①『野菜の裏側』
p.155 ほうれん草、ニンジン、トマト、大根、キャベツについて、「日本食品標準成分表」をもとに1950年、1963年、1982年、2000年でそれぞれビタミンAなど複数の成分の量を比較した表がある。
②「日本食品標準成分表に関するQ&A」令和2年12月
「過去の日本食品標準成分表の数値と最新の成分表の数値を比較してもよいですか。」という問いに対し、「成分値に影響する諸条件が各改訂時点では異なるため、食品名が同一であっても前提条件の異なる各版の間における成分値を単純に比較することは適当ではないと考えています」と回答している。
③『野菜のビタミンとミネラル』
p.46-47 食品成分表の数値はあくまでも標準値であることが解説されており、「標準成分値とは“年間を通じて普通に摂取する場合の全国的な平均値を表す”という概念に基づいた値です。したがって、食品成分表の数値は幅を持つ(数値に偏差をつけて読む)ことを理解すべきです。」との記述がある。
p.47-48 東京とその近郊の計5地域の店頭で購入した野菜のビタミンやミネラル含有量がどのように変化しているか、食品成分表の成分値とどのような関係にあるかについて、実験を行ったことが紹介されている。実験結果はp.100-147にまとめたと書かれている。
p.100-147 「資料1 各種野菜のビタミン・ミネラル含有量の年間変動」として上記実験結果のグラフが掲載されている。グラフには、24種類の野菜について月ごとの成分の変化と平均値、五訂食品成分表の値が示されている。じゃが芋、トマト、ピーマン、ほうれん草、白菜については、1993年と1997年の値を比較することができ、成分によっては1997年の方が高値を示している野菜があることや、季節による変化が大きいことがわかる。
④「日本食品標準成分表の改訂に伴う野菜中のビタミンC収載値の変動に対する分析法の影響」『栄養学雑誌』2010年68巻2号
p.141-145 「野菜中の栄養成分の日本食品標準成分表の改訂に伴う収載値の変動に対して,利用された成分分析法の違いが如何に影響しているかについて,野菜中のビタミンC(VC)に焦点を当てて検討」した結果、「成分表に収載されている値のみを用いて出された「野菜の栄養価が昔に比べて減少している」とする情報の理解には,慎重な対応が求められるであろう。」とある。
⑤『野菜の成分とその変動 土壌環境からのアプローチ』
p.36-66 「有機質肥料の施用と野菜の品質」でトマトのビタミンC、遊離アミノ酸の含有量、ブロッコリーのビタミンC,β-カロテン、遊離アミノ酸の含有量の違いの表があり、施肥により成分が変動することがわかる。
以下には、野菜の成分の変動に関する実験と考察がある。
p.67-68「水ストレスとトマト果実の成分」
p.69-72「ハウスおよびマルチ栽培のホウレンソウの成分」
p.73-77「栽培時期の異なるホウレンソウの成分」
⑥『機能性野菜の科学』
p.90-98 「野菜の機能性を高める技術」として、交配育種でリコピンが通常のトマトの1.5倍含まれるものが開発されたことや遺伝子組み換えでビタミンE強化ダイズやアントシアニン高含有果実などが作られていること、植物工場では、機能性成分の高い野菜の栽培が可能なことが示されている。