レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/09/23 11:25
- 更新日時
- 2023/03/30 14:38
- 管理番号
- 愛知県図-03770
- 質問
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解決
昭和40年頃、他人が献血をした証明を提出すると自分に輸血してもらえるということがあったようだ。このような献血・輸血の制度について記載のある書籍があったら教えてほしい。
- 回答
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戦後日本の血液銀行の「預血」、または日本赤十字社での献血者の「優先還元」のしくみのようである。
「献血をした証明」というのは、日本赤十字社においては、献血手帳の献血記録・供給記録のことではないかと思われる。
次の資料および情報を提供。
『流通する「人体」』【資料1】p.148-165 第Ⅱ部 第7章 血液のバンキング 「二 「安全な」血液の希求」・「三 「黄色い血」という教訓」等に、戦後日本における預血や優先還元のしくみの成立から廃止までの流れがまとめられている。(巻末に索引あり)
『献血と血液』【資料2】p.122「献血手帳を広げた図」に献血記録・供給記録記載欄がある。またp.123には大きな手術の際に輸血量を確保するため、友人知人の献血手帳を入手しなければならないなど、輸血液集めの注意点にもふれられている。
『血液事業のあゆみ』【資料3】日本赤十字社の血液事業はもとより、戦後日本の売血・預血・献血についてまとめられている。p.154-156 第5章 第5節「2.献血手帳」に、昭和45年(1970年)9月に改正された献血手帳の裏表紙には優先還元条項「あなたやあなたのご家族が輸血を必要とされるとき、この手帳で輸血が受けられます」との文章が記載されていたが、昭和55年(1980年)1月にこの条項は削除され、昭和57年(1982年)1月には献血手帳の有無にかかわらず輸血が受けられるようになったとある。
「日本赤十字社大阪府赤十字血液センター」ホームページ>スペシャル>血液事業の歴史【資料4】日本における輸血の始まりや献血手帳の改正等がまとめられている。
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/osaka/special/m6_01_history.html(2023.3.26最終確認)
- 回答プロセス
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1.当館OPACにて「献血」「輸血」と検索→【資料1,2】
2.分類492.26の書架の資料を確認→【資料3】
3.インターネットで「献血手帳 家族 輸血」と検索→【資料4】
- 事前調査事項
- NDC
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- 医学 (490 9版)
- 臨床医学.診断.治療 (492 9版)
- 参考資料
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【資料1】香西豊子 著 , 香西, 豊子. 流通する「人体」 : 献体・献血・臓器提供の歴史. 勁草書房, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008739923-00 , ISBN 9784326101740 -
【資料2】加藤/登喜男 著 , 加藤/登喜男. 献血と血液 : あなたの血液が生命を救う. 大衆書房, 1980.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I057103553-00 -
【資料3】日本赤十字社 編 , 日本赤十字社. 血液事業のあゆみ. 日本赤十字社, 1991.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002130729-00 -
【資料4】日本赤十字社大阪府赤十字血液センターホームページ>スペシャル>血液事業の歴史(最終確認日20230218)
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/osaka/special/m6_01_history.html
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【資料1】香西豊子 著 , 香西, 豊子. 流通する「人体」 : 献体・献血・臓器提供の歴史. 勁草書房, 2007.
- キーワード
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- 献血
- 輸血
- 預血
- 優先還元
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000321667