レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/13
- 登録日時
- 2023/07/02 00:30
- 更新日時
- 2023/07/20 18:28
- 管理番号
- 14893968
- 質問
-
未解決
「常法とは処すること無」の文章が載っている資料を探しています。
『涅槃経(師子吼菩薩品 巻30)』に載っているかもしれません。
- 回答
-
以下のとおり調査しましたが、お求めの記述「常法は処すること無」は見当たりませんでした。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館内/図書館・個人送信対象)資料、☆を付した資料は同インターネット公開資料です。
全文検索機能を有する「国立国会図書館デジタルコレクション」および「次世代デジタルライブラリー」をキーワード<常法>や<師子吼菩薩品>等で検索しました。
「師子吼菩薩品」の中で「常法」が記述されている資料に、以下のものがあります。
資料1:国民文庫刊行会 編『国訳大蔵経 経部 第9巻 3,4版』国民文庫刊行会, 昭10-11【626-16】☆
https://dl.ndl.go.jp/pid/1207347/1/170
「巻の第三十 師子吼菩薩品の六」が収録されており、p.328(170コマ)の左から5行目に「常法は住無し」とあります。
加えて、大蔵経を全文検索できる「CBETA 漢文大蔵経(中華電子佛典協會)」や「SAT大正新脩大藏經テキストデータベース」をキーワード<常法>で検索しました。
・「CBETA 漢文大蔵経」(中華電子佛典協會):http://tripitaka.cbeta.org/
右上のGoogle検索の窓にキーワード<”常法”>で検索すると、関連の項目がヒットします。件数が多いため、今回はキーワード<”師子吼”>、<"涅槃經">等を掛け合わせて検索しました。例えば、「大般涅槃經」 第30巻「師子吼菩薩品之六」に「常法無住」(http://tripitaka.cbeta.org/zh-cn/T12n0375_030)、「大般涅槃經集解」第59巻「師子吼品之第六」に「不遍常法」(http://tripitaka.cbeta.org/mobile/index.php?index=T37n1763_059)等があることがわかりました。
・SAT大正新脩大藏經テキストデータベース(東京大学): https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/
「テキストDB: SAT大正新脩大藏經テキストデータベース2018版 (SAT 2018)」をキーワード<常法無><師子吼>で検索しました。
すると、「大般涅槃經」の第30巻(慧嚴)と第32巻(曇無讖)に「常法無住」等があることがわかりました。
また、キーワード<常法無処>でヒットする情報があります。
この他、「師子吼菩薩品」や「大般涅槃経」について調査しました。
資料2:中村元 [ほか]編『岩波仏教辞典 第2版』岩波書店, 2002.10【HM2-G61】
p.808「涅槃経」によると大乗の「大般涅槃経」は漢訳が三種、曇無讖訳の40巻本(北本)、同再治本36巻(南本)、法顕訳の「大般泥洹經」(全6巻)があることがわかります。
資料3: 織田顕祐「大乗『大般涅槃経』の構造について」(大谷大学佛教学会 編『佛教学セミナー(89)』大谷大学佛教学会, 2009.6 pp.1-22【Z9-21】)
pp.2-9「二、書誌的な面から見た『涅槃経』成立の背景」にも資料2と同様の記述があります。出典資料として、資料4が紹介されています。
なお、こちらの雑誌記事は以下のウェブサイトから本文を閲覧することができます。
大谷大学学術情報リポジトリ: http://id.nii.ac.jp/1374/00006720/
資料4: 『大正新脩大蔵経 第12巻 (宝積部 下.涅槃部)』大正新脩大蔵経刊行会, 1967.11【183-D18】
pp.522-560「大般涅槃経巻 師子吼菩薩品」(曇無讖訳)、pp.766 -806に「大般涅槃経巻 師子吼菩薩品」(慧厳等再治)、pp.853-899「佛說大般泥洹經」(法顕訳)が漢文表記で掲載されています。
【調査に使用した主な資料】
・昭和新纂國譯大藏經編輯部 編『昭和新纂國譯大藏經 經典部 第6巻 (涅槃經第二・佛遺教經・維麾經)』大法輪閣, 2009.3【HM13-J63】
・田上太秀 著『ブッダ臨終の説法 : 完訳大般涅槃経 4』大法輪閣, 2022.11【HM23-M8】
・田上太秀 著『ブッダ臨終の説法 : 完訳大般涅槃経 3』大法輪閣, 2022.9【HM23-M6】
・大野法道 著『涅槃経・遺教経・梵網経経典解説 新装版』名著出版, 2018.7【HM23-M2】
・学仏教文化学会上座仏教事典編集委員会 編『上座仏教事典』めこん, 2016.10【HM2-L28】
・原田霊道 著『大般涅槃経 : 現代意訳』書肆心水, 2016.9【HM23-L4】
・『新国訳大蔵経 涅槃部 3』大蔵出版, 2009.8【HM13-J169】
・望月良晃 著『大乗涅槃経入門 : ブッダ最後の教え』春秋社, 1998.12【HM23-G5】
・パーリ・武石彰夫, 菅沼晃 編『仏教文学辞典』東京堂出版, 1980.6【KE112-11】
・谷口雅春 著『大般涅槃経解釈』日本教文社, 1977.3【HM23-2】
・横超慧日 著『涅槃経 (東洋思想叢書 ; 第7)』日本評論社, 1942【183.59-O937n】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/1917882/
・金山穆韶 著『真言密教の教学』高野山大学出版部, 昭和19【188.51-Ka47ウ】☆
https://dl.ndl.go.jp/pid/1040601
・原田霊道 著『大般涅槃経 : 新訳』北斗書院, 昭和11【183.5-H32イウ】☆
https://dl.ndl.go.jp/pid/1040443
・『仏教聖典を語る叢書 第9巻』大東出版社, 昭和10【668-3】
「涅槃経 藤秀璻 著」の巻です。
・『大谷光瑞全集 第3巻』大乗社, 昭和9-10【673-17】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/1223958
・昭和新纂国訳大蔵経編輯部 編『昭和新纂国訳大蔵経 〔第1〕経典部 第6巻』東方書院, 昭和4【183-Sy961-S】◎
https://dl.ndl.go.jp/pid/1913313
・『国訳一切経 第7-2』大東出版社, 昭3-11【702-1】
・国民文庫刊行会 編『国訳大蔵経 第33冊』国民文庫刊行会, 大正6-7【840-51】☆
https://dl.ndl.go.jp/pid/1210778
【調査に使用した主なデータベース、インターネット情報等】
・国立国会図書館オンライン https://ndlonline.ndl.go.jp/
・CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/
・国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/ja/
・次世代デジタルライブラリー https://lab.ndl.go.jp/dl/
・Google Scholar https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja
・INBUDS インド学仏教学論文データベース https://www.inbuds.net/
・朝日新聞クロスサーチ(当館契約データベース)
・毎索(毎日新聞)(当館契約データベース)
・ヨミダス歴史館(読売新聞)(当館契約データベース)
・皓星社 雑誌記事索引集成データベース(ざっさくプラス)(当館契約データベース)
・リサーチ・ナビ「大蔵経(一切経)を調べる」https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/theme_honbun_101024.html
インターネット情報等の最終確認日:2023年6月6日
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『国訳大蔵経 : 昭和新纂 経典部 第6巻(卷第三十 師子吼菩薩品第二十三之六/245)』インターネット公開されているもの。
『和訳涅槃経 (高崎直道∥編著 東京美術 1993.11 ISBN/ISSN:4-8087-0603-2)』
- NDC
-
- 仏教 (180)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000335244