レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年08月02日
- 登録日時
- 2023/05/07 15:34
- 更新日時
- 2024/01/07 14:47
- 管理番号
- 2022-0058
- 質問
-
解決
『決定版 東京大空襲写真集』に収録されている写真を見て、以下の①~④について参考になる資料がないか調べている。
①瓦礫の中で「花屋」が仮設で営まれている写真があった。花は何に使ったのか、流通はどうなっていたのか。
②仮設床屋の写真があったが、なぜ必要だったのか、設置された経緯を知りたい。
③牧師か神父が映っている写真があったが、牧師や神父は徴兵されたのか。
④戦前・戦中(昭和10年代)に、結婚式ではウェディングドレスが着用されたのか。
- 回答
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以下の資料を提供。
①
『決定版 東京空襲写真集』
p400 写真番号1567・1575「仮設花屋の店頭。(1945年6月)」を確認。
『戸越農園の歩み』
p24「太平洋戦争が激化するに及んで、草花や果樹類の栽培は厳しく規制された。」
p97「昭和16年切り花、枝ものの公定価格が決定(1月)」
『練馬農業協同組合史』
p173「昭和十六年太平洋戦争に突入した。そうなると、花どころではない。・・・園芸組合も自然に消滅してしまった。」
『川崎農協三十年史』
p179「不急作物の制限禁止(昭和一八・三・四)田に作付を禁止されるもの。・・・花卉。」
『愛知県園芸発達史』
p15「特に果樹や花きは・・・不急の作物として麦やかんしょなどへの作付転換を迫られ・・・」
p1038、p1077「昭和19年後半になり、戦争の激化とともに花きの生産はほとんどなくなり・・・。終戦直後の昭和20年9月初めから西別院で花の取引が再開され、進駐軍関係の需要もあって・・・」
『東京ニ於ケル生花市場調査』
大正14年(1925)段階の生花市場5ヶ所の取引方法などが書かれている。
【インターネット情報】
「農民」農民連機関紙 ON LINE記事データベース 2002年6月(541号~544号)「戦時中、禁じられた花作り」
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200206/2002062401.htm
「生きている人の心癒す花」の項目に「「食糧難で食うや食わずの人がいるのに、だれが買うのか」。答はこうでした。「戦没者の遺族が、慰霊祭に使うのだよ。それと、大地主が楽しみに買うようだね」」とあり。
②
『決定版 東京空襲写真集』
p392・393 写真番号1540・1541・1549「仮設理髪店(1946年6月)」を確認。
【他機関所蔵情報】
『理容現代史』日本理容美容教育センター 1970
終戦直後の理容業界に関する記述があると思われるが、当館に所蔵なし。国立国会図書館、東京都立図書館、目黒区立図書館に所蔵あり。
※2024.1.7追記
『理容現代史』を当館所蔵資料として受け入れたため、内容を確認。
p173「ニ 業者、営業再開」に復員してきた理容師達の多くが職場復帰し、瓦礫の中で自分を店を探し出し焼け跡を整理し、トタン板でバラック小屋を建て開業したとの記述あり。
③
『決定版 東京空襲写真集』
p378~383 写真番号1462,1465~1467,1469~1472,1475~1478,1481,1483・1484を確認。
『日本陸海軍総合事典』
p729 昭和2年の兵役法では、内地と樺太に本籍を有する満17-45歳までの日本人男子は兵役に服す旨が制定されている。神父なども徴兵された。
『事典昭和戦前期の日本 制度と実態』
p267兵役制度の項目あり。
『日本キリスト教歴史大事典』
p651 15年戦争の項目があるが、徴兵には触れておらず。
『昭和特高弾圧史 4』大東亜戦争下の宗教弾圧について記述あり。
『戦時下のキリスト教運動 3 昭和十八年‐昭和十九年』
④
『婦人倶楽部 第14巻第1号 附録(昭和8年1月)』
折込の口絵に「敎會に於ける結婚式」としてドレス姿の花嫁の後ろ姿が描かれている。同じく口絵に「お仕度が出来るまで(洋装)」に立ち絵でのイラストと紹介文あり。
『昭和の結婚』
巻頭口絵に上記『婦人倶楽部』の口絵「敎會に於ける結婚式」が掲載されている。
p142以降に戦後のウェディングドレスについて記載と掲載写真あり。
p144~146に昭和34年の皇太子と美智子妃の結婚式で美智子妃の「ローブ・デコルテ(ウェディングドレス)姿は、日本全国の女性たちに広く知られ、女性たちのウェディングドレスへの憧れを決定づけた」と記載あり。
『たえがたき・を・たえ』p261,262に戦中の結婚式の服装について記載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『決定版 東京空襲写真集』早乙女勝元 監修 勉誠出版 2015.01(060005451)閲覧済。
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 農業 (610 8版)
- キリスト教 (190 8版)
- 参考資料
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- 『戸越農園の歩み』三井戸越会 編者 三井戸越会 1994.03 (E610/Mi64 地下書庫江波戸図書 080005072)
- 『練馬農業協同組合史』練馬農業協同組合[編] 練馬農業協同組合 1970.10 (E611/N65/1 地下書庫江波戸図書 080005200)
- 『川崎農協三十年史』川崎農業協同組合 編者 川崎農業協同組合 1982.04 (E611/Ka97 地下書庫江波戸図書 080005190)
- 『愛知県園芸発達史』愛知県 著者 愛知県 1981.03 (622/A23 地下書庫和図書 000024502)
- 『東京ニ於ケル生花市場調査』[東京市] [編] 東京市商工課 1925 (E675/To46 地下書庫江波戸図書 080002821)
- 『決定版 東京大空襲写真集』早乙女勝元 監修 勉誠出版 2015.01 , ISBN 9784585270195 (210.75/Sa67 開架写真集 060005451)
- 『日本陸海軍総合事典』秦郁彦 編者 東京大学出版会 1991.10 , ISBN 4130360604 (392.1/N71 開架参考 000030894)
- 『事典昭和戦前期の日本 制度と実態』百瀬孝 著者 吉川弘文館 1990.02 , ISBN 4642036199 (312/Mo27 開架一般 000033095)
- 『日本キリスト教歴史大事典』日本キリスト教歴史大事典編集委員会 編集者 教文館 1988.02 , ISBN 476424005X (190/N71 閉架一般 060005797)
- 『昭和特高弾圧史 4』明石博隆 編者 太平出版社 1975.07 (317/A32/4 開架一般 000030779)
- 『戦時下のキリスト教運動 3 昭和十八年‐昭和十九年』同志社大学人文科学研究所 編者 新教出版 1973.08 (190/D88/3 閉架一般 000047357)
- 『婦人倶楽部 第14巻第1号 附録(昭和8年1月)』大日本雄弁会講談社 1933.01 (051/F64/Z14-1 閉架雑誌 100013492)
- 『昭和の結婚』小泉和子 編 河出書房新社 2014.11 , ISBN 9784309750125 (385.4/Ko38 開架一般 000058881)
- 『たえがたき・を・たえ』Iの会 著者 PMC出版 1982.11 (916/I56 閉架一般 000050579)
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新聞「農民」記事データベース
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200206/2002062401.htm (2022/08/02確認) - 『理容現代史』日本理容美容教育センター 1970.07 (383.5/R49 閉架一般 000067866)
- キーワード
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- 花屋
- 床屋
- 徴兵令
- 結婚式
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『理髪理容業 第九輯』労働省職業安定局 [編] 勞働省職業安定局 1948.07(000047267)昭和22年以降の話。
『理容・美容・洗濯・公衆浴場等のサービスの価格・需要・供給に関する研究』統計研究会 著者 統計研究会 1960.04(000033793)昭和30年以降の話。
『理容業の経済分析』統計研究会 著者 統計研究会 1967.04(000033797)昭和40年調査の話。
『戦災と復興』前橋市戦災復興誌編集委員会 編者 前橋市役所 1964.03(000046817)p557「前橋市戦災復興計画(八月九日決定されたが終戦によって廃案となつたもの) 第三 実施要項 空地帯の設定」に「(ロ)戦時緊要人員の範囲は概ね左に依る。9生活必需業従事員にして最小限度必要なもの(所轄警察署長の必要と認めたるものにして、食堂、浴場、理容、各種従業者)」とあり。終戦直前の計画で廃案となっているが、理容業が生活必需業として考えれていたことが推測される。
『八王子の空襲と戦災の記録 総説編』八王子市郷土資料館 編者 八王子市教育委員会 1985.03(000018600)p257「三 空襲のあと(一)戦災復興委員会」に「庭先を借りて、青空理髪店を開店した」とあり。
『未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集』東京都千代田区 発行 千代田区地域振興部国際平和・男女平等人権課 2016.03(060005823)p53「母が空襲の時にたった一つ持ち出した“枕”の中身」理容店を営む家に生まれた方の体験談。戦後すぐに復興住宅を建て、理容店を再開したとあり。
『婚礼』福島県立博物館 編集 福島県立博物館 2005.09(060006740)p9「ウェディングドレスの日本での普及は、チャペルウェディングが広まった80年代、海外挙式が増加した90年代と、結婚式の加速度的な西洋化の中で進みました。」とあり。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000332928