レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/06/23
- 登録日時
- 2023/02/02 00:30
- 更新日時
- 2023/02/02 00:30
- 管理番号
- 6001058658
- 質問
-
解決
住友吉左衛門友純が大阪図書館の建設時に寄付した金額について、金額の根拠はあるのか。
- 回答
-
住友吉左衛門友純の寄付金額の根拠に関する資料は、以下のとおりです。
■『住友春翠からの贈り物:中之島図書館百周年』(大阪府立中之島図書館百周年記念事業実行委員会 2004.6)
p.1に「春翠は初めての外遊の途に着く。(中略)この外遊の間に春翠の感得したものは大きく、1900(明治33)念の図書館寄付願もその影響を抜きに語ることはできない」、「帰朝後、大阪府知事提出の図書館建設予算案が5万円という乏しさであるのを憂い、独自に諸外国の富豪による図書館寄付金額の規模を調べたうえで、建設費15万円・資料購入基金5万円の図書館の寄付を申し出る」とあります。
■『中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ』(『中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ』編集委員会/編集 大阪府立中之島図書館百周年記念事業実行委員会 2004.2)
p.39に「1900(明治33)年1月6日、吉左衛門は住友の重役を本家に集め、大阪市に図書館を設ける必要があり、独力を以てこれを寄付する意向を伝えた。直ちに市または府と交渉することと建設の方法研究のことを命じたという」とあります。
命を受けた田辺貞吉らが帝国図書館長であった田中稲城に、欧米における富豪による図書館寄付の実情について照会し、田中の返書中の「図書館創設考案」には「一 住友家は金捨五萬円を出し大阪市に一箇の図書館を建設すべし 二 住友家は前項の外、創立図書購買費をして金五萬円を寄附すべし 三 住友家は図書購買基金として更に金五萬円を寄付すべし 図書館は之より生ずる利子を以て年年図書を購入すべし(以下略)」(p.39)とあります。
p.40-41に住友吉左衛門の「図書館建設寄付願」が掲載されており、その内容を受けて「田中稲城の手紙の冒頭に掲げられた「図書館創設考案」と、住友吉左衛門が提出した「図書館建設寄附願」を比較してみると、建設費一五万円、図書購買基金五万円など、住友吉左衛門が大枠はほぼ田中稲城の提案に沿った形で大阪府に寄付を申し出ている」とあります。
p.36-37「府会への提案経過」の項に、住友吉左衛門からの図書館寄付願を受け、明治33年の臨時大阪府会の教育歳入歳出追加に関する審議の経過について記載されています。当初は「図書館建築費」として4万9889円の予算が計上されていましたが、寄付願を受けて「建設費15万円とほぼ3倍規模の図書館が提案されることになったのである」とあります(p.37)。
■『住友春翠』(「住友春翠」編纂委員会/編纂 「住友春翠」編纂委員会 1955)
『中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ』の参考文献に挙げられている資料です。p.365-372に上述した内容が記載されています。
■『大阪府会史 第2編』(大阪府会/[編] 大阪府内務部 1933)
『中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ』の参考文献に挙げられている資料です。明治33年2月26日に開会された臨時大阪府会の菊池知事の閉会演説(p.236-238)で住友吉左エ門からの寄附について言及しています。
明治33年2月26日に開会された臨時大阪府市部会の市第9号議案に「住友吉左エ門ヨリ大阪府立図書館ノ建物一式(建築費大約拾五萬圓)並図書購入基金五萬圓ヲ寄附センコトヲ出願セシヲ以て之ヲ収受セントスルニ付寄附者の希望に依リ左ノ契約を為サントス」として契約内容が示されています(p.243-245)。
[事例作成日:2023年1月7日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 図書館経営・管理 (013 10版)
- 参考資料
-
- 住友春翠からの贈り物 大阪府立中之島図書館百周年記念事業実行委員会 2004.6
- 中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ 『中之島百年-大阪府立図書館のあゆみ』編集委員会∥編集 大阪府立中之島図書館百周年記念事業実行委員会 2004.2
- 住友春翠 「住友春翠」編纂委員会∥編纂 「住友春翠」編纂委員会 1955
- 大阪府会史 第2編 大阪府会∥[編] 大阪府内務部 1933
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000328497