レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/11/07
- 登録日時
- 2023/12/24 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:43
- 管理番号
- M23083013041610
- 質問
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①『白河天体観測所』に、スズメバチの巣が漢方薬になるとあるが本当か。またどうやって服用するのか。
- 回答
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①『白河天体観測所』によると、「スズメバチの巣って、漢方薬の高血圧のクスリなんだってねぇ。うちのお爺さんに煎じて飲ませてやりたいんだけど、(後略)」とあるが、詳しい記述はない。
②『病気と不調を自分で治す!家庭おくすり大事典』には「スズメバチは(中略) 釣り鐘のような大きな巣を作りますが、この巣は漢方で露蜂房といわれ、はれや痛みを止めるすぐれた作用があります。」とあり、「スズメバチの巣の煎じ汁」の材料と作り方が紹介されている。
③『神農本草経解説』には「露蜂房(ろほうぼう)」が出ている。
「驚癇??、寒熱邪気癲疾、鬼精蠱毒、腸痔を治す。火にて之を熬れば良し。」とあり、解説によると「露蜂房は、スズメバチ科VespidaeのキホシアシナガバチPolistes mandarinus Saussureの巣である。」とある。注には「『驚癇??』は、痙攣性疾患のこと。『癲疾』は、統合失調症様の疾患。『鬼精』は、もののけのこと。『蠱毒』は、寄生虫疾患のこと。『腸痔』は、痔核である。」とある。
④『昆虫食古今東西』には、スズメバチ類のオオスズメバチ、キイロスズメバチなど大型なスズメバチの幼虫を塩漬けにしたものや、成虫を焼酎漬けにすることと共に、「巣には、血液凝固、心臓の運動強化、血圧降下、利尿などに効果のある物質が含まれていることが科学的に認められている。小型のクロスズメバチの巣は煎じて飲めば利尿、解熱の効があるとされていた。」とある。
⑤『動物民俗 1』には「ミツバチではなく、キイロスズメバチ、スズメバチ、ヒメスズメバチなどスズメバチ類の巣で、漢方では『蜂房』と呼ばれ、日本でも古くから薬用としていたようで、『延喜式』にも伊勢国一斤一二両、摂津国七両の貢納が載っている。蜂の巣には、血液凝固作用、心臓の運動強化、血圧の降下、利尿、腫れものを引かせ、炎症をおさえる作用などがある。小児のできものや火傷には巣の黒焼きの粉末をゴマ油で溶いて塗る。歯痛、中耳炎、咳止めなどには巣そのものを煎じて飲むとよいという。長野県の遠山郷では黒焼きの粉末を下痢止めに飲用している。」とある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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①藤井旭『白河天体観測所』 誠文堂新光社,2015,303p.参照はp.125.
②長屋憲『病気と不調を自分で治す!家庭おくすり大事典』 主婦の友社,2017,223p.参照はp.205.
③森由雄『神農本草経解説』 源草社,2011,239p.参照はp.153.
④三橋淳『昆虫食古今東西』 オーム社,2012,290p.参照はp.277.
⑤長澤武『動物民俗 1』 法政大学出版局,2005,247p.参照はp.224.
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①藤井旭『白河天体観測所』 誠文堂新光社,2015,303p.参照はp.125.
- キーワード
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- 漢方薬
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2023083013041041610
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000343933