レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年02月04日
- 登録日時
- 2021/02/12 17:02
- 更新日時
- 2021/05/16 16:10
- 管理番号
- 2020-53
- 質問
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解決
「山師は仕事始めに「サル」と言ってはいけない」とあるが、なぜ「サル」と言ってはいけないか。この事に関して詳しく記された資料があれば教えてほしい。
- 回答
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【資料1】
p43「〔六〕俗信 Ⅱ禁忌 ②日常生活に関するもの」に35例が挙げられており、「9 山師は仕事始めに「サル」ということばをいってはいけない。」が含まれている。
章立てが類似しており、発行年から『柳谷の民俗』(1976年刊)の一部を『柳谷村誌』(1984年刊)へ掲載したものと考えられる。
各例の理由は書かれてないが、猿についてはp26~31「民間信仰 〔三〕生業の神 山の神」に、以下のとおりある。
(抜粋)
山言葉がいくつか聞かれた。朝、山仕事に行く人達に言ってはいけない。山仕事をするはは(ママ)山で使ってはいけないとされる。これはマトギはもちろんであるが、焼畑や土木工事のことも含む。ただし、焼畑、土木工事の場合は朝だけいけないそうである。詳細は俗信の頃(ママ)を参照していただくことにするが、猿が最もよく聞かれ、その上、「キムラ」「山のおじい」「若い衆など種類も豊富である(ママ)。
獲ってはいけない動物としても猿が全般的に聞かれた。現在はもちろん保護動物であるが、それ以前にもそう言っていたらしく、猿を11匹殺した妻が流産をしたらしく、その赤児の顔が猿そっくりだったというような伝承が多い。しかし民間療法もこのマトギの習俗と深くかかわりあっており、熊の胃などの薬の他に、猿の塩づけは何にでも効くという。猿を獲ってはいけない理由は猿は人間の先祖であるからだそうである。
(略)
隧道工事の人夫間で祀るのはやはり山の神で、大夫を呼んで開口祝いをする。俗信で「汁かけ飯をしてはいけない」、「サルという言葉を使ってはいけない。(人が去るから)」という伝承が聞かれた。
- 回答プロセス
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柳谷村の民俗関係の資料を探し【資料1】を発見した。
- 事前調査事項
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愛媛県のデータベース「えひめの記憶」で見た。『柳谷村誌』の禁忌 日常生活に関するもの。
- NDC
- 参考資料
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- 【資料1】『柳谷の民俗』 北九州大学民俗研究会 1976 <当館請求記号:K382-7>
- キーワード
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- 柳谷村
- 山師
- 仕事始め
- サル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000293787