レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年10月26日
- 登録日時
- 2017/03/07 13:08
- 更新日時
- 2017/06/02 15:22
- 管理番号
- 埼久-2016-130
- 質問
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解決
新渡戸稲造の歌「いにしえの 先行く人の跡見れば 踏みゆく道は 紅に染む」の正しい表記と意味が知りたい。また、出典は山形県赤湯温泉東雲寺の佐藤法亮尼宛ての手紙と聞いたが、他の手紙や作品には出てこないのか。
- 回答
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質問に関連する記述のある以下の資料を紹介した。また、質問の書簡以外の出典は見つからなかった。
『新渡戸稲造事典』(佐藤全弘[ほか]著 教文館 2013)
p118 「またこのころ佐藤法亮尼にあてた書簡の中に次の5首の和歌を詠み、心境を明かした。(昭和7年3月22日付 『新渡戸稲造研究』所収)」として「古への目覚めし人の跡見れば踏みにし道は紅に染む」の歌あり。「これらの和歌には、新渡戸家の宿命と稲造がかねて感じていた歴史がこめられている。(中略)つまり、新渡戸家は3代にわたり、主君南部家の為尽くし、功があったのに、讒言されて悲運にみまわれつづけた。稲造自身はまだ父祖ほどの辛い目に会っていない、日本国を愛しその前途を憂ればこそ、警世の言を口にしたのに、迫害される。これは新渡戸家の宿命としか考えられぬとの思いがこみ上げてくるのだった」との解説あり。
『新渡戸稲造 新装版』(松隈俊子著 みすず書房 1981)
p246-254 「新渡戸稲造より佐藤法亮尼宛書簡二通(山形県赤湯町長岡東雲寺蔵)」として書簡の紹介があり、文中に「古への目ざめし人の跡見れば 踏みにし道は紅に染む」とあり。解説等なし。
- 回答プロセス
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1 《国会図書館リサーチ・ナビ》(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ 国会図書館)「和歌・俳句の検索」を参考に調査する
『角川現代短歌集成 第1巻-第4巻、別巻』(角川学芸出版 2009)
別巻の歌人名索引に新渡戸稲造なし。
2 NDC分類〈911.167〉の書架を確認する
『現代短歌分類集成 20世紀“うた”の万華鏡』(千勝三喜男編 おうふう 2006)
巻末の歌人別収載歌索引に新渡戸稲造なし。
3 新渡戸稲造について書かれた資料を確認する
『新渡戸稲造』新装版(回答資料)
『新渡戸稲造事典』(回答資料)
質問に関する記述のない資料
『新渡戸稲造 1862-1933』(草原克豪著 藤原書店 2012)
巻末に主要人物索引よりp42、44、47に「佐藤法亮尼」はあるが、該当記述なし。
『新渡戸稲造全集 別巻』(新渡戸稲造全集編集委員会 1987)
『新渡戸稲造研究』(東京女子大学新渡戸稲造研究会編 春秋社 1969)
p393-448「太田(新渡戸)稲造書簡」明治期の書簡はあるが、該当記述なし。
『新渡戸稲造 国際主義の開拓者 名誉 努力 義務』(ジョージ・オーシロ著 中央大学出版部 1992)
『新渡戸稲造』(杉森久英著 読売新聞社 1991)
『新渡戸稲造 国際開発とその教育の先駆者』(拓殖大学 2001)
『新渡戸稲造 アクティブ(活動的)な青年 僕は稲造さんを追って世界に飛んだ』(佐藤みさ子著 新渡戸基金 2000)
『日米のかけ橋 新渡戸稲造物語』(堀内正己著 彩流社 1981)
『新渡戸稲造 日本の近代化と太平洋問題』(蝦名賢造著 新評論 1986)
『永遠の青年新渡戸稲造』(内川永一朗著 新渡戸基金 2002)
『新渡戸稲造 太平洋の架け橋』(神渡良平著 ぱるす出版 1992)
ウェブサイトの最終アクセス日は2016年10月25日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『新渡戸稲造事典』(佐藤全弘[ほか]著 教文館 2013) , ISBN 978-4-7642-4038-4
- 『新渡戸稲造』(松隈俊子著 みすず書房 1981) , ISBN 978-4-6220-0505-6
- キーワード
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- 新渡戸 稲造(ニトベ イナゾウ)
- 和歌
- 佐藤法亮尼
- 書簡文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000211186