レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/11/26
- 登録日時
- 2019/12/27 00:30
- 更新日時
- 2019/12/27 10:40
- 管理番号
- 所沢本-2019-026
- 質問
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解決
「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という歌は、誰の作か、どういう意味かを知りたい。
- 回答
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「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」は、一休宗純の歌で「正月門松はめでたいものとされているが、門松を飾るたびに一つずつ年を取り、死に近づくので、死への旅の一里塚のようなものだの意。」のようです。(参考:『日本国語大辞典 第3巻』)
以下の資料に記載があります。
〇『日本国語大辞典 第3巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
〇『仏教名言辞典 』 奈良康明/編著 東京書籍 1989年
〇『広辞苑』 新村出/編 岩波書店 2018年
- 回答プロセス
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1 所蔵資料の内容確認
〇『日本国語大辞典 第3巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年
P851「かどまつは冥土(めいど)の旅(たび)の一里塚(いちりづか)(「めでたくもありめでたくもなし」とつづく一休宗純作という歌から)」の項目に、「正月門松はめでたいものとされているが、門松を飾るたびに一つずつ年を取り、死に近づくので、死への旅の一里塚のようなものだの意。」との記載あり。
〇『広辞苑』 新村出/編 岩波書店 2018年
P586「門松」の項に「-は冥土の旅の一里塚(一休の狂歌「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」による)門松を立てるごとにとしを重ねるから、門松は死に近づくしるしである。」との記載あり。
〇『仏教名言辞典 』 奈良康明/編著 東京書籍 1989年
P21「いずれかの時か夢のうちにあらざる、いずれの人か骸骨にあらざるべし。」の項あり。
解説に「一休が元旦に骸骨を振りかざして街中を歩き、「元日や 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」と謡って歩いた話はよく知られている。正月が来て人々はめでたいと言う。しかし、一休から見れば人々はただ人生の真相に気づかずに夢に酔って浮かれているにすぎないのである。では、人生の深層とはどういうものか。それを一休は端的に「骸骨」によって示したのである。(以下省略)」との記載あり。「門松」の記載はなし。
△『新編日本古典文学全集 64』 (仮名草子集) 小学館 1999年
P267「一休ばなし 巻之二」の「四 一休和尚元三のあしたしやれ頭(かうべ)を引てとをり給う事」の項あり。
(現代語訳から)「元三は年の初め、月の初め、日の初めとして、国中の人々は、(中略) 祝って飾ること、人によって変わることがないようにみえる。(中略) 一休はおかしくお思いになられ、「まことに愚かなことよ。朝顔が太陽を待つ一瞬の間さえ、盛りの長い花と眺め、命の短い蜉蝣(かげろう)が青空に羽を振って楽しむほどの長さもない人の世に、汚い物にうわべを飾り立てる正月言葉であることだ。(以下省略)」との記載あり。
左上部、頭注欄に「(前略)この話は最も一休らしい話であり、一休伝承の中でも最も著名なものである。ただ現代では伝承の過程で変化し、歌が「門松は冥土の旅の一里塚目出度くもあり目出度くもなし」に入れ替わった場合が多い。」との記載あり。
△『一休』 市川白弦/著 日本放送出版協会 1979年
P92「一休ばなしその他」の項あり。
「(前略) 『一休咄』によれば、一休和尚が正月元日から髑髏(しゃりこうべ)を竹の先につけて、家ごとに「御用心、御用」といって歩いたところから、(中略) ある人が一休に「めでたい正月早々から縁起でもない」となじったところ、一休は「そうではない、これを見られよ、目が出て虚空になっているではないか、これほど目出たいことはない、これにならなくては本当に目出たいとはいわれぬのだ」といった。(中略) 一休の道歌-蜷川親当との道歌問答-に「門松は冥途の旅の一里塚、馬賀籠もなく泊まりやもなし」というのがある。のちは「正月は(元日や)冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」といわれるようになった。(以下省略)」との記載あり。
△『日本名句辞典』 鈴木一雄/編 大修館書店 1988年
P112「門松は冥途の旅の一里塚 (諺)」の項あり。
「正月の門松はめでたいものであるが、門松を立てるたびに年をとり、死にそれだけ近づくことになる。したがって、門松は死への旅をする道の一里塚のようなものだ、という意。(中略) 『一休咄』等の咄本では、「門松は冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」という歌の形で出ており、一休禅師の作と伝えるが、真偽は不明である。」との記載あり。
×『日本名言名句の辞典 』 尚学図書/編集 小学館 1988年
2 参考情報
【国立国会図書館レファレンス協同データベース】
△「一休さん(一休宗純)の歌「正月や冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」はこれで正しいのか。この歌は骸骨の付いた杖をつきながらよんだものらしい。」(都立中央図書館)
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 仏教 (180 9版)
- 参考資料
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- 日本国語大辞典 第3巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.3 813.1 4-09-521003-6
- 仏教名言辞典 奈良康明/編著 東京書籍 1989.10 180.33 4-487-73157-7
- 広辞苑 新村出/編 岩波書店 2018.1 813.1 978-4-00-080131-7
- キーワード
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- 門松
- 一休宗純
- 正月
- 一休咄
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000271680