レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/02/25 18:44
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2021-事例07
- 質問
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解決
スイカのしましまはなぜあるのか?
- 回答
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大地に根を張り自分の力で移動できない植物は、子孫そのものである種子を遠くまで散布することで分布を広げて繁栄してゆく。遠くまで散布する方法として多くの植物が採用しているのは、鳥に美味しい実を提供し食べてもらった種子を糞の中に紛れこませて遠くまで運んでもらうという方法だ。鳥の視覚はヒトのものと似ており色覚を持つため、鮮やかな色のものは鳥の目に強烈な印象を与える。鳥は赤色や黒色の実を好んで食べる傾向があるが、対比する2色という視覚的刺激で鳥の注意をひくことを「2色効果」と呼ぶ。
植物や果実がこのように色づくのは、美味しい実ができていることをアピールするためと考えられている。また、鳥に適した熱帯のような環境では果実を食べる鳥の個体数も多く種子も十分に散布されるが、個体数が少ない温帯や寒い環境下では植物はより目立った果実をつけることで鳥を引きつけようとする。
もともと砂漠地帯の植物であるスイカもその例外ではなく、縞模様も鳥に見つかりやすいように発達したという説がある。外皮の模様だけでなく、スイカの実が赤色なのは割れると目立ち鳥に発見されやすいから、実の中心部が最も甘いのは残さずに食べてもらうことで種子を無駄にしないためなど、様々な工夫をこらしている。
- 回答プロセス
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蔵書検索システムにて自館所蔵に限定し「スイカ」で検索をしてスイカについて書かれた本を数冊確認するも模様の理由についての記載は見つからず、スイカの種についての本を見て答えになり得る記述を発見した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 一般植物学 (471)
- 鳥類 (488)
- 参考資料
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- 『種子はひろがる 種子散布の生態学』 中西 弘樹/著 平凡社 1994年
- 『種子たちの知恵 身近な植物に発見!』 多田 多恵子/著 日本放送出版協会 2008年
- 『スイカのタネはなぜ散らばっているのか タネたちのすごい戦略』 稲垣 栄洋/著 草思社 2017年
- 『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える野鳥のひみつ』 川上 和人/監修 西東社 2018年
- キーワード
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- スイカ
- 種子
- 2色効果
- 縞模様
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312620