レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年10月20日
- 登録日時
- 2010/12/09 09:09
- 更新日時
- 2010/12/09 09:09
- 管理番号
- 9000006824
- 質問
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解決
京都の老ノ坂にある首塚大明神の創建、由来について知りたい。
- 回答
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首塚大明神の祠がいつ作られたのかは不明。『鬼の風土記』(服部邦夫著 青弓社 1989年)によると、もともとは、峠の境界神とか手向の明神といわれたものか。貝原益軒の「西北紀行」に「酒顛童子が首塚」とあり、元禄2年にはあったことがわかる。首塚大明神は、源頼光とその四天王たちが、丹波の大江山(大枝山)に住んでいた酒呑童子を退治し、その首を都に持ち帰る途中に、ここで急に重くなり動かなくなったため首塚として埋めたという。
- 回答プロセス
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1.京都府の地誌に関する資料で探索
・『京都府の歴史散歩(新全国歴史散歩シリーズ)』下巻(山本四郎著 山川出版社 1995年)p111には「首塚大明神」、『郷土資料事典:ふるさとの文化遺産』第26巻 京都府(ゼンリン 1997年)p179には「酒呑童子首塚」があるが、創建・由来については記述なし。
・『京都大事典 府域編』(淡交社 1994年)p197には「首塚」の項があり、由来はあるが創建については記述なし。
2.神社関係の資料で探索
・『日本神祇由来事典』(川口謙二編著 柏書房 1993年)p321-322には「首塚大明神」の項があり、由来はあるが創建については記述なし。
・『全国神社名鑑』上下巻(全国神社名鑑刊行会史学センター編纂・発行 1977年)、『社寺縁起伝説辞典』(志村有弘編 戎光祥出版 2009年)、『京都古社寺辞典』(吉川弘文館 2010年)には首塚大明神の記載なし。
・『京都の寺社:その信仰と伝説を訪ねて(シリーズご利益)』(内藤正敏著 稜北出版 1984年)p208には、創建・由来の記載なし。
・『京都の社寺建築』乙訓・北桑・南丹編(京都府文化財保護基金 1980年)には首塚大明神の記載なし。
3.酒呑童子の方面から探索
・『酒呑童子の誕生:もうひとつの日本文化(中公新書)』(高橋昌明著 中央公論社 1992年)p46-47、『怪異の民俗学』第4巻 鬼(小松和彦責任編集 河出書房新社 2000年)収載「「大江山と「鬼」説話」(高橋昌明著)p318には、首塚大明神の石碑の碑文と、貝原益軒の「西北紀行」の一部分が紹介されている。
・『酒呑童子異聞(同時代ライブラリー)』(佐竹昭広著 岩波書店 1992年)には「川柳礼記:大江山酒呑童子(一)」があり、p68に「…岩屋寺に伝わる酒呑童子退治の由来記(弘化2年成)によれば、童子の首は、七条河原に七日間さらされた後、大江坂に葬られた。人呼んで首塚明神と称する」とある。
・『鬼の風土記』(服部邦夫著 青弓社 1989年)p11に首塚明神の由来の記述があり、「もともとは、峠の境界線とか手向の明神といわれたものであったかもしれない」などど書かれている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 9版)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『京都大事典 府域編』(淡交社 1994年) (p197)
- 『日本神祇由来事典』(川口謙二編著 柏書房 1993年) (p321-322)
- 『酒呑童子の誕生:もうひとつの日本文化(中公新書)』(高橋昌明著 中央公論社 1992年) (p46-47)
- 『怪異の民俗学』第4巻 鬼(小松和彦責任編集 河出書房新社 2000年) (p318)
- 『鬼の風土記』(服部邦夫著 青弓社 1989年) (p11)
- キーワード
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- 首塚大明神
- 酒呑童子
- 大江山
- 老ノ坂
- 神社
- 亀岡市
- 京都府
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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酒呑童子の昔ばなしなどが掲載されている図書は、
・『新編日本古典文学全集』第63巻 室町物語草子集(小学館 2002年)p267-325「酒呑童子絵」
・『日本昔噺(東洋文庫)』(巌谷小波著 平凡社 2001年)p104-119「大江山」
・『日本の伝説』第1巻 京都の伝説(角川書店 1976年)p197-209「酒呑童子」
・『読みがたり京都のむかし話』(京都のむかし話研究会編 日本標準 2005年)p45-56「大江山の鬼たいじ」
・『大江山絵巻:チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵 甦る絵巻・絵本』(石黒吉次郎解説 勉誠出版 2006年)
などがある。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 神道
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000074960