レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20210905
- 登録日時
- 2021/09/05 09:42
- 更新日時
- 2021/09/30 18:40
- 管理番号
- 中央-郷-2021-0002
- 質問
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解決
1 広島陸軍幼年学校の所在地が知りたい
2 広島陸軍幼年学校の1学年の人数が知りたい。特に昭和3年(1928年)の卒業生の人数が知りたい。
- 回答
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1.資料①、②、③、⑥、⑦の記述から、明治30年(1897年)11月から昭和3年(1928年)までは広島城南側(広島市基町)に、昭和12年(1937年)3月からは広島城北側(広島市基町)に位置していたことが分かりました。
2.資料②~⑤の記述から、昭和3年(1928年)の卒業生の人数は、100人であることが分かりました。なお、そのうち50名は昭和2年(1927年)3月に廃校になった熊本陸軍幼年学校からの転入生です。その他の年の卒業生については、資料②、④、⑤に記載がありました。
- 回答プロセス
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1. 『広島県大百科事典』で「陸軍幼年学校」を確認したところ、以下の記事が見つかりました。
①『広島県大百科事典 下巻』中国新聞社広島県大百科事典刊行委員会事務局/編 中国新聞社 1982年
p.463「広島陸軍幼年学校」
「・・・広島陸軍幼年学校は1896年(明治29)陸軍地方幼年学校条例が制定された翌年の9月1日、市内の西練兵場にあった臨時帝国議会の議事堂を仮校舎として開校したのが始まり。同年11月には広島市基町の広島城南側に本校舎を新築、移転した。1928年(昭和3)軍縮のためいったん廃校になったが、1936年4月、旧校舎跡に生徒数150人で再び開校した。翌年3月には広島城北側の歩兵第71連隊跡に移転、生徒は各学年150人、3学年で450人になった。・・・」の記載がありました。
2. 自館所蔵資料を「陸軍幼年学校」のキーワードで検索したところ、以下の資料が見つかりました。
②『広島に広幼があった ―写真が語る広幼の今昔―』高崎 禎夫/編 広島広幼会 2009年
巻頭「広島陸軍幼年学校の関連年表」
昭和3(1928).3 広島陸軍幼年学校廃止 第29期生100名卒業
昭和11(1936).4.1 広島陸軍幼年学校復活 第40期生147名入校
昭和12(1937)3.13 新校舎に移転
p.2「広島陸軍幼年学校(昭和14年12月6日)」
航空写真に、「広幼新校」「広幼旧校跡」の記載がありました。
p.21「広島陸軍幼年学校 慰霊名簿・戦没者統計」
「旧校の部」「新校の部」と分け、それぞれ期、卒業者、戦没者、その百分率が表として記載されています。第29期生は卒業者100(入校50+熊幼転入校50)、戦没者14、その百分率14.0%と記載がありました。
③『陸士・陸幼』毎日出版企画社/編 毎日新聞社 1981年
p.75「広島陸軍幼年学校」
「所在地 広島市基町(1~29期) 広島市基町(40~49期)」
「広幼は鯉城をはさんで旧校が南、新校が北側にあった。学窓からはともに雄姿が見え記念写真からスナップまでその背景に天守閣が顔を出した(昭和12年)」の記載がありました。
p.83「大本営と凱旋碑を仰いで」丸田文雄(広幼29期)
4段目に「・・・共に入校した同期生五〇名・・・」の記載がありました。
④『鵬翼の賦 広島陸軍幼年学校第四十八期生文集』広島陸軍幼年学校第四十八期生文集刊行会/〔編〕 広島陸軍幼年学校第四十八期生文集刊行会 1997年
p.398~399「広島陸軍幼年学校年表」
入校人員と、卒業人員の記載があり、昭和3年(1928年)の卒業人員は100と記載がありました。
⑤『広島陸軍幼年学校記念帖』 〔広島陸軍幼年学校/編〕 〔広島陸軍幼年学校〕 1928年
p.4~5「其二、開校及卒業生概況」
昭和29年の入校人員の項目に「五〇 熊本ヨリ転校生徒五〇」の記載がありました。
ページ不明「第二十九期生」集合写真の掲載がありました。
3.戦前の広島の様子が分かるものとして、以下の資料を確認しました。
⑥『最新広島市街地図 1:12,000』駸々堂旅行案内部/〔編〕 駸々堂旅行案内部 1927年
広島城の南側に「地方幼年学校」の記載がありました。
⑦『広島原爆戦災誌 第2巻』広島市/編 広島市 1971年
p.160「(被爆前の)基町地区」(地図)
広島城の北側に「陸軍幼年学校」の記載がありました。
以下の資料では確認できませんでした。
・『H,K,D.広島陸軍幼年学校』広島陸軍幼年学校四五期生/〔編〕 〔広島陸軍幼年学校四五期生〕 19--
・『山本校長追悼録』広島陸軍幼年学校高等官集会所/〔編〕 広島陸軍幼年学校高等官集会所 1941年
・『肇国 第2号原稿集』肇国会/〔編〕 肇国会 1980年
・『親爺』広幼44期同期生会/編 広幼44期同期生会 1980年
・『行啓記念帖』広島陸軍幼年学校/編 広島陸軍幼年学校 1926年
- 事前調査事項
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『聚光 : ひたすらに歩みし日々 山下豊追想集』山下則子 1990年
※当館に所蔵がないため、内容の確認はできませんでした。
- NDC
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- 国防.軍事 (39 9版)
- 参考資料
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中国新聞社/編集 , 中国新聞社. 広島県大百科事典 下巻. 中国新聞社, 1982.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005713812-00 -
高崎禎夫 編 , 高崎, 禎夫. 広島に広幼があった ―写真が語る広幼の今昔―. 広島広幼会, 2009.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I082047844-00 -
陸士・陸幼. 毎日新聞社, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001537526-00 -
広島陸軍幼年学校第四十八期生文集刊行会〔編〕 , 広島陸軍幼年学校第四十八期生文集刊行会〔編〕. 鵬翼の賦 : 広島陸軍幼年学校第四十八期生文集. 広島陸軍幼年学校第四十八期生文集刊行会, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I081769594-00 -
〔広島陸軍幼年学校編〕 , 〔広島陸軍幼年学校, 編〕. 広島陸軍幼年学校記念帖. 〔広島陸軍幼年学校〕, 1928.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I081698284-00 -
駸々堂旅行案内部〔編〕 , 駸々堂旅行案内部〔編〕. 最新広島市街地図 1:12,000. 駸々堂旅行案内部, 1927.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I081977685-00 -
広島市/編 , 広島市. 広島原爆戦災誌 第2巻. 広島市, 1971.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I020082601-00
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中国新聞社/編集 , 中国新聞社. 広島県大百科事典 下巻. 中国新聞社, 1982.
- キーワード
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- 広島陸軍幼年学校
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000304279