レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年11月2日
- 登録日時
- 2022/01/12 17:56
- 更新日時
- 2023/10/10 14:55
- 管理番号
- 20220112-4
- 質問
-
解決
平安時代のお菓子・スイーツについて知りたい。
- 回答
-
以下の資料がみつかった。
<参考図書>
『事典和菓子の世界』中山圭子著 増補改訂版. 岩波書店 , 2018.3
本館請求記号:383.81 - J55
p.13「和菓子略年表」に、平安期の文献にみえる菓子名が記載されている。
「平安京の市で、索餅、心太、糖(飴)、甘葛煮、菓子(果実)が商われる」
「『和名類聚抄』に梅枝、桃枝、桂心ほかの唐菓子の名が見える」
「『枕草子』に青ざし、甘葛などの記述あり」
「『源氏物語』に椿餅、粉熟の記述あり」
また、上記に記載されている菓子名は、各項目として出典文献などとともに解説されている。
例:飴(p.6-8)、唐菓子(p.108-111)、索餅(さくへい)(p.110)、椿餅(p.103-104)
甘葛(あまづら)(p.276)
『菓子の事典』小林彰夫, 村田忠彦編集 朝倉書店 , 2000.5
本館請求記号:588.3036 - Ka76
『日本の食文化史年表』江原絢子, 東四柳祥子編 吉川弘文館 , 2011.7
本館請求記号:383.81 - N71
p.42 「979年10月5日 女御藤原詮子 銀製の猪、亀などすえて亥の子餅を奉る」(『源順集』)
<図書>
『食生活と食物史』(全集日本の食文化 / 芳賀登, 石川寛子監修;第2巻) 雄山閣出版 1999.1
本館請求記号:383.8 - Z3 - 2
戸田秀典 「平安時代の食物」
『和菓子・茶・酒』 雄山閣出版 , 1996.10. - (全集日本の食文化 ; 第6巻)
本館請求記号:383.8 - Z3 - 6
p.17-38 島田勇雄「「菓子」の歩いた道」三 公家の行事食における「菓子」
p.19 家の行事食の充実した研究書として鎌倉時代の『厨事類記』を紹介し、同書に「「菓子」を「干(ほし)菓子・木菓子・唐菓子・粉餅」を四分類する」と記載がある。
『古典がおいしい!平安時代のスイーツ』 前川佳代, 宍戸香美著 かもがわ出版 , 2021
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BC09742156 (参照 2023-09-20)
※本館所蔵なし。
※目次として以下の記載があった。
「枕草子(けずり氷;ほうとう;べいだん)
源氏物語(つばきもち;ふずく)
今昔物語集(むぎなわ;いもがゆ)
いろいろな古典(母子もち(くさもち);まがり;からくだもの)」
<雑誌記事>
小泉和子「「類聚雑要抄」と「類聚雑要抄指図巻」にみる平安貴族の宴会用飲食・供膳具(<特集>宴会)」 家具道具室内史 : 家具道具室内史学会誌 / 家具道具室内史学会 編 (3) 21-45, 2011-05
https://dl.ndl.go.jp/pid/10481198/1/1 (参照 2023-09-20)
p.23「[菓子]菓子には木菓子と唐菓子がある。 木菓子は果物である。 干棗や干柿などを乾燥したものや野老(とろろ)なども入っている。 唐菓子は中国から伝えられた粉食品の総称である。鯣餬(かつこ)・ 桂心(けいしん)・黏臍(てんせい)・解鑼(ひちら)・鈎(まがり)などでいずれも小麦粉を捏ねていろいろな形にして油で揚げたり焼いたりしたものだったようだ。そのほか餅や椿餅もある。椿餅は今の餅菓子のようなものだったらしい。 種々の果物などを取り合わせて盛ることを交果物といって、酒をすすめるのに用いられたという。」
<国立国会図書館デジタルコレクション>
・「枕草子」お菓子に関する記述
39段 けづり氷 あてなるもの「削氷(けずりひ)にあまづら入れて、あたらしきかなまりに入りたる」
https://dl.ndl.go.jp/pid/970063/1/32 (参照 2023-09-20)
114段 餅餤(へいだん)「餅餤というものを二つならべてつつみたるなりけり」
https://dl.ndl.go.jp/pid/970063/1/79 (参照 2023-09-20)
金子元臣 著『枕草子 : 校註』,明治書院,大正11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/970063 (参照 2023-09-20)
古辞典類
・「倭名類聚抄」の記述
https://dl.ndl.go.jp/pid/1872112/1/217 (参照 2023-09-20)
巻四 飲食部 飯餅類 p.391 歓喜団 八種の唐菓子として、『事典和菓子の世界』にある、梅枝、桃枝、桂心などが記載されている。
狩谷棭斎 著『箋注倭名類聚抄』上巻,曙社出版部,1931. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1872112 (参照 2023-09-20)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1872130/1/264 (参照 2023-09-20)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1872130/1/265 (参照 2023-09-20)
巻四 飲食部 に、p.附37 「索餅」、p.附38 「歓喜団 唐菓子」などが記載されている。
狩谷棭斎 著『箋注倭名類聚抄』下巻,曙社出版部,1931. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1872130 (参照 2023-09-20)
※『箋注倭名類聚抄』は、「倭名類聚抄」の研究書。
・「類聚雜要抄」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879557/587 (参照 2023-09-20)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1879557/1/601 (参照 2023-09-20)
p.1193 菓子八種 として、餅、柑子、栗などが記載されている。
塙保己一 編『群書類従』第十六輯,経済雑誌社,明治34. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1879557 (参照 2023-09-20)
- 回答プロセス
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参考:
「和名類聚抄」
「「和名 (わみょう) 類聚抄」「和名抄」ともいう。平安時代の分類体漢和対照辞書。源順 (みなもとのしたごう) 撰 (せん) 。承平 (しょうへい) 年間(931~938)ごろの成立。(以下略)」
"倭名類聚抄", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-09-20)
「類聚雑要抄」
「恒例・臨時の儀式、行事における調度について、指図(見取り図)によって詳しく記したもの。1146年(久安2)ごろにできあがり、四巻からなるが、作者は不明。(以下略)」
"類聚雑要抄", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-09-20)
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383)
- 食品工業 (588)
- 参考資料
- キーワード
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- 平安時代
- お菓子
- スイーツ
- 枕草子
- 源氏物語
- 和名類聚抄
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000310579