レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/11/18
- 登録日時
- 2016/12/18 00:30
- 更新日時
- 2016/12/28 10:25
- 管理番号
- 6000030462
- 質問
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解決
草書体の習字のお手本に、新古今和歌集の和歌が書かれているのだが、何と書いてあるか読めない。何と書いてあって、どういう歌なのか知りたい。
- 回答
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・「秋の夜の月や雄島のあまの原明け方近き沖の釣舟」
・「いづくにか今宵の月の曇るべき小倉の山も名をやかふらん」
上記の2首だった。
内容注釈のあるものとして、下記2点を提供し、お貸し出し。
◆『新古今和歌集全注釈 2』久保田 淳著/角川学芸出版/2011/911.1
◆『日本の古典 35 完訳 新古今和歌集 1』小学館/1983/918
- 回答プロセス
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▽二首の歌が書かれたお手本をお持ちだった。草書で書かれていて、何と書かれているのか部分的にしか読めない。
<一首目>
「新古今和歌集 藤原家隆」と詠み人が添え書きされている。
初句は「秋の夜の」、結句は「沖のつり舟」と読める。
<二首目>
「新古今和歌集 大江千里」と詠み人が添え書きされていた。
第四句は「小倉の山も」、結句は「名をやか布らむ」と読める。
▽『国歌大観』で初句、結句からひく。
◆『新編 国歌大観 第1巻 [2] 勅撰集編 索引』「新編国歌大観」編集委員会編/角川書店/1983/911.1
◆『新編国歌大観 第1巻 [1] 勅撰集編 歌集』「新編国歌大観」編集委員会編/角川書店/1983/911.1
<一首目>
新古今和歌集の「あきのよの」は、第四巻403、藤原家隆の「秋の夜の月やをじまのあまのはらあけがたちかきおきのつりふね」で、詠み人とも一致している。
<二首目>
新古今和歌集の「なをやかふらん」は第四巻405、大江千里の「いづくにか今夜の月のくもるべき小倉の山も名をやかふらん」で、詠み人と一致している。
▽歌は特定できたが、二首目の初句に変体仮名が使われていて、何の漢字なのかわからない。
◆『用例かな大字典』中田 易直ほか編/柏書房/1980/728
「□□くにか」と読めるので、一文字目は「い」、二文字目は「づ」の変体仮名と推測して辞書をひく。手本とひきくらべて、「い」は「移」、「づ」は「徒」であることがわかった。
▽内容の解釈が掲載している以下の2点をあわせて提供。
◆『新古今和歌集全注釈 2』久保田 淳著/角川学芸出版/2011/911.1
「秋の夜の月や雄島のあまの原明け方近き沖の釣舟」
「いづくにか今宵の月の曇るべき小倉の山も名をやかふらん」
◆『日本の古典 35 完訳 新古今和歌集 1』小学館/1983/918
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728)
- 詩歌 (911)
- 参考資料
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- 『新編国歌大観 第1巻 [2]』 「新編国歌大観」編集委員会/編 角川書店
- 『新編国歌大観 第1巻 [1]』 「新編国歌大観」編集委員会/編 角川書店
- 『用例かな大字典』 中田 易直/[ほか]編 柏書房
- 『新古今和歌集全注釈 2』 久保田 淳/著 角川学芸出版
- 『日本の古典 35』 小学館
- キーワード
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- 習字(シュウジ)
- 草書(ソウショ)
- 和歌(ワカ)
- 新古今和歌集(シンコキンワカシュウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 小学生以下
- 登録番号
- 1000203484