レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/11/7
- 登録日時
- 2021/04/01 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:41
- 管理番号
- M21031611211871
- 質問
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戦後の国語教科書に『桃太郎』のお話が掲載されているものがあるか。
- 回答
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以下の調査により、戦後から現在までの国語教科書には、『桃太郎』のお話そのものを題材としたものは掲載されていないのではないかと考えられる。
①『桃太郎像の変容』
「戦後三十五年を経た今日も小学校国語教科書教材として一度も登場していないのである。ただ一九七〇年代になって、「音楽」の教材に桃太郎の唱歌をやっと一社が採用しただけである。」との記述がある。
②『桃太郎の運命』
「はじめに」の文中に「一九四五年以降は今日まで、教科書には全く姿を見せず」(2004年3月)との記述がある。
また、以下の国語の教科書の題材から検索できるデータベースおよび図書でも該当なし。
③東書文庫「蔵書検索」
「※小・中学校 昭和24年以降の国語教科書のみ作品名で検索可能です。」と検索画面に注記されている。作品名「ももたろう」または「桃太郎」で検索すると、中学校国語教科書が2件ヒットしたが、それぞれ、落語よみもの、文法教材であり、いずれも桃太郎のお話そのものではなかった。
④小学校国語教科書題材データベース(神奈川県立総合教育センター)
昭和24年~平成16年発行の「小学校国語教科書」に掲載された題材を検索することができる。同様にキーワード検索すると該当なし。
⑤『教科書掲載作品 小・中学校編』
1949年?2006年発行の小・中学校国語教科書に掲載された文学作品が対象。作品名索引で該当なし。
そのほか、インターネット検索でも近年の教科書に採用されていると思われる情報はみつからなかった。なお、関連する情報として以下のものがあったので、参考として紹介した。
⑥「古典教材としての『桃太郎』」
「現在の国語教科書においては、東京書籍『新しい国語』一下(二〇一五年七月)の中の「ほんはともだち」、「むかしばなしをたのしもう」、「おはなしをつくろう」などの単元で題名や冒頭部が紹介されている程度である。」との記述がある。
⑦『文部科学省検定済教科書小学校国語科用 新編 あたらしいこくご一下』
上記⑥のとおり、「ほんはともだち」「むかしばなしをたのしもう」「おはなしをつくろう」の単元には、ももたろうに関する記述がある。
参考:教科書の掲載作品を調べる(国立国会図書館 調べ方案内)
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102275.php
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375 9版)
- 参考資料
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①滑川 道夫/著『桃太郎像の変容』東京書籍,1981,622p 図版24p. 参照はp.205.
②鳥越 信/著『桃太郎の運命』 ミネルヴァ書房,2004,243p. 参照はp.i.
③東書文庫「蔵書検索」(確認2021.3.16)
http://www.tosho-bunko.jp/opac/TBSearch
④小学校国語教科書題材データベース(神奈川県立総合教育センター)(確認2021.3.16)
https://kjd.edu-ctr.pref.kanagawa.jp/daizai/
⑤日外アソシエーツ株式会社/編集『教科書掲載作品 小・中学校編』日外アソシエーツ,2008,8,690p, 参照はp.682.
⑥雲岡 梓「古典教材としての『桃太郎』 -古典学習導入時期の教材としての可能性-」『国語論集』13,2016年3月,p.31.(確認2021.3.16)
http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7961
⑦『文部科学省検定済教科書小学校国語科用 新編 あたらしいこくご一下』 東京書籍,2014,176p. 参照はp.24-25,80-85.
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①滑川 道夫/著『桃太郎像の変容』東京書籍,1981,622p 図版24p. 参照はp.205.
- キーワード
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- 教科書 桃太郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2021031611202711871
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生, 小学生(高学年)
- 登録番号
- 1000296175