レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/07/10
- 登録日時
- 2012/09/26 15:51
- 更新日時
- 2012/11/29 11:23
- 管理番号
- 埼浦-2012-040
- 質問
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解決
西洋の絵画や彫像では、なぜ女神や女性のヌードが多いのか。
若桑みどりの著作以外のもので、ジェンダーの観点から書かれたものがほしい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
『ザ・ヌード 裸体芸術論 理想的形態の研究 7版』(ケネス・クラーク 美術出版社 1980)
裸体芸術の古典的名著、索引付き。p15-46 「Ⅰ はだかと裸体像」はヌードの本質論。
『The nude 西欧美術にみる裸婦の系譜1』(阿部信雄ほか 中央公論社 1984)
p135-143 「裸婦画の系譜1 その成立と展開」(高階秀爾)ケネス・クラークの『ザ・ヌード』を引用し、古代ギリシア人の人間中心思想と芸術における裸婦像との関連について記述あり。
『女神のこころ 聖なる女性をテーマにした芸術と神話』(ハリー・オースティン・イーグルハート 現代思潮新社 2000)
着衣を含めて様々な時代・文化の女神像が写真入りで紹介されている。
谷田博幸著「ヴィクトリア朝の闘うヌード」(『「芸術新潮 54(6)」p30-35.p40-51 新潮社 2003)
ヌード絵画の豊富な例と、ジェンダーにも触れている解説あり。
『日本大百科全書 17』(小学館 1987)
〈ヌード〉「裸体の造形表現は…。古代ギリシアに入って著しく盛んになり、とくに彫刻において多くの傑作を生んだ。それは、ギリシアでは神人同型同性の宗教観から、人体の理想像あるいは理想的人体美をしきりに追求していた結果である。」
『岩波西洋美術用語辞典』( 益田朋幸、喜多崎親編著 岩波書店 2005)
p225-226 〈ヌード〉「西洋では古代ギリシア以来、理想的な身体を裸体で表す伝統があるが、…」
『The nude 西欧美術にみる裸婦の系譜2』(阿部信雄ほか 中央公論社 1984)
古典派~現代までの画家の裸婦画についての論考あり、ただし西洋に多いことの記述は見当たらない。
『ルネサンスのエロティック美術』(越川倫明編 東京藝術大学出版会 2011)
ルネサンス期の絵画における「芸術」と「エロティシズム(官能)」の境界についての論文集。
稲賀 繁美著「裸体画と醜聞 ク-ルベ展に寄せて」(『季刊みづゑ 951』p116-129 美術出版社 1989)
女性の裸体の描き方について、政治も絡んだクールベとマネの論争をとりあげている。
美術とジェンダーに関する資料としては以下の4点を紹介した。
『美術とジェンダー 非対称の視線』(鈴木杜幾子、天野知香ほか ブリュッケ 1997)
p157-200 「イタリア・ルネサンス美術におけるジェンダーとセクシュアリティ」(森田義之)
『交差する視線 美術とジェンダー』(鈴木杜幾子、稲本万里子ほか ブリュッケ 2005)
巻末にp397-409「美術とジェンダーを考えるために 参考文献」あり。
『美学 ジェンダーの視点から』(キャロリン・コースマイヤー 三元社 2009)
『美学とジェンダー 女性の旅行記と美の言説』(エリザベス・A.ボールズ ありな書房 2004)
また、比較資料として下記の資料を紹介した。
『日本絵画の女性像 ジェンダー美術史の視点から(ちくまプリマーブックス120)』(池田忍 筑摩書房 1998)
- 回答プロセス
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下記資料には該当記述がなかった。
『イメージシンボル事典』(アト・ド・フリース 大修館書店 1984)
『西洋美術解読事典』(ジェイムズ・ホール 河出書房新社 1988)
『オックスフォード西洋美術事典』(佐々木英也ほか 講談社 1989)
p1133〈モデル〉裸体写生の歴史について解説されているが、該当記述はなし。
『美術とフェミニズム 反駁された女性イメージ 』(ノーマ・ブルード、メアリー・D.ガラード編著 坂上桂子訳 パルコ出版局 1987 )美術における女性のイメージを、フェミニスト的視点で論じている。
『ヌ-ドの歴史』(ジョ-ジ・レヴィンスキ- PARCO出版 1990)
近現代のヌード写真(男性を含む)についての記述が主体で、西洋に多いことについての記述は見当たらない。
『全集 美術のなかの裸婦9 風俗と女たち』(座右宝刊行会編 集英社 1979)
p9-22「生活と風俗のなかの裸婦」(中山公男)化粧、浴み、寝室といった場面の裸婦画の解説と図版あり。
『世界写真全集 4 ヌードフォトグラフィ』(ブライアン・ホーム編 集英社 1983)
近現代のヌード写真(男性を含む)の写真集。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術理論.美学 (701 9版)
- 芸術史.美術史 (702 9版)
- 参考資料
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- 『ザ・ヌード 裸体芸術論 理想的形態の研究 7版』(ケネス・クラーク 美術出版社 1980)
- 『The nude 西欧美術にみる裸婦の系譜1』(阿部信雄ほか 中央公論社 1984)
- 『女神のこころ 聖なる女性をテーマにした芸術と神話』(ハリー・オースティン・イーグルハート 現代思潮新社 2000)
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『日本大百科全書 17』(小学館 1987)
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『岩波西洋美術用語辞典』( 益田朋幸、喜多崎親編著 岩波書店 2005)
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谷田博幸著「ヴィクトリア朝の闘うヌード」(『芸術新潮 54(6)』p30-35.p40-51 新潮社 2003)
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『The nude 西欧美術にみる裸婦の系譜2』(阿部信雄ほか 中央公論社 1984)
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『ルネサンスのエロティック美術』(越川倫明編 東京藝術大学出版会 2011)
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稲賀 繁美著「裸体画と醜聞 ク-ルベ展に寄せて」(『季刊みづゑ 951』p116-129 美術出版社 1989)
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『美術とジェンダー 非対称の視線』(鈴木杜幾子、天野知香ほか ブリュッケ 1997)
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『交差する視線 美術とジェンダー』(鈴木杜幾子、稲本万里子ほか ブリュッケ 2005)
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『美学 ジェンダーの視点から』(キャロリン・コースマイヤー 三元社 2009)
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『美学とジェンダー 女性の旅行記と美の言説』(エリザベス・A.ボールズ ありな書房 2004)
- 『日本絵画の女性像 ジェンダー美術史の視点から(ちくまプリマーブックス120)』(池田忍 筑摩書房 1998)
- キーワード
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- 裸体画
- 人体美
- 婦人(美術上)
- モデル
- 素描
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000111853