①には、砂漠の植物について、「砂漠は、地球上でもっとも乾燥した地域であり、数か月間または数年間も雨が降らないことがあります。砂漠の植物がそのようなとてもきびしい環境に耐えるには、特殊な適応能力が必要です。雨が降ったあとにすばやく水を集め、長い間それをためこみ、水を求める動物や、絶え間なく照りつける太陽から、その貴重な水分を守ることができなければなりません。」との説明があり、「水をためこむしくみ」について、「サボテンの多くは、ひだのある形をしており、深いひだが上から下へと走っている。このようなひだのおかげで、茎は、水を吸い上げたときにはふくれあがり、ためこんだ水がなくなったときにはしぼむようになっている。」とある。また、「サボテンの先のとがったとげ」については、「サボテンが葉をとげに進化させたのは、動物に食べられないようにするためだけではなく、水分を失わないようにするためでもある。ふつう、葉は表面積が大きいので、植物から水分が蒸発してしまう。そのためサボテンは、広い葉のかわりにあまり水分を蒸発させないとげを生やすことにしたのである。」とあり、「水を集めるしくみ」については、「雨が降り、サボテンのひだによって水が根元に送られると、広がってのびた浅い根が、日光に当たって水が干上がる前に、すばやく水を吸い上げる。」とある。そして、「日よけ」について、「サボテンは、茎にある5~8本のひだのおかげで、日中、ずっとかならず一部が日陰になる。ひだの生えかけの白い綿毛のようなものも日よけのはたらきをする。」との記載がある。
②には、砂漠で貴重な水をにがさないしくみについて、「サボテンの多くは、体がふくらんで球や柱のような形となり、その中に水分をたくわえています。このように、茎や葉が厚くふくらんだ植物を「多肉植物」といいます。ふつう植物では、葉や枝の表面から水分が空気中にでていきます。サボテンは、これをさけるために、葉や枝が変化して細いトゲになっています。こうして体の表面積を少しでも小さくし、表面から水分がにげるのをふせいでいるのです。」との記載がある。
③には、「サワロサボテンの表面のヒダは、水分をふくむとふくらみ、もとの体積の何倍もの水をためることができる。」とある。また、「雨がふったときに、一年分の水分をためておけるようにと、どんどん大きく進化した。」との記載がある。
④には、「北アメリカのソノラ砂漠に高くそびえるサグアロ(ベンケイチュウ)は、世界一背の高いサボテンです。」「サグアロは、葉のかわりに、するどいトゲをもちます。また、ワックスをぬったような皮で、水分が蒸発するのをふせいでいます。雨がふると、水分をしっかり吸収するために皮の表面のひだが広がり、あさく広く広がった根もできるだけたくさんの水分をすいとろうとします。」との記載がある。
⑤には、サボテンのふるさと南北両アメリカのサボテンについて説明されており、「インディアンに、サハロ(巨人)とよばれているサボテン。このサボテンがアリゾナのさばくの、はげしい日でりとかんそうのなかで生きていけるのは、太いくきに、多くのとくべつなしくみがあるからだ。」とあり、「高さ20メートルにもなるサハロは、高さの2倍もある長い根を、地表あさくはりめぐらせ、少しの雨でもすいあげ、くきやえだには30トンもの水をためることができる。」との記載がある。