以下の資料に関連の記述を確認しました。
・『栃木縣史 第10巻(産業・經濟編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
p.277-283「第20章 鑛業 第14節 大谷石材」という項があり、大谷石の岩質や石材として利用されてきた来歴について記されています。
宇都宮宗円の築城に関しては欄外に記載があり、「大谷觀音堂の側に建てる碑には僧宗圓が宇都宮城築城の時大谷石を使用したるが如く刻せるも其當時の築城には石疊は築かず簡單なる築城法であつた。」と記述があります。
本多正純の築城に関しては本文中で「徳川時代元和年中、宇都宮城主本多上野介正純が、宇都宮城改築する時に始めて大谷石を切り出して普請用とした、これが宇都宮城で大谷石材を使用した濫觴である。」と記述があります。
・『大谷石むかし話』(大野登士/著 地芳社 1980)
p.3-10「石の利用誌」という章があり、以下の内容を確認しました。
「宇都宮築城に際して」の項で大谷石がいつ頃から採掘されたかについて述べられており、宇都宮宗円について、宇都宮城築城の際に大谷石を使用したという伝説が残っているがそれは後世の建築法からの推論であり1100年当時では至難の業だったと思われるという旨の記述があります。(p.3-4)
また、本多正純についても上記の章の「宇都宮城普請」の項で触れられており、城の普請に着手した年代や築城に必要な大量の大谷石を切り出した村について簡易な記述があります。(p.5-6)
以下の資料は関連の記述を確認できませんでした。
・『栃木縣史 第7巻(古城址編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
・『日本城郭大系 4 茨城・栃木・群馬』(新人物往来社 1979)
・『宇都宮市史 第3巻 中世通史編』(宇都宮市史編さん委員会/編 宇都宮市 1981)
・『なるほどthe大谷』(永森庄仁/監修 うつのみやシティガイド協会 2014)
・『大谷石の来し方と行方 大谷石をめぐる連続美術講座,論集』(橋本優子/編 宇都宮美術館 2015)
・『大谷石の魅力 社会科副読本』(大谷石研究会/編 NPO法人大谷石研究会 2016)
・『石の街うつのみや 大谷石をめぐる近代建築と地域文化,宇都宮美術館開館20周年・市制施行120周年記念』(橋本優子/編 宇都宮美術館 2017)