レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年04月01日
- 登録日時
- 2023/12/07 11:25
- 更新日時
- 2023/12/07 11:27
- 管理番号
- 市川20230401-02
- 質問
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未解決
20世紀まで使われていた軟体動物の旧分類として、「後鰓亜綱」の下位に「腸紐目(ちょうちゅうもく)」というグループがあるが、この「腸紐目」が現在の新しい分類法ではどこに分類されているのか、また、腸紐目という名称の由来について知りたい。
- 回答
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旧分類「腸紐目(Entomotaeniata)」について調査したところ、『原色世界貝類図鑑 2 熱帯太平洋編』(波部忠重,小菅貞男/共著 保育社 1979)p.114では「後鰓亜綱/腸紐目/トウガタガイ起科/トウガタガイ科」、また、『谷津・内田動物分類名辞典』(内田亨/監修 中山書店 1988)の分類表p. 265では「軟体動物門/腹足綱/後鰓亜綱/腸紐類/トウガタガイ科」との記載があった。
腸紐目の下位となる「トウガタガイ科」の新分類を調査したところ、『世界の貝大図鑑 形態・生態・分布』(M.G.ハラセウィッチ,ファビオ・モレゾーン/著,平野弥生/訳 柊風舎 2017)の「軟体動物の分類」p.644では「腹足綱/直腹足亜綱/異鰓上目/トウガタガイ上科/トウガタガイ科」。
『岩波生物学辞典 第5版』(巌佐庸/[ほか]編集 岩波書店 2013)の「動物分類表」p.1583の55行目では「軟体動物門/腹足綱/後生腹足類/異鯉上目/異旋目/トウガタガイ」。
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司/編著 東海大学出版会 2000)の目次Ⅺⅱでは、「腹足綱/前鰓亜綱/[異鰓上目]/異旋目/トウガタガイ上科/トウガタガイ科」との記載あり。
資料により分類が異なるため、インターネットでも調査したところ、日本分類学会連合のホームページ(http://www.ujssb.org/biospnum/search.php?Kingdom=Animalia&Phylum=Mollusca&Class=Gastropoda&Subclass=Prosobranchia&Order=Heterostropha&Family=Pyramidellidae 2023.12.7確認)の「日本産生物種数調査」では、「軟体動物門>腹足綱>前鰓亜綱>Heterostropha>トウガタガイ科」。以上、腸紐目の新分類については、「腹足綱」以下が参照する資料によって異なっており特定することができなかった。
なお、腸紐目の名称の由来は、図書館所蔵資料にはなく、『動物学ラテン語辞典』(小野展嗣/編 ぎょうせい 2009)で、腸紐目の原語「ENTOMOTAENIATA」を調べたところ、この単語はなかったが、p.135にentomo-「切れ込みのある虫(とくに昆虫)の」の意の接頭語、p.375にtaeniaヘアバンド、リボン、紐、紐状器官[解剖]、条虫[動物]との記載はあった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 軟体動物.貝類学 (484 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000343054