レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2024/03/20 00:31
- 更新日時
- 2024/03/20 00:31
- 管理番号
- R1014376
- 質問
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解決
貝塚市にある水間寺の正月の餅つきについて書かれた資料はあるか。
- 回答
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以下の資料に記載がありました(■は図書、●は雑誌を表します。)。
■『貝塚市史 第2巻 各説』(臨時貝塚市史編纂部/編 貝塚市役所 1957)
「第6編 民俗」中p.785に「水間寺千本搗」の項があり、「一月三日の早朝から夕刻まで水間法座の若中が赤鉢巻・赤襷・赤前掛の扮装で、江戸時代の歌詞と思われる千本餅搗歌にあわせて賑やかに餅つきを行い、「水間寺の厄除餅」として篤信者に頒布している」とあります。
■『新西国霊場案内:古寺を訪ねて-近畿-』(下休場義治/文と写真 新西国三十三所霊場巡拝会 1968.1)
p.26-29「第四番 龍谷山 水間寺(天台宗)」の項に「当山には”千本搗”という珍事が開山の千二百有余年前より現在まで中断されることなく行なわれている。この行事は、僧行基が観音出現の地を求めて当地に来たところ、十六人の童子(観音の化身)が現われ、滝に誘われ、観音像を授けられてより、伽藍完成まで起居をともにし、聖武天皇、光明皇后が落慶供養の際行幸された折、木を切って棒を作り、それで、歌に合せて餅をつき本尊に備えたことが始まりと言われている。長い棒(キネ)を持った人々がウスを囲んで餅をつくのであり、毎年正月三日にはこの餅つきの行事が厳かに行われ、餅は厄除餅として参拝者に授けられる」とあります(p.28)。
■『新西国霊場:古寺めぐりへの招待』(下休場由晴/著 朱鷺書房 1986.6)
p.32-35「第四番 龍谷山 水間寺」の項に上記『新西国霊場案内:古寺を訪ねて-近畿-と』同じ記述があります。
■『新西国霊場 巡礼の旅』(京都新聞社/編著 京都新聞社 1979)
p.27-31「第4番 竜谷山 水間寺」の項に「近年、名物となってきた正月二、三両日の「千本餅つき」にも土地柄の古さをうかがわせる。行基がこの寺を開いた際、十六人の童子が喜びのあまり千本の木でモチをついたという故事にちなむもので、十人余の若者たちが手に手に長い棒を持ってモチをつく、珍しい行事である」とあります。
■『水間鉄道50年の歩み』(水間鉄道株式会社社史編集委員会/編集 水間鉄道 1973.4)
p.19-21「水間寺今昔」の項に「正月行事のひとつ「千本搗」は、観世音菩薩が出現したとき、16人の童子が喜びのあまり手に棒を携えて餅を搗いたという由来によるもので、現在でも厄除け餅として有名である」とあります。
■『和泉名所図会』(秋里籬島/撰, 竹原信繁/画 寛政8 (1796))
本資料は国立国会図書館デジタルコレクションで利用可能です。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2563479/
(2024/1/25確認)
また、『日本名所風俗図会 11』(角川書店 1981.2)に翻刻があります。
巻三に「竜谷山水間寺」の項目があり(35-36コマ)(翻刻p.475)「むかし天平十六年、聖武天皇霊夢を感じたまひ、行基に当山を見せしめたまふに、滝の本より竜神顕れ、たちまち老翁と化し語って曰く、ここに天竺霊鷲山の霊仏文殊の作りたまふ観世音の尊像あり。これを帝に上り仏閣を営みたまはば、国家長久ならんと告ぐる。行基、すなはちこのよしを奏し、霊場を建営したまふ。毎年二月初午の火を法会とし群参す」との記載があります。
■『南海鉄道案内』(宇田川文海/著 南海電気鉄道 1978)
明治32年刊の復刻版です。元版は国立国会図書館デジタルコレクションで利用可能です。
https://dl.ndl.go.jp/pid/765860/
(2024/1/25確認)
上巻p.256-260(159-161コマ)「龍谷山水間寺」の項目があり、寺の歴史や「諸人の信仰はますます厚きを添へ、年中の法会の概略を言へば、先づ旧正月三日は千本搗と唱え、村内の者が集って、三石三斗の餅を搗き」と(p.257)とあります。
●『上方 [復刻版] 10(下)』(新和出版 1970)
第130号p.28-31「貴重なる和泉の古民謡」(井野邊天籟/著)の記事中「水間寺の千本搗音頭」に「境内の高楼に大臼を据えつけ、手に手に五尺余りの長い樫棒の杵を持った信徒数十名が、声高らかに古風な千本搗音頭を謳ひながらお鏡餅をつく」とあります。
●『テンプス』(貝塚市教育委員会)
2011年47号p.8「水間寺千本搗餅つき」の記事に説明と写真が掲載されています。
[事例作成日:2024年2月2日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 寺院.僧職 (185)
- 参考資料
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- B10040215 貝塚市史 第2巻 臨時貝塚市史編纂部∥編 貝塚市役所 1957 216.3
- B14021817 新西国霊場案内 下休場/義治‖文と写真 新西国三十三所霊場巡拝会 1968.1 186.916
- B10350464 新西国霊場 下休場/由晴∥著 朱鷺書房 1986.6 185.916
- B11030234 新西国霊場 巡礼の旅 京都新聞社∥編著 京都新聞社 1979 186.916
- B11085468 水間鉄道50年の歩み 水間鉄道株式会社社史編集委員会∥編集 水間鉄道 1973.4 686.067
- B10466793 日本名所風俗図会 11 角川書店 1981.2 291.09
- B14414401 上方 [復刻版] 1941/01-1941/12 10(下) 上方郷土研究會 新和出版社 1970.01.01
- B14860981 テンプス 貝塚市教育委員会
- 『和泉名所図会 4巻 [3]』(国立国会図書館デジタルコレクション) https://dl.ndl.go.jp/pid/2563479/ 2024/1/25
- 『南海鉄道案内』(国立国会図書館デジタルコレクション) https://dl.ndl.go.jp/pid/765860/1/1 2024/1/25
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000347702