レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年06月11日
- 登録日時
- 2018/08/01 16:01
- 更新日時
- 2022/06/07 12:40
- 管理番号
- 2019-120
- 質問
-
未解決
小早川秋声画「新島先生」(新島襄の肖像画)の所蔵先を探している。
- 回答
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本学今出川図書館内を探し、同志社社史資料センター、同志社女子大学などへも問い合わせましたが、小早川秋声の「新島先生」は見つかりませんでした。
関連資料として、徳富蘇峰記念館に「新島先生」を描くことに関する小早川秋声の書簡が残っておりました。
詳細につきましては回答プロセスをご参照ください。
- 回答プロセス
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1.学内の所蔵調査、問い合わせ
(1)貴重室など、図書館内を探したが、見当たらず。
(2)同志社社史資料センターへ問い合わせ
→以下のように回答があった。
・学内には見当たらなかった。(もしかしたら法人にあるかもしれないが、あれば社史資料センターでも把握しているので可能性は薄いとのこと)
・2002年に学内で所蔵する新島襄の肖像画を点検した時のリスト、それ以降に受入された肖像画のリストも確認したが、小早川秋声が描いた肖像画はなかった。
2.学外の機関へ問い合わせ
(1)東京都都立中央図書館
『美術館ニュース』No.20を所蔵している東京都立中央図書館へ記事の内容について問い合わせたところ、以下のように回答があった。
・記事のタイトル、掲載ページ:「平和記念のための日本現代美術米國展」、2ページ目
・記事の内容は以下のとおり。「新島先生」の所在が分かる記述はなかった。
「もと文部省芸術課長の石丸優三氏が世話人となつて終戦後はじめて大大的な日本の現代美術を米国に紹介するための展覧会が催される。
その国内展示会を8月11日から17日まで東京都立美術館でひらき、のち直ちにアメリカへ向けて発送される。アメリカではワシントンのナショナルギャラリィの館長フインレイ氏がこの巡回展の一切の世話役を引受け、ナショナルギャラリィを振り出しにニューヨーク、ボストン、シカゴ、フィラデルフィヤー、セントルイスなど7,8ヶ所で展観される。
紹介される作品は日本画約200点、工芸約200点、作家は芸術院会員はじめ日展、院展、在野団体の優秀作家で、作品は幅一米以上の大作ばかり、なかには菅楯彦の六曲一双や山鹿淸華の手織のつづれ織の豪華な着物などヴァライティに富んだものが多く彼の地での好評が期待される。」
(2)徳富蘇峰記念館
小早川秋声と徳富蘇峰が交流があったかもしれないと思い、徳富蘇峰記念館の書簡データベースで検索したところ、昭和のもの1通がヒット。
http://soho-tokutomi.or.jp/db/jinbutsu/7363 [参照 2018-5-10]
所蔵されている徳富蘇峰記念館へ「新島先生」の所蔵先、書簡の時期、内容を問い合わせたところ、以下のように回答。
・「新島先生」については徳富蘇峰記念館では所蔵していない。どこに所蔵されているかも分からない。
・書簡については、昭和26年5月1日の消印あり。内容は以下のように書かれている。
「新島先生を描くについては、ご教示・ご高話たまわり、・・・多大な参考になり・・・」 ※「・・・」は達筆で解読が難しいとのこと。
・書簡と一緒に小早川秋声の名刺も残っており、そこには「昭和26年4月21日」の日付が書かれている。また、裏面には、「新島先生 バイブル 写生の礼」と書かれている。(蘇峰の秘書の方が追記したものとのこと)
※名刺は、昭和26年4月21日に、小早川秋声が熱海にいる蘇峰を訪ねており、その時に渡したもの。
・以上のことから、「新島先生」を描くにあたって、蘇峰の元を訪れて 新島襄の人となりなどを聞き、そのお礼を書いた書簡ではないか。
(「新島先生」が展覧会に出展された時期(昭和27年(1952)8月)とも近い。)
※なお、書簡・名刺については、徳富蘇峰記念館へ事前に連絡すれば閲覧可能。また、有料になるが、メールで資料の画像提供も可能とのこと。
(3)同志社女子大学・同志社女子中学・高等学校
「月下の一群」の寄贈先である同志社女子大学(今出川図書館、史料センター)、同志社女子中学・高等学校図書・情報センターへ問い合わせたが、「新島先生」も「月下の一群」も所蔵されていないとの回答があった。
- 事前調査事項
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・肖像画は、日本画家の小早川秋声(1889-1974)が描いたもので、東京都美術館で昭和27年(1952)8月11日から17日に開催された「日本現代美術展」に出品された(美術展の出典目録より)。
・この展覧会に出品された美術品が、東京都美術館での展覧会終了後、アメリカで巡回展を行う予定であったことが『美術館ニュース』No.20(東京都美術館発行、1952年8月15日)に書かれているらしいが、手元にあるコピーが不鮮明で詳細な内容までは不明。
・小早川秋声に関する資料を確認し、東京都美術館、日南町美術館へも問い合わせたが、上記の絵画の所在は分からなかった。
・彼が描いた「月下の一群」という絵画が同志社女子大学へ寄贈されたと聞いた。
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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東京都美術館. 美術館ニュース. 東京都美術館.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000019997-00 (NCID:AN00378610) -
徳富蘇峰記念館 書簡検索
http://soho-tokutomi.or.jp/db/jinbutsu/ [参照 2018-5-10]
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東京都美術館. 美術館ニュース. 東京都美術館.
- キーワード
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- 同志社
- 小早川秋声
- 新島先生
- 新島襄
- 徳富蘇峰
- 肖像画
- 照会先
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- 同志社社史資料センター
- 東京都立中央図書館
- 徳富蘇峰記念館
- 同志社女子大学今出川図書館
- 同志社女子大学史料センター
- 同志社女子中学・高等学校 図書・情報センター
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 同志社
- 質問者区分
- 学外者
- 登録番号
- 1000239881