レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/02/18 16:25
- 更新日時
- 2023/03/01 13:47
- 管理番号
- Obu2022-3
- 質問
-
解決
「北欧のこびと」の種類や、作品の中でどのような役割を果たしていのかが分かる資料はないか。
- 回答
-
『世界の妖精・妖怪事典』(ヨースタイン・ゴルデル/著他 原書房 2003)
→p.39~40「イーヴァルディ」
「スカンディナヴィア神話で、もっとも熟練したドワーフの金属細工師の名前。スヴァルドともいう。イズンの父と言われる。
イーヴァルディとそのドワーフの仲間は、オーディンの槍シンドリとシフの黄金の鬘をつくり、小さく折りたためる船のスキーズブラズニルを建造した。」
→p.109「ガルドスヴォル」
「スカンディナヴィアの神話と民間伝承に登場する家事の精。「家の守護霊」という意味。ドワーフの姿で現れる。人間の家に住み、家族と財産を守る。」
→p.208「ダーイン」
「北欧神話とゲルマン神話に登場するドワーフ。ダーインは同じドワーフのスラーインとともに登場する。ダーインは「死」、スラーインは「死体」を意味する名前である。二人のドワーフは地下世界や予言と関わりが深く、北欧のハルマゲドン、ラグナロクについて知っているとされる。」
→p.239「ドゥアルガー」
「スカンディナヴィアとゲルマンの神話に登場するドワーフ。丘の下、暗い森、人里はなれた岩間に住む。(中略)滅ぼされた巨人ユミルの遺体にわいた蛆からつくられたとされ、ユミルと同じく、人間に腐敗と悲惨をもたらす。(略)色黒の肌、緑の目、灰色の長い髭、ずんぐりして力強い身体、カラスの足先がついた脚をもつ。(略)魔法のマントをはおれば姿が見えなくなるが、日光がさしている間に捕まえれば、ドゥアルガーは滅びるか、別の伝説によれば石になる。すべての金属、とくに金と銀の細工にすぐれている。神々のためにすばらしい武器をつくったが、その武器を強奪した者には災難がもたらされる。」
→p.257-259「スカンディナヴィアのドワーフ」
「スカンディナヴィアでは、ドワーフは神話や民間伝承の多くに、アース神族やヴァン神族のために工芸品をつくる職人として登場する。巨人ユミルの遺体にわいたウジから、ドワーフは生まれたとされる。ドワーフには、モーズゾニクルの人々、ドゥリンの仲間、ロヴァルと同盟するドゥワリンの仲間という三つのグループがある。すぐれた金属細工の技量でドワーフは、女神シヴの鬘、魔法の槍グングニルや、ハンカチのサイズにまで分解できる魔法の船<スキードブラドニル>号をつくった。ドワーフは詐欺、殺人、復讐を引き起こし、人や物の姿を変える。すべての超自然存在の中で、ダーインとスラーインと呼ばれる二人のドワーフは、ラグナロクの訪れを予告する。」
→p.337「フジャラル」
「北欧神話に登場する悪いドワーフ。ガラルとともに、クヴァシルという名の賢く優しい男を殺し、その血を集めて魔法の酒をつくった。この酒を飲んだ者は雄弁になったので、ドワーフたちの評判は広まった。(以下略)」
→p.454「ロヴァル」
「北欧神話に登場するドワーフの下位集団。彼らについてはあまり情報がなく、わかっているのはドヴァリンと同盟を結んでいることと、11人の名前だけである。11人の名前は、アーイ、アールヴ、エイキンスキアルディ、フィス、フィアラル、フロスティ、ギナル、スカンダル、スキルフリル、ヴィルヴィル、ユングヴィである。アールヴはおそらく妖精の種族とされるアールヴたちと関連があると思われる。」
『カエルの城』(ヨースタイン・ゴルデル/著他 日本放送出版協会 1998)
→デンマークで「ニッセ」と呼ばれているクリスマスの小人が登場する。
- 回答プロセス
-
●国会図書館レファレンス協同データベース検索「北欧 小人」
大阪府立中央図書館(2120005)
「「大工と鬼六」「ルンペルシュティルツヒェン」「トム・ティット・トット」のように『人間が鬼や悪魔的な小人に頼みごとをし、その代償に命や子供、結婚を要求される』『しかし、鬼や小人の名前を当てることで、相手は負けを認めて逃げ出し、災難に合わずに済む』というお話があります。
1)上にあげた3つの例以外に、類似した内容の別の物語を読んでみたい。」より、下記参考資料。
『世界の民話 3:北欧』(小沢俊夫/編 ぎょうせい 1979)
→p.214「トチレウィプ」小人の話はあるが、種類や役割の記述なし。
※小人と妖精の違いを調べてみる。
●ジャパンナレッジ検索
・フリーワード検索「小人」
『日本国語大辞典』より
→「背丈のきわめて短小な人。一寸法師などの類。想像上のものについてもいう。侏儒(しゅじゅ)。こびっちょ。」
・フリーワード検索「妖精」
『日本国語大辞典』より
→「(1)人を惑わすあやしいばけもの。妖怪。」
「(2)人間の姿をした自然物の精。西洋の昔話などに、不思議な術を持つ美しい女の小人として出てくることが多い。フェアリー。」
※男が小人で、女は妖精という見解も考えられる。
●インターネット検索
「ドワーフ」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)より参照
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%95)
→「ドワーフ(英語: dwarf [dˈɔɚf]、ドイツ語: Zwerg、古ノルド語: dvergr)は、人間よりも少し背丈の小さい伝説上の種族。民話、神話、童話、ファンタジー作品などに登場することが多い。高度な鍛冶や工芸技能をもつとされており、外観は男女共に背丈が低いものの力強く屈強で、特に男性はその多くで長い髭をたくわえているとされる。
ドワーフ小人、矮人、侏儒、あるいは単に小人と訳されることもある。」
同ページ内「北欧におけるドワーフ」
→「北欧神話には闇の妖精ドヴェルグがいる。太古の巨人ユミル(Ymir)の死体(=大地)から生じた。生まれた当時はうじ虫だったが、神々の決定により人に似た姿と知性を与えられる。その後も地中を好み、岩穴で暮らす。彼らは信仰の対象ではなく、しばしば神々と対立する立場で登場するが、対価に応じて神々象徴となる魔力のある武器や宝の制作をする優れた匠としても描かれる。ドヴェルグは太陽の光を浴びると石になる、もしくは体が弾け飛んで死ぬといわれる。
現在残されている資料では地に住まう闇のエルフ、デックアールヴ(døkkálfar)と共通する部分も見られ、古エッダの「巫女の予言(Völuspá)」には名前の接尾に"-álfar"をもつドヴェルグも登場する。」
これを元に調査した資料が以下となる。
『世界の妖精・妖怪事典』(ヨースタイン・ゴルデル/著他 原書房 2003)
→回答参照
『カエルの城』(ヨースタイン・ゴルデル/著他 日本放送出版協会 1998)
→回答参照
(ウェブ・ページ最終閲覧日2022.3.3)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 伝説.民話[昔話] (388 10版)
- その他のゲルマン文学 (949 10版)
- 参考資料
-
-
キャロル・ローズ 著 , 松村一男 監訳 , Rose, Carol, 1943- , 松村, 一男, 1953-. 世界の妖精・妖怪事典. 原書房, 2003. (シリーズ・ファンタジー百科)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004312055-00 , ISBN 4562037121 -
ヨースタイン・ゴルデル 著 , 猪苗代英徳 訳 , Gaarder, Jostein, 1952- , 猪苗代, 英徳, 1952-. カエルの城. 日本放送出版協会, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002801950-00 , ISBN 4140803991 -
「ドワーフ」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)より参照
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%95)
-
キャロル・ローズ 著 , 松村一男 監訳 , Rose, Carol, 1943- , 松村, 一男, 1953-. 世界の妖精・妖怪事典. 原書房, 2003. (シリーズ・ファンタジー百科)
- キーワード
-
- 北欧
- 小人
- 妖精
- ドワーフ
- ドヴェルグ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
大阪府立中央図書館(2120005) レファレンス事例検索
「・「大工と鬼六」「ルンペルシュティルツヒェン」「トム・ティット・トット」のように
『人間が鬼や悪魔的な小人に頼みごとをし、その代償に命や子供、結婚を要求される』『しかし、鬼や小人の名前を当てることで、相手は負けを認めて逃げ出し、災難に合わずに済む』というお話があります。
1)上にあげた3つの例以外に、類似した内容の別の物語を読んでみたい。」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000142848
- 調査種別
- 文献紹介 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312235