レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/1
- 登録日時
- 2023/03/09 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M22121311538639
- 質問
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旭川にある平井貯木場について知りたい。平井貯木場は旭川の改修と合わせて建設されたのか。
- 回答
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①『角川日本地名大辞典 33 岡山県』の岡山市の平井1丁目~7丁目の項目には、「旭川に沿った6~7丁目には河岸に貯木場が続き、木材関係の市場・工場が多い」と書かれている。
②『岡山木材史』には、「岡山市平井にある貯木場は昭和12年=1937年旭川の改修工事に付随して建設されたもの」と書かれている。岡山平井貯木場概要も掲載されている。また、第二次世界大戦などの影響で20余年もの長期間放置されていたが、昭和35年頃から再び利用しようとした動きがあり、岡山県貯木場組合が設立されるまでの流れについて説明されている。その岡山県貯木場組合の概要や木材管理約款のほか、貯木場利用状況として昭和37年度上半期の入荷数量表も掲載されている。
③『岡山市史 産業経済編』によると、「水運に於ては改修工事により筏輸送が不可能となり、河岸の使用禁止により石関町付近の材木貯木場は消滅した。そのかわりに改修工事の附帯工事として平井貯木場がつくられた。」と書かれている。
④『岡山県の近代化遺産』によると、「旭川の平井貯木場跡は、断面の丸い巻石構造の突堤に囲まれた水面貯木場(現在3面)とそれに続く水切荷揚場から構成されているが、一級河川の堤外地に設置され、しかも河川断面半分を占領するという全国的にも例のない施設である。」とあり、また、「昭和12年(1937)年に平井貯木場が完成するまでは、県北部からの木材は筏に組んで旭川を下り、付近に製材工場の立地していた岡山市内の兵団、石関町、西中島も繋留されていた。しかし、昭和7年から開始された内務省直轄の旭川改修工事に伴って河岸の利用が禁止されたため、関係者(「岡山木材商組合」)が貯木場の設置を要請し、同事業の附帯事業として平井地区に建設された。」と書かれている。
⑤『あなたの街の近代化遺産ガイドブック』には、資料⑤と同様の内容が簡易にまとめられている。
⑥『山陽新聞』2006年9月1日付朝刊には、簡易な地図や写真とともに平井貯木場跡について紹介されている。貯木場の管理に関わった藤原木材の社長への取材も行われており、「戦前はほとんど利用されず、小学校の水泳訓練に使われたこともあった」と語っている。また、昭和50年代半ばから放置されていた貯木場が注目され、61年には共同利用のための組合が設立され、本格的に使われるようになった、とあり、利用されていた当時の作業マニュアルについても言及されている。
⑦『岡山県山林会報』39号には、「旭川改修と共に貯木場をも設置」という記事が掲載されている。「県は内務省の委託を受け、総工費2万5千円(県費1万5千円国費1万円)を投じ、長3百米、幅99米5、水面積2万9855平方米の貯木場を旭川下流平井地内に設置する事に決定した」と書かれている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 林業経済.行政.経営 (651 9版)
- 参考資料
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①「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 33 岡山県』 角川書店,1989,1814p,参照はp1246.
②金谷正之『岡山木材史』岡山 岡山木材協同組合,1964,767p. 参照はp.559-571.
③岡山市史編集委員会『岡山市史 産業経済編』岡山 岡山市,1966,703p. 参照はp.372-374.
④岡山県教育庁文化財課『岡山県の近代化遺産 岡山県近代化遺産総合調査報告書』岡山 岡山県教育委員会,2005,319p. 参照はp.118.
⑤岡山県教育庁文化財課『あなたの街の近代化遺産ガイドブック』岡山 岡山県教育委員会,2007,175p. 参照はp.41.
⑥「おかやまの産業遺産 8 平井貯木場跡 外材輸入で本格利用」『山陽新聞』2006年9月1日付朝刊, p.31.
⑦「旭川改修と共に貯木場をも設置」『岡山県山林会報』39号,岡山県山林会,1936.3,p.102-103.
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①「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 33 岡山県』 角川書店,1989,1814p,参照はp1246.
- キーワード
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- 木材業者 貯木場 旭川 改修工事 河川交通
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2022121311552438639
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000329983