レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年08月18日
- 登録日時
- 2020/09/26 17:20
- 更新日時
- 2020/10/16 09:24
- 管理番号
- 県立長野-20-052
- 質問
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解決
慶安検地の時藤森与兵衛が松本藩から開削を条件に栗尾道をもらったこと。また、元禄2年に水野忠幹から、新切りを条件に御殿林をもらったこと。
これらに関係する資料はあるか。
- 回答
-
藤森与兵衛が松本藩から栗尾道をもらったことや、水野忠幹から御殿林をもらったことについて記載された資料は見つからなかった。
以下の資料はそれぞれの人名や地名について散見された。
・『北安曇誌 第3巻 近世編』 北安曇誌編纂委員会編 長野県北安曇教育会 2005 【N231/13/3】
〔第七章 林野 第一節 藩の林野支配 一 御林〕
p.341-343には、松本藩の領内の山林について、松本藩が保護林を各地に設けるようになった経緯や、平地林をはじめ手近の山林が伐り尽くされ、奥山の山林までもが伐採の対象になったことなどの記載あり。
・『三郷村誌 2 第2巻』 三郷村誌編纂委員会編纂 三郷村誌刊行会 2006 【N232/23/2-2】
〔第3章 水野期の三郷 第4節 水野期の開発〕
p.249-262には、慶安検地前後の田畑の開発状況や水田率や、慶安検地後に開発された土地についての新切検地帳に基づいた開発状況ついて触れている。
・『池田町誌 歴史編』 池田町史編纂委員会編 池田町 1992 【N231/41/2-1】
p.375によると、水野忠幹は元禄13年(1699年)に水野忠周の嫡男として生まれたとある。元禄2年に御殿林を新切りを条件に譲渡したのは水野忠周もしくは、水野忠直かと思われる。ただ、資料には御殿林を譲渡したというような記載は見つからなかった。
・『新編 信濃史料叢書 第5巻』 信濃史料刊行会編・刊 1973 【N208/43/5】
「信府統記」
p.567 「安曇郡 長尾与 下堀金村 田数二十町一反五畝二十四歩
畠数十七町四反五畝二十六歩
p.568 「安曇郡 穂高与 穂高町 田数七町五反三畝十四歩
畠数二十一町三反七畝二十四歩
「安曇郡 穂高与 柏原村 田数三十九町六反七畝二十八歩
畠数三十九町四反一畝二十九歩
・『長野県史 通史編 第4巻 近世1』 長野県編 長野県史刊行会 1987 【N209/11-4/4】
〔第三章 藩政と農民 第二節 土地と農民 一 検地と百姓役 松本藩の慶安検地と屋丁役〕
p.277-281には、慶安検地と水野氏についての記載あり。
〔第三章 藩政と農民 第四節 新田開発と用水・林野 二 林野の支配〕
p.363-375には、御林が近世ではどのような役割を満たしていたのかについての記載あり。
・『南安曇郡誌』 南安曇郡教育会編 南安曇郡教育会 1923 【N232/1】 p.346
- 回答プロセス
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1 『長野県市町村史誌目次データベース』でキーワード検索し、ヒットした資料を確認するが、それぞれのキーワードが引っかかるだけで、質問にあるような事実は書かれていなかった。
2 『穂高町誌 第2巻』のp.505の「草場出入日記帳」や「保高組諸色差出帳」等について調査したが、当館及び長野県立歴史館に所蔵はなかった。
3 『北安曇誌 第3巻 近世編』のp.59に「水野氏藩政時代の最後に行われた信府統記の編纂」とあるので、調査すると『新編 信濃史料叢書 第5巻』に信府統記が所収されており、当時の村の畑数や田数が記載されていた。
調査資料
・『長野県史 通史編 第5巻 近世2』 長野県編 長野県史刊行会 1988 【N209/11-4/5】
・『長野県史 近世史料編 第5巻(3) 中信地方』 長野県編 長野県史刊行会 1974 【N209/11/5-3】
・『長野県精髄北安曇郡志』 千秋社 2000 【N231/59】
・『信府統記』 鈴木重武編述 国書刊行会 1996 【N290/172】
・『北安曇郡志』 北安曇郡役所編・刊 1923 【N231/1】
・『北安曇誌 第3巻 近世編』 北安曇誌編纂委員会編 長野県北安曇教育会 2005 【N231/13/3】
・『南安曇郡誌』 南安曇郡教育会編 南安曇郡教育会 1923 【N232/1】
・『南安曇郡誌 第2巻(下)』 南安曇郡誌改訂編纂会編・刊 1962 【N232/6/2-2】
・『南安曇郡誌 第3巻』 南安曇郡誌改訂編纂会編・刊 1974 【N232/6/3-1】
・『「柏原宿」における大名の宿泊関係史料 加賀藩を中心に』 長野県立歴史館館蔵文書を読む会 2016 【N208/95】
・『大庄屋って何? 長野県宝指定』 長野県立歴史館編集・刊 2008 【N208/83】
・『上水内郡及長野市旧市町村誌 第3巻』 上水内教育部会編・刊 1934 【N212/9/3】
・『堀金村誌 上巻 自然・歴史編』 堀金村誌編纂委員会編 堀金村誌刊行会 1991 【N232/51/1】
・『穂高町誌 第2巻』 穂高町誌編纂委員会編 穂高町誌刊行会 1991 【N232/50/2】
・『豊科町誌 歴史編・民俗編・水利編』 豊科町誌編纂委員会編 豊科町誌刊行会 1995 【N232/59/2】
・『豊科町誌 別編(民俗2)』 豊科町誌編纂委員会編集 豊科町誌刊行会 1999 【N232/59/4】
- 事前調査事項
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・『長野県史』 近世史料編 第5巻(3) 長野県編 長野県史刊行会 1974
・『穂高町誌 第2巻』 穂高町誌編纂委員会編 穂高町誌刊行会 1991
・『豊科町誌 歴史編・民俗編・水利編』 豊科町誌編纂委員会編 豊科町誌刊行会 1995
- NDC
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- 中部地方 (215)
- 参考資料
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北安曇誌編纂委員会/編 , 北安曇誌編纂委員会. 北安曇誌 : 近世編 第3巻. 長野県北安曇教育会, 2005-08. 【N231/13/3】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059290625-00 -
三郷村誌編纂委員会 編纂 , 三郷村誌編纂委員会. 三郷村誌 2第2巻. 三郷村誌刊行会, 2006. 【N232/23/2-2】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I057341028-00 -
池田町誌編纂委員会 編 , 池田町 (長野県). 池田町誌 歴史編 1(原始~近世). 池田町, 1992. 【N231/41/2-1】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002431727-00 -
信濃史料刊行会. 新編信濃史料叢書 第5巻. 信濃史料刊行会, 1973. 【N208/43/5】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001228621-00 -
長野県 編 , 長野県. 長野県史 通史編 第4巻 (近世 1). 長野県史刊行会, 1987. 【N209/11-4/4】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002607981-00 -
南安曇郡教育会 編 , 南安曇郡教育会. 南安曇郡誌. 南安曇郡教育会, 1923. 【N232/1】
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000590394-00
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北安曇誌編纂委員会/編 , 北安曇誌編纂委員会. 北安曇誌 : 近世編 第3巻. 長野県北安曇教育会, 2005-08. 【N231/13/3】
- キーワード
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- 旧保高組柏原村
- 御林
- 藤森与兵衛
- 水野忠幹
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000287496