レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年05月06日
- 登録日時
- 2017/04/05 00:30
- 更新日時
- 2021/02/02 11:17
- 管理番号
- 広県図20170017
- 質問
-
未解決
白居易(白楽天)に「日暮れ塗遠し。我が生嗟跎たり」の漢文がある。「徒然草」第百十二段にも引用されているようである。この漢文の全文と注釈がある資料はないか。
- 回答
-
参考資料1に,漢文の出典について「唐書、白居易伝」とあり,参考資料2及び3を調べましたが,見付かりませんでした。
また,参考資料4及び5には,出典を「諸上善人詠」とする記述があり,参考資料4には漢文の全文が掲載されていますが,注釈が掲載された資料は見付かりませんでした。
なお,漢文の全文は『浄土宗全書 第16巻』収録の「諸上善人詠」(p.321-322(165-166コマ))にも掲載されています。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/943384
(追記:2021年2月1日)
次の情報提供がありました。
『説話論集 第13集 中国と日本の説話 1』説話と説話文学の会/編,清文堂出版,2003【913.37/91セ/13】
p.359-387 「『徒然草』の故事・詩話・諺と唐・宋仏教」三角洋一
p.371-374に「日暮れ、途遠し――第百十二段」があり,解釈はありませんが,出典に関する諸説と各全文がまとめられています。
次の論文が公開されていました。p.14に関連情報があります。
唐代諸家の兼修状況
岡田 宜法
駒沢大学実践宗乗研究会年報 (5), 10, 1937-03
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/19171/
p.14
参考:
蓮邦詩選 (電子書)
作者: 明 廣貴輯
出版社:中華電子佛典協會(CBETA)
出版日期:2018/07/17
http://buddhism.lib.ntu.edu.tw/FULLTEXT/sutra/10thousand/X62n1207.pdf
れんぽうしせん/蓮邦詩選 WEB版新纂浄土宗大辞典
http://jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/%E8%93%AE%E9%82%A6%E8%A9%A9%E9%81%B8
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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調査したところ,この漢文は白居易「念佛偈」の一節ではないかと思われますが,全文が掲載されている資料を見つけることが出来ませんでした。
『徒然草』西尾実,安良岡康作/校注,岩波書店
『新編日本古典文学全集 44巻』小学館
『新日本古典文学大系 39巻』岩波書店
『新釈漢文大系 白氏文集 2~12上』
→調査しましたが,該当の資料を見つけることが出来ませんでした。
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 参考資料
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- 1『大漢和辞典 巻5』諸橋轍次/著,修訂版,大修館書店,1984【R813.2/84モ/5】 (p.733「日暮途遠」の解説に「[唐書、白居易伝]日暮道遠、吾生已蹉跎。」とあります。)
- 2『唐代の詩人:その伝記』小川環樹/編,大修館書店,1976【921.4/75オ】 (p.363-386 白居易伝(七七二-八四六) 新唐書巻一一九 ※所々「(中略)」とあり,全文は掲載されていません。)
- 3『和刻本正史唐書 3 列伝 中』汲古書院,1979【222/W34-13-3】 (p.159-166 唐書巻一百一十九)
- 4『徒然草全注釈 上巻』安良岡康作/著,角川書店,1978【914.45/Y66/1】 (p.482に「日暮れ、塗遠し。吾が生既に嗟跎たり」の出典について記述があります。)
- 5『校訂増註従然草諸抄大成』吉沢義則/著,立命館,1931【914.45/Y94】 (p.397の「日暮途遠し」の語釈の中に「諸上善人詠白居易伝ニ日暮而途遠吾生已嗟跎。」の記述があります。)
- キーワード
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- 白居易
- 白楽天
- 徒然草
- 日暮れ塗遠し
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000214471