レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/17
- 登録日時
- 2023/03/30 00:30
- 更新日時
- 2023/03/30 17:25
- 管理番号
- 0000001514
- 質問
-
未解決
NPO法人日本子守唄協会のHPに掲載のある、小松市波佐羅町の子守唄「ねんねの寝た間に」の歌詞に「ねんねの寝た間にオロロコしょう」とある。
この「オロロコ」という言葉はどんな意味か。(協力レファレンス)
- 回答
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結論から言うと、はっきりしたことはわからなかった。
1「オロロコ」という語について、当館所蔵の国語辞典、擬音語・擬態語辞典の類や、全国と石川県の方言辞典で引いてみたが全くヒットしない。
2 NPO法人日本子守唄協会のHPに参考資料として挙がっている図書『石川のわらべ歌』のp206に、「ねんねの寝た間に(2) (ねさせ歌)」 の楽譜、歌詞、説明文が掲載されている。
楽譜には採集「小林 輝冶」 採譜「中沢 静子」、p226に伝承者名「太田けい子(昭和14年生 小松市小松市波佐羅町)」、採集年次「昭和56年」とある。
3 『石川のわらべ歌』のp216に以下の記述あり:
「なお、ねさせ歌」としては、「オロロン」とか「ねんねこ」など、きわめて短いことばをただ繰り返すだけのもの、たとえば「くりごと歌」とでもいうべきものや、すぐに寝ない子は恐ろしいめにあうとおどかしたもの、いわば「おどし歌」と呼べるものがある。これらのうち、その二三を参考歌にあげておく」
そして
「〇[参考歌]オロゝヤコロゝ、ベロゝイヤ、ネンネン唱名ジウサンゲ、…」
ここに挙がった「オロロン」「オロゝヤコロゝ」は、ともに「オロロコ」と音がよく似ている。
4 小林 輝治著『加賀地方の子守唄』(北陸大学機関リポジトリで閲覧可能の「北陸大学紀要第6号」掲載の論文)に、この子守唄についてのものと思われる以下の解説がある。
「波佐羅町に育ったある中年女性によれば、母親の子守唄は「ねんねが寝るまで“寝んねの寝た間に”だけだった」という。その場合、即興的に「おろろこしょう」・「まんま食ってよう」(略)…と続けて眠るまで静かに唄いつづけられたという。(略)」
5 また同論文の2pに以下の記述がある。
「(略)「オロロン」については未詳というより仕方がないが、たとえば狂言「茸(くさびら)」で懸命に祈る山伏が「ボロンボロボロンボロ、ボロンボロボロンボロ」とくり返しているが(昭36・10/岩波版「日本古典文学大系43/狂言集・下」参照)、金沢においても盛んであった山伏修験を考えてみると、その呪言とのなんらかの関係があるかも知れない。」
「オロロン」については未詳と言っている。「オロロコ」や「オロゝヤコロゝ」についての記述ではないが、参考までに挙げる。
引用箇所の前後の箇所もあわせて、利用者への回答の参考にしていただきたい。
- 回答プロセス
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電話では、日本子守唄協会HP掲載の曲「ねんねの寝た間に」の歌詞について、とのことで
https://www.komoriuta.jp/ar/A06012401.html を閲覧。「参考資料 『日本わらべ歌全集10上』石川のわらべ歌」とあり
回答資料1(小松市立図書館に所蔵あり) にたどり着く。
回答資料1の著者の別の論文(回答資料2) 北陸大学機関リポジトリで閲覧可。
「加賀地方の子守唄」 file:///C:/Users/nalis-work/Downloads/110006556176.pdf
こちらも参考になる記述はあるが、答えそのものはない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (38 9版)
- 参考資料
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- 1 石川のわらべ歌 小林 輝冶∥著 柳原書店 1986.11 K388.9/16/1 206
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2 加賀地方の子守唄 小林 輝治∥著 北陸大学 1982.12 K388.9/11 2、9 北陸大学紀要第6号抜刷
- キーワード
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- 子守唄
- ねさせ歌
- 石川県小松市波佐羅町
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000331230