レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/04
- 登録日時
- 2023/08/02 00:30
- 更新日時
- 2023/08/21 11:41
- 管理番号
- 秋田-2939
- 質問
-
解決
江戸時代の秋田県での朝鮮人参栽培と幕府との関係について知りたい。
また、栃木県内の秋田藩下野領で朝鮮人参栽培をしていたことが書かれている資料もあれば教えてほしい。
- 回答
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以下の資料を案内。
①秋田魁新報1953年3月2日夕刊1面「ふるさと昔と写82 吉成直太郎 朝鮮人参栽培に成功 「隠売り」後を絶えず 仙北の巻②」
②秋田魁新報1973年1月24日夕刊6面「秋田植物誌15 佐藤政一」
③『秋田県植物史』(佐藤政一/著、荒川書店、1973、470/サア/郷)資料番号:111339693
④『秋田藩の薬園史』(佐藤政一/著、1973、A499/35/)資料番号:128719457
⑤『角館誌 第4巻 北家時代』(「角館誌」編纂委員会/編、「角館誌」刊行会、1969.3、214.7/カカ/4郷)資料番号:111369021
⑥『「秋田藩」研究ノート』(金森正也/著、無明舎、2017.5、212/カア/郷)資料番号:129812616
⑦『秋田藩の武士社会』(半田和彦/著、無明舎出版、2006.10、212/ハア/郷)資料番号:124365198
⑧『食文化あきた考』(あんばい こう/著、無明舎出版、2007.7、383/アシ/郷)資料番号:124394875
⑨『薬文化往来』(天野宏/著、青蛙房、1992.3、499.0/アク/)資料番号:120112966
⑩『人参史 第3巻 人参経済篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1938、499/37/3)資料番号:111036398
⑪『人参史 第4巻 人参栽培篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1936、499/37/4)資料番号:111036406
⑫『人参史 第7巻 参名彙攻』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1934、499/37/7)資料番号:111036422
⑬『菅江真澄全集 別巻1 菅江真澄研究』(菅江真澄/著、未来社、1977、081.5/スス/(ベ1)郷)資料番号:111338398
⑭『日本薬園史の研究』(上田三平/著、渡辺書店、1972、617.7/ウニ/)資料番号:110128238
⑮『角川日本地名大辞典 9 栃木県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編、角川書店、1984.12、R291.0/カカ/9)資料番号:110014990
- 回答プロセス
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1.『秋田県史』『秋田市史』『秋田大百科事典』を確認したが、記載なし。
2.所蔵資料検索にて「秋田藩 朝鮮人参」をキーワードに検索。該当資料なし。
3.秋田県立図書館デジタルアーカイブにて「秋田 朝鮮人参」をキーワードに検索。下記資料が該当。
①秋田魁新報1953年3月2日夕刊1面「ふるさと昔と写82 吉成直太郎 朝鮮人参栽培に成功 「隠売り」後を絶えず 仙北の巻②」
→秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
②秋田魁新報1973年1月24日夕刊6面「秋田植物誌15 佐藤政一」→秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
4. 所蔵資料検索にて「佐藤政一」をキーワードに検索。下記資料が該当。
③『秋田県植物史』(佐藤政一/著、荒川書店、1973、470/サア/郷)資料番号:111339693
→p.22-25 「秋田藩の薬園」の項に秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
④『秋田藩の薬園史』(佐藤政一/著、1973、A499/35/)資料番号:128719457 ※雑誌『植物と文化』第7号(1973)別刷したもの
→p.48-49 秋田藩、角館大塚薬園の朝鮮人参栽培について記載あり
5.『角館誌』を確認。
⑤『角館誌 第4巻 北家時代』(「角館誌」編纂委員会/編、「角館誌」刊行会、1969.3、214.7/カカ/4郷)資料番号:111369021
→p.38-40 薬種制度と大塚の薬園 朝鮮人参栽培について記載あり
6.インターネット検索にて「秋田藩 朝鮮人参」をキーワードに検索。下記ウェブサイトが該当。
http://www.mumyosha.co.jp/topics/rensai/akitahan/21.html(確認日付2023.7.3)
7.6の資料を確認。
⑥『「秋田藩」研究ノート』(金森正也/著、無明舎、2017.5、212/カア/郷)資料番号:129812616
→p.113「領内での朝鮮人参の栽培は順調であったらしく、天保三年の記録によると、五〇七斤(およそ三〇四キログラム)を大阪に送り、残りを領内での「御払い用」としている。この内三一八斤は、角館で栽培されたものであった。(同「御薬園方備忘」)」と記載あり
8.Googleブックス検索(キーワード:秋田藩 朝鮮人参、秋田 人参栽培)
⑦『秋田藩の武士社会』(半田和彦/著、無明舎出版、2006.10、212/ハア/郷)資料番号:124365198
→p.184-193 秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
⑧『食文化あきた考』(あんばい こう/著、無明舎出版、2007.7、383/アシ/郷)資料番号:124394875
→p.123 秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
⑨『薬文化往来』(天野宏/著、青蛙房、1992.3、499.0/アク/)資料番号:120112966
→p.53「『日本人参史』は享保年間から幕末にかけて各藩で行われた栽培の状況を記している。(中略)秋田藩は文政年間(一八一六-一八二九)に城下に藩経営の薬園を創設したが、民間に広がるところまではいかなかった。」と記載あり
⑩『人参史 第3巻 人参経済篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1938、499/37/3)資料番号:111036398
→p.428-429「(2)秋田藩 文政年間に於て相當の量を製作し、又其上に会津・米澤・仙臺等より生根を買入共に之を製造して賣出したりと認めらる。第四巻二五九頁及三二五頁を参照すべし。」と記載あり
⑪『人参史 第4巻 人参栽培篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1936、499/37/4)資料番号:111036406
→p.259 秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
『日本薬園史の研究』には…秋田藩の薬園は文政三年に上原案左衛門久信の盡力により、城西北濠の外、臺所町に創設。(中略)右薬園記中に人参あり。」と記載あり
p.325 秋田藩についての記載はなし
p.331-334 人参栽培法を記した秋田藩の古文書(文政十二年)について記載あり
⑫『人参史 第7巻 参名彙攻』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1934、499/37/7)資料番号:111036422
→p.4-5 秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
⑬『菅江真澄全集 別巻1 菅江真澄研究』(菅江真澄/著、未来社、1977、081.5/スス/(ベ1)郷)資料番号:111338398
→p.77「秋田にきてからは、佐竹藩の久保田郊外岩野の人参畑で人参栽培をおこなっている。」と記載あり
→p.388-389 秋田藩の朝鮮人参栽培について記載あり
9.⑪の資料に記載があった『日本薬園史の研究』を確認。
⑭『日本薬園史の研究』(上田三平/著、渡辺書店、1972、617.7/ウニ/)資料番号:110128238
→p.135-143 秋田藩の薬園 人参栽培について記載あり
10.『角川日本地名大辞典 9 栃木県』を確認。
⑮『角川日本地名大辞典 9 栃木県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編、角川書店、1984.12、R291.0/カカ/9)資料番号:110014990
→p.119「[近世]板荷村 享保年間から下野西北山麓一帯に幕府朝鮮人参御用栽培が開始され」と記載あり
11.過去の当館の調査より資料を確認するが記載は確認できず。
レファレンス協同データベースホームページ
「秋田藩の下野領支配に関する資料はあるか。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000294598(確認日付:2023.7.3)
記載がなかった資料は以下のとおり。
×『さきがけ薬草100選』(佐藤 政一/著、秋田魁新報社、1978.9、499/ササ/郷)資料番号:112462403
×『薬用人参 漢方薬医学双書 別巻2』(近畿大学薬学部久保道徳研究室/編、三一書房、1986.7、499.8/キヤ/)資料番号:110128279
×『佐竹氏秋田藩の台所』(渡部 景一/著、無名舎出版、1988.10、611/ワサ/郷)資料番号:129448544
×『近世農業の展開 幕藩権力と農民』(岡 光夫/著、ミネルヴァ書房、1991.8、612.1/オキ/)資料番号:120087242
×『江戸時代朝鮮薬材調査の研究』(田代 和生/著、慶応義塾大学出版会、1999.12、210.55/タエ/)資料番号:121506489
×『日本農書全集45 特産』(農山漁村文化協会、1993.10、610.8/ノニ/45)資料番号:120823240
×『秋田藩の薬 調査覚書』(菅野正助/著、A499/21/)資料番号:112047196
×『秋田藩の「薬」調査覚書』(菅野正助/著、A499/21/3)資料番号:112047204
×『秋田藩下野領の成立と貢租形態』(蔵並省自/著、A212/87/)資料番号:110739190
×『秋田藩小事典』(金森 正也/著、無明舎出版、2018.12、212/カア/郷)資料番号:129924304
×『秋田藩校明徳館の研究 カッパンプラン歴史文庫』(加藤民夫/著、カッパンプラン、1997.12、372/カメ/郷)資料番号:128496536
×『人参史 第2巻 人参政治篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1935、499/37/2)資料番号:111320339
×『人参史 第5巻 人参医薬篇』(今村鞆/著、朝鮮総督府専売局、1937、499/37/5)資料番号:111036414
- 事前調査事項
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・『南河内町史 通史編 近世』(南河内町史編さん委員会/著、南河内町、1997)
→p.617-624 朝鮮種人参の栽培
「慶長10年、秋田藩下野領成立。(秋田藩の関東の飛地領となる。)
文政期(1818~1830年)になると、秋田藩は産物方で朝鮮種人参の栽培を始める。朝鮮種人参の栽培は、秋田藩本領の殖産策の一環として実施されたと考えられ、下野国で栽培されたものを、産物として取り立てた」と記載あり。
・『野州一国御用作朝鮮種人参の歴史』(熊田 一/著、熊田一先生著作頒布会、1979)
→p.14「河内郡町田村外七ヶ村は秋田藩領分になっており…」と記載あり
・『朝鮮人参秘史』(川島祐次/著、八坂書房、1993)
・『秋田藩』(渡辺英夫/著、現代書館、2019)
- NDC
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- 歴史 (2)
- 自然科学 (4)
- 産業 (6)
- 参考資料
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- 秋田県植物史佐藤政一/著荒川書店(発売)
- 秋田藩の薬園史佐藤政一/著
- 角館誌第4巻「角館誌」編纂委員会/編「角館誌」刊行会
- 「秋田藩」研究ノート金森 正也/著無明舎
- 食文化あきた考あんばい こう/著無明舎出版
- 薬文化往来天野 宏/著青蛙房
- 人参史第3巻今村鞆/著朝鮮総督府専売局
- 人参史第4巻今村鞆/著朝鮮総督府専売局
- 人参史第7巻今村鞆/著朝鮮総督府専売局
- 菅江真澄全集別巻 1菅江 真澄/著未来社
- 日本薬園史の研究上田三平/著渡辺書店
- 角川日本地名大辞典9「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編角川書店
- キーワード
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- 秋田藩(アキタハン)
- 朝鮮人参(チョウセンニンジン)
- 下野領(シモツケリョウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 県外図書館
- 登録番号
- 1000336814