レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/12/17
- 登録日時
- 2020/01/07 00:30
- 更新日時
- 2020/01/15 10:26
- 管理番号
- 6718130
- 質問
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解決
薩摩の豪商浜崎太平次(1814-1863)と新潟の実業家鍵富三作(1833-1908)の関係について調べている。大久保利通の三男利武や第4・6代総理大臣の松方正義も「太平次のおかげで鍵富三作あり」と伝えている。浜崎太平次と鍵冨三作の関係性、つながりを示す資料がないか調べたい。
- 回答
-
ご照会の浜崎太平次・鍵富三作両氏の関係について記載のある資料1および資料2をご紹介します。
【 】内は当館請求記号です。インターネットおよびデータベースの最終アクセス日は2019年12月10日です。
末尾に「*」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、インターネット上で公開しています。
末尾に「**」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館および図書館送信参加館内で公開しています。
末尾に「***」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館内で公開しています。
・資料1
絹川太一 著. 本邦綿糸紡績史 第一巻. 日本綿業倶楽部, 1937 【586.22-Ki251h】**
p.83(79コマ)に、「濱崎家は…(中略)…八代目の太平次に至り…(中略)…常に數十隻の船舶を使用して主に大阪より北海道の西廻り通商に從事し各處に店舗を開いて居つた。店舗の支配人には頗る駿豪多く神戸の川崎正藏、新潟の鍵富の如き其子孫は今にも榮えて居る。」という記述があります。
・資料2
絹川太一 著. 本邦綿糸紡績史 第1巻 (明治百年史叢書). 原書房, 1990 【DL634-E8】
資料1の復刻版です。
・資料3
三島康雄 著. 造船王川崎正蔵の生涯. 同文館出版, 1993 【GK73-E80】
p.21「浜崎家の全国支店網」に、「指宿町十二湊では本拠地として不便になってきたので、太平次(八代)は旧宅に池永幸之丞を支配人として残し、自らは鹿児島の旭通海岸に広大な邸宅を建築し、潮見町に本店を移し弟の弥兵衛、太七、和兵衛に全体を統轄させ、さらには全国各地に次のような支店のネットワークを形成して、貿易、海運、造船の諸事業の多角的発展を企図した。」「2 越後国・新潟。支配人は鍵富三作であった。」という記述があります。
(調査済み資料およびデータベース)
・岡本幸雄 著. 明治期紡績技術関係史 : 日本の工業化問題への接近. 九州大学出版会, 1995 【DL634-G1】
資料1を出典として、新潟の支配人が鍵富である旨記載されています。
・川田孝吉 (無膓居士) 編. 商人出世の鏡 : 児童教育 第1. いろは書房, 1888 【特53-528】*
・大橋佐平 著. 北越名士伝. 大橋書房, 1885 【33-80】*
・篠田正作 (秋野散史) 著. 立志の友 : 智識進歩. 鍾美堂, 1892 【特21-23】*
・篠田正作 著. 立志美談 : 幼年文庫. 鍾美堂, 1894 【特13-801】*
・篠田正作 (城南) 著. 日本新豪傑伝 : 実業立志. 偉業館, 1892 【特20-186】*
・嬌溢生 著. 名士奇聞録. 実業之日本社, 1911 【29-388】*
・浜崎太平次顕彰会 編纂. 浜崎太平次伝. 浜崎太平次顕彰会, 1935 【GK47-56】*
・金光玉. 幕末維新期薩摩藩の研究 : 流通を中心に. 1993 【UT51-93-S1】**
・公爵島津家編輯所 編. 薩藩海軍史 上巻 (明治百年史叢書 ; 第71巻). 原書房, 1968 【397.21-Si361s-h】**
・中村光至 著. 薩摩歴史散歩 : 燃える桜島. 創元社, 1978 【GC292-30】**
・指宿市 編. 指宿市誌. 大和学芸図書, 1979 【GC294-79】**
・岩崎光 編. 写真集明治大正昭和指宿 : ふるさとの想い出177. 国書刊行会, 1981 【GC294-94】**
・新潟県史 通史編 7 (近代 2). 新潟県, 1988 【GC85-70】***
・坂井新三郎. 越佐名士録 2版. 越佐名士録刊行会, 1942 【特234-808】**
・栗原九十九 編. 西蒲原郡志補追人物篇. 市川吉五郎, 1981 【GK13-705】
・日本産業人名資料事典 2 第1巻. 日本図書センター, 2002 【D6-H9】
・実業の日本. 実業之日本社, 7(12) 1904.6 【Z3-511】***
・実業の日本. 実業之日本社, 14(24) 1911.11 【Z3-511】***
・花ひらく文化・文明 九州への道――薩摩藩留学生と海商・浜崎太平次. 財界九州. 33(4)(811) 1992.3 pp.81-83 【Z3-1755】***
・国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )
・新潟県立図書館( https://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/ )
・新潟県立図書館郷土人物/雑誌記事索引データベース( https://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/?page_id=1139 )
・鹿児島県内図書館横断検索( https://www.library.pref.kagoshima.jp/wo/cross/ )
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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[調査済]
(1)浜崎太平次は屋号ヤマキの支店を新潟に設けていた。
(2)太平次の薫陶を受け産を造り富を殖やした者に、越後の富豪鍵富(三作)家や神戸の川崎(正蔵)家が挙げられている。
(3)川崎重工業創業者の川崎正蔵(1837-1912)は、太平次の長崎店(別称山田屋)で17歳から修業を積んでいる。
(4)鍵富三作の13歳からの修業先は、廻船問屋越前屋太兵衛(新潟大川前通十七軒町)である。
(5)鍵冨三作と薩摩との関係は、薩摩藩出身布屋嘉平(村田一郎兵衛経通:新潟他門町)がいる。
(6)越前屋太兵衛と布屋嘉平の住所が、現在の新潟上大川前十番町で同じである。
[出典・情報源]
(1)宮里源之亟, 沢田延音『海上王浜崎太平次伝』浜崎太平次翁顕彰会 1934
p29.長崎、大阪、那覇、新潟、函館、佐渡などに支店を設ける
(2) 島津公爵家編集所/編『薩藩海軍史(上)』薩藩海軍史刊行会 昭和3年
第三章p.161 八、海上貿易「濱崎太平次と海運貿易」
大久保利武『濱崎太平次』東京大学史料編纂所1921の 15丁
松方正義 述[他] 『松侯訓話』鹿児島市報徳会 明治43年のp.45
浜崎 助次『浜崎太平次翁之略伝』浜崎助次 1931の p.11
(3) 三島康雄『造船王川崎正蔵の生涯』同文舘 1993
山本実彦『川崎正蔵』吉松定志 1918 のp22.
(4) 甲良山編『東講商人鑑』安政二年1855の32丁 に「越前屋太兵衛」
(5) 石黒正英「布屋嘉平と鍵富三作」『新潟県文人研究』第3号
柚木学『諸国御客船帳』清文堂出版 1977
薩摩国に「寛済丸鍵富三作様名代にて御入来布屋半左衛門様船静左衛門様や長宝丸さつま鹿児嶋布屋掛 鍵富三作様船喜助様」など
(6) [参考]新潟ハイカラ文庫File.12「新潟湊の廻船」 http://actros.sakura.ne.jp/file12.html
- NDC
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- 経済史.事情.経済体制 (332 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 浜崎太平次
- 鍵富三作
- 薩摩藩
- 川崎正藏
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 経済社会(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵機関調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公立図書館 図書館
- 登録番号
- 1000272218