参考となる資料を確認しましたのでご紹介します。
■当館所蔵資料
・『著作権法の研究』(半田正夫/著 一粒社 1971)
p.173-180「第三章 わが国の著作権制度と一元的構成」の項に、国内の著作権法の沿革についてまとめられています。
・『著作権100年史年表 著作権法施行70周年記念』(伊藤信男/編 文化庁 1969)
著作権法の沿革を年表形式でまとめた資料になります。
著作権に関する立法や条約のほか、「著作権時事」として各年に起きた著作権に関する裁判や違反、著名人の反応等が簡易にまとめられています。
・『著作権史話 新装版』(倉田喜弘/著 千人社 1981)
出版条例の成立を含む、明治時代の著作権の捉え方等についてまとめられています。
・『著作権を確立した人々 福澤諭吉先生、水野錬太郎博士、プラーゲ博士…』(大家重夫/著 成文堂 2003)
文化庁著作権課に勤務していた著者が、著作権や著作権法に関する歴史をまとめた資料になります。
・『〈盗作〉の文学史 市場・メディア・著作権』(栗原裕一郎/著 新曜社 2008)
文学作品の盗作等を扱った資料ですが、「序章」にて明治時代の著作権意識等についてまとめられています。
その中で、近代文学史のなかで最初の盗作に数えられるという「仮名垣魯文盗作事件」についての記述があります。
・『現代法学全集』(末弘厳太郎/編 日本評論社)
1928(昭和3)~1931(昭和6)年に全39巻が刊行された、法学全集になります。
著作権法については、第29巻、第30巻、第32巻、第33巻に収録され、事項ごとに解説されています。
中でも、第29巻は著作権法の成立過程等についてまとめられています。
・「日本出版警察法制の歴史的研究序説」(奥平康弘)
雑誌「法律時報」第39巻第4号から第39巻第11号まで、全7回の連載記事です。
記事が多く、精読できておりませんが、出版条例についても取り上げられているようです。
しかし、目次を見ますと、検閲等の出版規制についての内容が中心のようです。
(全体の目次は、連載最終回の第39巻第11号に掲載されています。)
■インターネット上の情報
1.国立国会図書館デジタルコレクション
国立国会図書館デジタルコレクションより、以下の資料に出版条例の本文を確認しました。
ご紹介する資料は、インターネット公開ですので、ご自宅から閲覧いただけます。
・『法令全書. 明治2年』(内閣官報局 明20-45)
URL:
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787949(最終確認 2023.12.19) 124-125コマ
「出版条例及出版願書雛形」の項があり、出版条例の本文が掲載されています。
2.国立公文書館デジタルアーカイブ
国立公文書館デジタルアーカイブより、出版条例に関する史料を多数確認しました。
全ては精査できないため、一部史料をご紹介します。
・「出版条例ヲ創定ス」(明治2年05月13日)
URL:
https://www.digital.archives.go.jp/item/1339154(最終確認 2023.12.19)
・「出版条例伺」(明治4年08月)
URL:
https://www.digital.archives.go.jp/item/2349184(最終確認 2023.12.19)
3.J-STAGE
J-STAGEより、関連する論文を多数確認しました。
こちらも全ては精査できないため、一部論文をご紹介します。
「出版条例」等のキーワードで検索していただくと、他の論文もご確認いただけます。
・「近代日本における出版の自由と著作権」(原秀成)
URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshuppan/27/0/27_3/_article/-char/ja(最終確認 2023.12.19)
出版条例の成立過程について、海外からの影響等を含め詳しくまとめられています。
・「仮名垣魯文「盗作」事件考」(甘露純規)
URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nihonbungaku/48/11/48_KJ00009776663/_article/-char/ja(最終確認 2023.12.19)
先に紹介しました『〈盗作〉の文学史 市場・メディア・著作権』でも扱われている、仮名垣魯文盗作事件に関する論文です。