レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/11/22
- 登録日時
- 2022/02/04 00:30
- 更新日時
- 2022/02/05 14:10
- 管理番号
- 所沢本-2021-029
- 質問
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解決
所沢市安松に、「名古屋公園」や「名古屋」というバス停があるが、その由来を知りたい
- 回答
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「名古屋公園」やバス停の「名古屋」がある場所は名古屋という小字です。小字からとった名称だと思われます。下記の資料に記載があります。
〇『所沢市史 地誌』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
〇『所沢市史 地誌 付図』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
〇『所沢の歴史と地理』 内野弘/著 内野乃布/発行 1985年
下記の資料に「名古屋」の由来に関係する記載があります。
『日本歴史地名大系 23 愛知県の地名』 平凡社 1981年
名古屋(愛知県名古屋城)とは「山や丘陵などのふもとの集落、城砦をめぐる兵舎」との記載あり。
『日本城郭辞典』 鳥羽正雄/著 東京堂出版 1976年
類似の根小屋・根古屋とは「中世後期、東国で山城のふもとにあった城郭に付属した人々の建造物、またそのような建物の集団地」との記載あり。
『武州滝ノ城址』 栗原 仲道 郷土の歴史刊行会 1971年
本郷村は「室町時代には滝ノ城の城下町があったようである」との記載あり。
なお、根古屋については所沢市勝楽寺の狭山湖周辺に根古屋城として名前が残っています。
- 回答プロセス
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1.地名・公園を確認
『所沢市公園ガイドブック』 都市整備部公園緑地課 所沢市役所 1997 年
p31 名古屋公園の場所と地図あり。
p50 公園一覧に、名古屋公園あり。住所・面積・開設公告日昭和59年9月1日の記載あり。
2.所蔵資料の内容確認
〇『所沢市史 地誌』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
p89 大字本郷の小字に「名古屋」の項目あり。「「なごや」、「ねごや」、「りゅうがい」、「ほりのうち」、「たて」などの地名は城に関係しているものが多い。」との記載あり。
〇『所沢市史 地誌 付図』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
p21 柳瀬地区に、「名古屋」の小字あり。
△『日本歴史地名大系 23 愛知県の地名』 平凡社 1981年
p79 名古屋市の項目あり。「(前略)気候・風土がなごやかな地、ナゴ(霧)の多い原野、山や丘陵などのふもとの集落、城砦をめぐる兵舎の意、そのほか浪が高くしばしば海岸を越えるからなどの諸説がある。ナゴヤという地名は、根小屋(ねごや)、名越(なごえ)などの類似のものを含めれば、肥前・筑前・豊後・駿河・伊豆・相模・下総などの各地にみられ(後略)」との記載あり。
△『武州滝ノ城址』 栗原 仲道 郷土の歴史刊行会 1971年
p56 本郷の小字名の項目あり。「(前略)室町時代には滝ノ城の城下町があったようである。」との記載あり。
△『日本史大事典 5』 平凡社 1993年
p650 「根小屋」の項目あり。「中世後期山城の麓にあった城主の館やその周辺の屋敷地。おもに東国で用いられた語で、のちに集落の地名となって根古屋・猫屋などと書かれることもある(後略)」と記載あり。
△『日本城郭辞典』 鳥羽正雄/著 東京堂出版 1976年
p249 「根小屋」の項目あり。「中世後期、東国で山城のふもとにあった城郭に付属した人々の建造物、またそのような建物の集団地(後略)」と記載あり。
「根古屋」の項目あり。「城のあった時は根小屋であった所が、地名として根古屋と書かれている例が少なくない。」との記載あり。
3.後日調査の追加事項
〇『所沢の歴史と地理』 内野弘/著 内野乃布/発行 1985年
p259 大字本郷の小字に「名古屋」の項目あり。『所沢市史 地誌』と同じ内容。
△『埼玉県指定滝の城跡保存会沿革史』 金子光司 編 滝の城跡保存会 1988年
滝の城や城村・本郷村について記載あり。
p39 「本郷の小字名」の項目に「本郷部落には、宿地・横宿・番場・橋場など、城下町を思わせる地名があり、また鎌倉街道の名も残っている。室町時代には滝ノ城の城下町があったようである。」との記載あり。
△『城郭史研究 29号(2009年)』 西ケ谷恭弘/編集 日本城郭史学会 2010年
p49-61 「武州瀧の城の考察」あり。城下町があったのではないかとあるが、名古屋については記載なし。
×『所沢市史 上』 所沢市史編さん委員会/編 所沢市 1991年
本郷、城、滝ノ城についての記載はあるものの、名古屋についての記載なし。
×『大日本地誌大系 14』 雄山閣 1996
p157-162 坂下村・城村・本郷村・大岱村・上安松村・下安松村について、小名(小字)などあるものの、名古屋についての記載なし。
×『武蔵野話』 斎藤鶴磯/著 有峰書店 1969年
p200-203 城村や村の絵などあるものの、名古屋についての記載なし。
×『武蔵国郡村誌 第4巻』 埼玉県/編纂 埼玉県立図書館 1954年
p1-18 坂下村・城村・本郷村・日比田村・上安松村・下安松村について、小名(小字)などあるものの、名古屋についての記載なし。
×『歴史ロマン・埼玉の城址30選』 西野博道/編著 埼玉新聞社 2005年
p114-117 「滝の城」の項目あり。名古屋についての記載なし。
×『城郭資料集成中世北武蔵の城』 梅沢太久夫/著 岩田書院 2003年
p69-70 「滝の城跡」の項目あり。名古屋についての記載なし。
×『埼玉の古城址』 中田正光/著 有峰書店新社 2001年
p97-101 「滝の城」の項目あり。名古屋についての記載なし。
×『埼玉ふるさと散歩 所沢市』 斎藤脩治/著 さきたま出版会 1993年
p128-131 「いざ決戦の時いたる滝の城」の項目あり。名古屋についてバス停としての記載あるものの由来等なし。
×『新さきたま紀行』 埼玉新聞社出版局/編 埼玉新聞社 1977年
p63-65 「滝の城跡」の項目あり。名古屋についての記載なし。
×『本山修験愛宕山玉寳院史』 高野進芳/編著 武藤 1974年
×『角川日本地名大辞典 11』 「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1980年
×『日本歴史地名大系 11』 平凡社 1993年
×『柳瀬川流域の歴史と文化』 栗原 仲道 2000年
×『所沢市史研究 第19号』 所沢市教育委員会文化財保護課/編 所沢市教育委員会 1996年
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
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- 所沢市史 地誌 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980.3 213.4
- 所沢市史 地誌 付図 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980.3 213.4
- 所沢の歴史と地理 内野弘/著 内野乃布/発行 1985.3 213.4
- キーワード
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- 名古屋
- 名古屋公園
- 根古屋
- 根小屋
- 滝の城
- 本郷村
- 城村
- バス停
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000311788