レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/01/24
- 登録日時
- 2012/01/26 02:00
- 更新日時
- 2012/04/10 15:10
- 管理番号
- 6000006663
- 質問
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解決
仏暦とはどのような暦法か。また、2012年は、仏暦では何年にあたるか。
- 回答
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仏暦(ぶつれき)は、仏滅(ブッダの没年)を基準とする暦法。東南アジアの仏教国で採用されている。ブッダの没年を1年とするミャンマーやスリランカなどと、没年を0年とするタイ・カンボジア・ラオスで解釈が異なるが、前者では2012年は仏暦2556年、後者では仏暦2555年。
- 回答プロセス
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参考室の18(仏教)449(暦)の書架を見る。
『総合仏教大事典』(法蔵館)『暦と時の事典』(雄山閣)『暦の百科事典 2000年版』(本の友社)には、仏暦についての記載なし。また『21世紀暦』(日外アソシエーツ)にも、2012年が仏暦何年にあたるかは載っていない。
『例文仏教語大辞典』(小学館)で「ぶつれき」を引いたところ、「仏滅を基準として、仏滅何年と数える暦法」とあり。しかし仏滅が西暦何年にあたるかの記述は仏滅の項にもない。
『岩波仏教辞典』には仏暦の項目はないが、p884の「仏滅」の項に、シャカの入滅年代について、東南アジア諸国で支持されてきた紀元前544‐543年頃の説、ギリシア資料にもとづく紀元前486-477頃の説、中国・チベットに伝わる紀元前400-368頃の説の3説を紹介し、学術的には紀元前400年前後とする説が有力であるとしている。
また『世界大百科事典』(平凡社)には仏暦の項目はないが、『世界大百科事典7 キセ-キン』のp92「紀年法」の項に、「仏滅紀元」として、東南アジアの仏教国で使用する、釈尊寂滅に始まる紀元を紹介している。これによると、ブッダの没年は明確でないが、タイやカンボジアでは紀元前543年を仏滅紀元元年としているとのこと。また東南アジアの暦は太陰太陽暦である。
さらに『新版 東南アジアを知る事典』(平凡社)で「仏暦」を調べると、p163の「こよみ」の項の、インド系諸暦の欄に詳しい記載があった。これによると仏暦はプッタ・サッカラートともいい、地域と年代によって数え方式(元期を第1年とする)であるか満方式(元期を第0年とする)であるかが異なるとのこと。仏暦ではミャンマー・スリランカ・インドネシア・マレーシア・ベトナムが前者、タイ・ラオス・カンボジアは後者を採用している。またp381の仏教の地域差に関する記載の中に、西暦2008年が前者で仏暦2552年、後者で仏暦2551年にあたるとの記述があり、これをもとに2012年が仏暦何年にあたるかを計算した。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『例文仏教語大辞典』石田 瑞麿/著(小学館)
- 『岩波仏教辞典』中村 元/編集(岩波書店)
- 『世界大百科事典 7』(平凡社)
- 『東南アジアを知る事典』桃木 至朗/編集(平凡社)
- キーワード
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- 仏暦(ブツレキ)
- 仏教
- 暦法
- 紀年法
- アジア
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000100596