レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/05/02
- 登録日時
- 2022/07/14 00:30
- 更新日時
- 2022/07/14 10:17
- 管理番号
- 所沢所分-2022-004
- 質問
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解決
鎌倉彫の中の後藤彫りと後藤斎宮について記載のある資料はないか。
- 回答
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以下の資料に記載があります。
〇『鎌倉彫初歩技法』 吉川創雲/著 美術出版社 1994年
〇『現代の鎌倉彫』 木内晴岳/著 マコー社 1980年
〇『伝統鎌倉彫』 三橋昌山/著 日貿出版社 1989年
〇『現代鎌倉彫聚成』 講談社 1980年
〇『人づくり風土記 14』 加藤秀俊/[ほか]編纂 農山漁村文化協会 1987年
〇『日本人物レファレンス事典 宗教篇<僧侶・神職・宗教家>』 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2019年
〇『美術家人名事典 建築・彫刻篇』 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2011年
国立国会図書館デジタルコレクション
〇『神奈川県史. 別編 1』 神奈川県県民部県史編集室 編 神奈川県 1983年 【国立国会図書館/図書館送信参加館内公開】
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『鎌倉彫初歩技法』 吉川創雲/著 美術出版社 1994年
p.35に「後藤彫り」の項目あり。
「明治に入るといよいよ近代鎌倉彫の誕生となりますが、その担い手となったのは、後藤斉宮、運久親子です。(中略)彫りの特徴としては、地スキの部分が張りと膨らみをもっていることです。写真の秋草文硯箱にみられる、いわゆる後藤菊と呼ばれるように、限りなく丸に近く図案化されています。文様は写実的ですが、菊と秋草が一体となって曲線的な彫りで画面を覆っています。」と、秋草文硯箱の写真と共に後藤彫りについての記述あり。
p.92に「後藤彫り 手鏡(宝相華文)」の項目あり。手鏡の作例が写真とともに記述されている。
〇『現代の鎌倉彫』 木内晴岳/著 マコー社 1980年
p.54「後藤式彫り」の項目あり。
「明治時代に確立した彫り手法で、構図に遠近感を取り入れ、写実的な文様を組みます。彫り方は図を直角にたち込み、同じ深さと幅にまわりを地透きします。(後略)」との記述あり。
〇『伝統鎌倉彫』 三橋昌山/著 日貿出版社 1989年
p.5「鎌倉彫の流れ」の項目あり。
「廃仏毀釈運動により、寺院は衰退の歴史の波を大きく受け、ほとんど仕事のなくなった仏師は次々と廃業していく時勢でした。しかし、その中心家系であった三橋家26代三橋鎌山(本名永助 1845~1914)と後藤家26代後藤斎宮(本名鎌太郎 1841~1912)は仏師としての誇りを持ち、これまで副業としていた鎌倉彫に生きる道を求め、改めて時代に即応した生活工芸品としての鎌倉彫を打ち出していったのです。(後略)」との記述あり。
〇『現代鎌倉彫聚成』 講談社 1980年
p.176~177「明治以降の現代鎌倉彫について」の項目に後藤鎌太郎斎宮と斎宮の長男である規太郎運久についての記述あり。
2.調査をしたが記載のなかった資料
×『日本の漆芸6』 中央公論社 1991年
×『クラフト図案教室』 福田宏行/著 グラフィック社 1997年
×『漆の技法 応用篇』 柴田克哉/監修 阿部出版 2016年
×『原色日本の美術32』 小学館 1982年
×『漆芸の伝統技法』 佐々木英/著 1986年
×『漆物茶器の研究』 内田篤呉/著 2003年
3.後日調査による追加資料
○『人づくり風土記 14』 加藤秀俊/[ほか]編纂 農山漁村文化協会 1987年
p.87「(前略)その苦しい状況のもとで鎌倉仏師の伝統を守りぬこうとし、やがて鎌倉彫という工芸品への転身によって活路を開いたのが、後藤斎宮と三橋鎌山、二人の青年仏師でした。(後略)」との記述あり。
p.87~89「(前略)後藤斎宮と三橋鎌山は仏像と鎌倉彫を出品して見事に受賞し、大いに自信を得たようです。(中略)内外に鎌倉伝統の木彫技術、そして鎌倉彫の名を強く印象づけることとなり、次第に安定した産業として定着させることに成功したのでした。(後略)」との記述あり。
〇『日本人物レファレンス事典 宗教篇<僧侶・神職・宗教家>』 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2019年
p.416「後藤斎宮」の項目あり。
「江戸時代後期の仏師。神奈川人(神奈川県史 別編1人物 神奈川歴史人名事典)、美建(美術人名事典)」との記述あり。
〇『美術家人名事典 建築・彫刻篇』 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2011年
p.286「後藤斎宮(ごとう・さいぐう)」の項目あり。
「[生没年]生没年不詳 江戸時代後期に相模国鎌倉郡扇ヶ谷(現・神奈川県鎌倉市)に仏所を構えた鎌倉仏師。先祖は小田原の北条氏により伝馬朱印状を与えられたといわれる。」との記述あり。
4.国立国会図書館デジタルコレクション
〇『神奈川県史. 別編 1』 神奈川県県民部県史編集室 編 神奈川県 1983年 【国立国会図書館/図書館送信参加館内公開】
p.316 上記『美術家人名事典 建築・彫刻篇』とほとんど内容が同じ。出典が風土記稿との記述あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281 9版)
- 参考図書[レファレンスブック] (703 9版)
- 木彫 (713 9版)
- 参考資料
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- 鎌倉彫初歩技法 吉川創雲/著 美術出版社 1994.2 713 4-568-32165-4
- 現代の鎌倉彫 木内晴岳/著 マコー社 1980.1 713
- 伝統鎌倉彫 三橋昌山/著 日貿出版社 1989.6 713 4-8170-5656-8
- 現代鎌倉彫聚成 講談社 1980.11 713
- 人づくり風土記 14 加藤秀俊/[ほか]編纂 農山漁村文化協会 1987.11 210.5 4-540-87100-5
- 日本人物レファレンス事典 宗教篇<僧侶・神職・宗教家> 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2019.10 281.033 978-4-8169-2797-3
- 美術家人名事典 建築・彫刻篇 日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2011.9 703.3 978-4-8169-2338-8
- 『神奈川県史. 別編 1』 神奈川県県民部県史編集室 編 神奈川県 1983年 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9522836 2022/7/2 (【国立国会図書館/図書館送信参加館内公開】)
- キーワード
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- 鎌倉彫
- 後藤彫
- 後藤式
- 美術工芸
- 漆器
- 茶道具
- 仏師
- 後藤鎌太郎斎宮
- 後藤斎宮
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000318768