほど)、暮六つ(日没後三五分ほど)」と記載あり。
…p246「ひぐれ 日暮」に、「現在、東京天文台で『理科年表』に発表しているのは寛政歴で定義された暮れ六つのとき」とあり。
…p283「よあけ 夜明け」の項に、『現在、東京天文台で計算し、発表しているものは『寛政歴書』で定義されている明け六つのこと」とあり。
9. (15)より、タイトルに「理科年表」で自館資料検索。
(16)『理科年表 第96冊(令和5年)』(国立天文台編/丸善出版/2022.11)
…p30に「東京 令和5年 2023」の「夜明、日暮、日出入方位、日南中高度」の一覧表あり。
→以上より、「夜明け」「夕暮れ」について、時間は(13)(15)(16)、大和言葉は(14)に確認。
- 事前調査事項
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質問者がお持ちの資料(書名は不明)の「江戸時代の1日の時間配分と言葉の時刻基準」から、言葉遣いは古典・大和言葉であることが判明。
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 写真集 (748 10版)
- 日本語 (810 10版)
- 参考資料
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- B10667944 日々の会話が華やぐ大和言葉 山下景子/監修 笠倉出版社 2015.6 810.4 978-4-7730-8781-9
- B10625651 落語でわかる江戸のくらし 3 竹内誠/監修 学研教育出版 2010.2 210.5 978-4-05-500702-3
- B10606144 江戸早わかり事典 花田富二夫/著 小学館 2010.6 210.5 978-4-09-626315-0
- B10284712 事典しらべる江戸時代 林英夫/編集代表 柏書房 2001.10 210.5 9784760121038
- B10870403 類語ニュアンス辞典 中村明/編著 三省堂 2020.8 814.5 978-4-385-13653-0
- B10621996 雲と暮らす。 武田康男/文・写真 誠文堂新光社 2011.10 451.61 978-4-416-21114-4
- B10596224 『夕焼け空』 ピーピーエス通信社 ピエ・ブックス 2009.9 748 978-4-89444-807-0
- B10174151 『感動的な「日の出」写真の撮り方』 世界文化社 1999.12 743 978-4-441-899157-0
- B10628776 『デジタルカメラによる空の写真の撮り方』 武田康男 誠文堂新光社 2012.4 451 978-4-416-81226-6
- B10358369 ビジュアル・ワイド江戸時代館 小学館 2002.12 210.5 9784096230213
- B10736806 「言いたいこと」から引ける大和ことば辞典 西谷裕子/編 東京堂出版 2017.8 813.5 978-4-490-10893-4
- B10922439 時間の日本史 佐々木勝浩/著 小学館 2021.8 449.1 978-4-09-388818-9
- B10862517 暦と時の事典 内田正男/著 雄山閣 1986.5 449.033 4-639-00566-0
- B11016034 理科年表 第96冊(令和5年) 国立天文台/編 丸善出版 2022.11 403.6 978-4-621-30737-3
- キーワード
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- 夜明け
- 夕暮れ
- 大和言葉
- 江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000334313