①『トコトンやさしい石油の本』では、油田のありそうな場所を特定する方法として、p.28「9.油田の探鉱・開発には数千億円のお金がかかる」に、地表の地質状況を調べることと反射法地震探査が挙げられている。またp.30「10.試掘候補地の選定をピンポイントで行う」には、文献や資料、リモートセンシングや航空写真解析を用いて行う石油地質評価と、次に行われる地下の地質構造の概要を把握するための地質・地化学調査、重力・磁力探査が挙げられている。油をトラップする構造を見つけるために利用される技術である地震探査についての説明もある。
これらの調査で得たデータから「油を生成する根源岩、油が貯まる貯留岩を想定し、根源岩から貯留岩へ油が移動集積している可能性の高い場所を探します。その後、油がどれだけ集積しているかを示す油の埋蔵量を計算し、最も油が集積している可能性が高く、埋蔵量の大きい場所を試掘候補地としてピンポイントで選定します」とある。
p.29には「油田の探鉱・開発の流れ」、p.31には「石油・天然ガスの探鉱手順」の図がある。
ただしp.32に「石油が存在するかどうかは実際に試掘井を掘ってみないと分かりません」と書かれている。
②『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』では、p.106-108「開発の第一歩は地質調査」に、石油のありかを探る方法の変遷が説明されている。初期の地質調査は「「地表地質学」と呼ばれ、地表に見える地形から地形図を作り、油田のありそうな場所を見つけるという程度のものだった」とある。飛行機から地形を見て油田を発見した地質学者のエピソードが紹介されている。
次に地下にある石油を探す方法として、「「地球物理学」に基づき、重力の違い、磁力の違い等を利用して地下構造を調べる道が開かれた。さらに人工的に地震を発生させデータを習得する方法を見つけだし、より精度の高い地質構造の把握が可能になったのだ」と書かれている。
p.110-112「3000万年遅かった!」には、1983年に調査の結果が良好であったのに油田がなかったエピソードが紹介されている。
p.112-114「人工的に地震を発生させて」では、過去の掘削データを手に入れて再度検討する調査、地震探査(2次元、3次元)が挙げられており、これらのデータ等を基に「地下の構造予想図を描き出し、試掘井を掘る場所を決めるというやり方が最近では一般的となっている」とある。
③『石油とその開発Q&A』では、p.3「4)どうやってさがすのか①?」に地質調査、地質・地化学調査が挙げられている。またp.4では「プレートテクトニクスの理論を応用して太古の地形を類推し、根源岩を探す」という手法も書かれている。p.4「5)どうやってさがすのか②?」に地震探鉱法、重力探鉱、地磁気-地電流探鉱(MT法)が挙げられている。地震探鉱は詳しい説明がある。ただしp.5「6)どうやってさがすのか③?」に、「地震探鉱だけでは構造は推測できても、その構造に油があるかどうかまでは解らない」とある。
④『石油・天然ガス開発のしくみ』では、p.68「3.1探鉱活動の手順」に、鉱区取得以前に、市販されている衛星写真や石油コンサルタントが提供する資料、産油国や石油会社が提供する資料などを入手し、鉱区の有望性や探鉱価値を分析して「鉱区評価」を行うことが書かれている。後者の資料は具体的な説明がある。
p.71「3.2探鉱作業の実際:G&G Study」に鉱区取得後の探査方法が出ている。最初に行われるのが物理探鉱で、地震探査、重力探査、磁気探査、電気探査が挙げられている。また、鉱区が広域の場合は狙いを絞るために、「リモートセンシング地質解析データや空中重力/磁力探査データなどが収集される」とある。このほか「鉱区内やその近傍の試掘情報、目的層の露頭や過去の試掘で得られた岩石サンプル、地層流体の分析などを行う」とある。
鉱区が広域の場合の説明がp.71「1.炭化水素ポテンシャルの広域評価」にもある。航空機や人工衛星を利用する「リモートセンシング」という手法で、主な手法として重力探査・磁力探査、航空・衛星写真解析、地表地質調査、地表地化学探査、既存のデータの解釈が挙げられている。
p.72に「図3.3油田地帯における広域地質構造の把握」がある。
p.73「2.試掘対象構造(プロスペクト)の抽出」には地震探鉱の説明がある。
⑤『石油辞典』には、地震探査(探鉱)、重力探査(探鉱)、磁力探査(探鉱)、物理探鉱(探査)、リモートセンシングの項目がある。