レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003年7月17日
- 登録日時
- 2014/09/15 09:59
- 更新日時
- 2021/12/07 17:32
- 管理番号
- 蒲郡-2003-07172-般
- 質問
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解決
近松門左衛門の浄瑠璃「女殺油地獄」の中の言葉、「周梨槃特の阿呆でも、阿闍世太子の鬼子でも、母の身でなんの憎かろう」の「周梨槃特(しゅりはんどく)」とはどういう意味か。
- 回答
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・釈迦の弟子のひとり。路傍で生まれた兄弟の弟につけた名。兄の槃特は賢で弟は愚、後に大悟したという。(『大漢和辞典 巻2』P952より抜粋)
・梵名チューダパンタカCudapanthakaで、意訳して小路辺生と漢訳される。釈尊に与えられた箒により、煩悩の塵を払うことを知り、ついに阿羅漢果を得たという。仏法が愚者も賢者も差別しない例としてしばしば挙げられる。(『仏教用語事典』P206、『岩波仏教辞典』P509より抜粋)
・兄の摩迦槃特と共に釈迦の弟子の名。十六羅漢の一人。周梨槃陀迦以下別称が多い。略して槃特ともいう。(『日本古典文学大系 85 沙石集』P93 巻第2-1より抜粋)
・忘れっぽい人。(『日本国語大辞典 第6巻』P1444)
- 回答プロセス
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1.自館OPACより「女殺油地獄」「近松門左衛門」等で検索。『新日本古典文学大系 92 近松浄瑠璃集 下』P203の注記より、質問箇所が『沙石集 二ノ一』「仏ノ御弟子ノ須利般特ハ余リニ鈍根ニシテ、我名ヲモ忘ケリ」を基に書かれていることが分かる。
2.「沙石集」を確認する。『日本古典文学大系 85 沙石集』P93 巻第2-1より、回答の記述を見つける。
3.沙石集が仏教説話集なので、仏教用語からも調べてみる。『仏教用語事典』P206、『岩波仏教辞典』P509に載っているのを見つける。
4.事典も確認。『日本国語大辞典 第6巻』P1444、『大漢和辞典 巻2』P952に見つける。
5.これらを利用者に紹介。
- 事前調査事項
- NDC
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- 作品集 (918 9版)
- 仏教 (180 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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佐竹昭広 [ほか]編 , 松崎, 仁, 1923-. 新日本古典文学大系 92. 岩波書店, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002474291-00 , ISBN 4002400921 -
無住一円 , 渡辺‖綱也. 日本古典文学大系 85. 岩波書店, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000052183-00 -
須藤隆仙 著 , 須藤, 隆仙, 1929-. 仏教用語事典. 新人物往来社, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002249938-00 , ISBN 4404019947 -
中村元 [ほか]編 , 中村, 元, 1912-1999. 岩波仏教辞典 第2版. 岩波書店, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003689878-00 , ISBN 4000802054 -
日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第6巻 第2版. 小学館, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003013601-00 , ISBN 4095210060 - 諸橋 轍次 著.大漢和辞典 縮寫版 巻二.1968
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佐竹昭広 [ほか]編 , 松崎, 仁, 1923-. 新日本古典文学大系 92. 岩波書店, 1995.
- キーワード
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- 周梨槃特
- 女殺油地獄
- 近松門左衛門
- 沙石集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000159793