レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20240124
- 登録日時
- 2024/03/27 00:30
- 更新日時
- 2024/03/27 18:16
- 管理番号
- 中央-2023-23
- 質問
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解決
東京都立図書館の都内区市町村立図書館に資料を貸し出す「協力貸出」はいつ始まったのか。
- 回答
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1965(昭和40)年4月に都立日比谷図書館において「特別貸出」という名称で開始した。
開始当初は借受館が都立日比谷図書館に来館して借り受けており、1970(昭和45)年10月に協力車で資料を届ける方法での貸出を開始した。
調査過程及び詳細は以下のとおり。
まず、都立中央図書館の周年記念誌を確認した。
資料1『東京都立中央図書館20周年記念誌』
p.34「東京都立図書館史 第3期 6 協力事業」
「昭和40(1965)年4月、日比谷図書館は、都内公立図書館に対し「特別貸出」事業を開始した。(中略)借受館の職員が直接日比谷図書館へ来館しなければならなかった(中略)昭和44(1969)年9月貸出規定を改正し(中略)23区の図書館は直接来館、多摩地区の図書館は郵送もできることとした。」とある。
また、「昭和45(1970)年4月、日比谷図書館の庶務課に協力係を新設し、自動車購入や運行経費を予算化して、積極策を打ち出した。10月には、協力車「ひびや号」が都内公立図書館への巡回運行を開始した。」とある。
次に、都立図書館の館報である『ひびや』、『都立図書館報』、『とりつたま』の総目次・総索引(資料2)により、協力貸出に関する記事を調査した。
資料3 雑誌『ひびや』22巻1~2号通巻129~130号(昭55.1~3)
通巻129号p.6-10「協力貸出の現状」(管理部企画協力課協力係)
p.6に資料1と同内容の記述がある。なお、「協力貸出」の名称について、「昭和53年4月「協力貸出」と改称する。」とある。
また、p.7「第1表 貸出冊数等の推移」には、備考として協力貸出に関する年表が掲載されている。
資料4 雑誌『ひびや』13巻3号通巻101号(1970年11月)
p.2-7「協力車の運行開始にあたって」(日比谷図書館協力係)
協力車の運行開始の背景やコースの決定、試行的運行の実施などの経緯について、詳しくまとめられている。
p.6-7に資料として当時の協力事業の実施要項と実施細則が掲載されている。
さらに、雑誌記事を調べられるデータベースを<都立><図書館><協力事業>等のキーワードを掛け合わせて調査した。
なお、データベースの最終検索日は2024年1月23日である。
資料5 雑誌『図書館雑誌』89巻4号通巻857号(1995.4)
p.240-242「東京都立図書館における協力事業と図書館情報ネットワーク」(稲田孝司)
「図書館の協力貸出しは、昭和40(1965)年4月「特別貸出し」という名称で、都立日比谷図書館(都立中央図書館の前身)において始められた。」(p.240)とある。
【調査に使用したデータベース類】(*印のついているものは、都立図書館で契約しているオンラインデータベースである。)
・国立国会図書館サーチ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/
・CiNii Research(国立情報学研究所)https://cir.nii.ac.jp/ja
・Magazine Plus(マガジンプラス)(日外アソシエーツ)*
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)*
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 図書館サービス.図書館活動 (015 10版)
- 各種の図書館 (016 10版)
- 参考資料
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- 【資料1】東京都立中央図書館20周年記念誌 / 東京都立中央図書館/編集 / 東京都立中央図書館 / 1994 <D/0162/3069/94> (p.34)
- 【資料2】『ひびや』・『都立図書館報』・『とりつたま』-総目次・総索引- / 金子寛, 山家路子/編集 / 金子寛 / 2017.6 <DR/016.2/5331/2017>
- 【資料3】雑誌:ひびや 22巻 1?2号 通巻129?130号 (昭55.1?3) / 東京都立中央図書館 <3980849550> (通巻129号p.6-10)
- 【資料4】雑誌:ひびや 13巻 3号 通巻101号 (1970年11月) / 東京都立日比谷図書館 <7103416683> (p.2-7)
- 【資料5】雑誌:図書館雑誌 89巻 4号 通巻857号 (1995.4) / 日本図書館協会 <3301900189> (p.240-242)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000348073