レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年01月27日
- 登録日時
- 2015/06/06 13:20
- 更新日時
- 2015/06/06 13:20
- 管理番号
- 相橋-H27-031
- 質問
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解決
相模原市緑区にある香福寺境内にある秋葉大権現(石碑)は、いつ頃に建てられたものなのかを知りたい。
- 回答
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香福寺境内の権現碑の造立年について、①の資料には天和5(1767)年に建てられた旨の記述があり、②の資料には明和5(1768)年に建てられた旨の記述があることを伝えた。
ただし、実際の年号と照らし合わせると、①の資料にある「天和5(1767)年」という年の存在は確認できず、内容に矛盾がある旨を伝えた。
参考として、①~③の資料を案内した。
- 回答プロセス
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プロセス.A 相模原市緑区にある香福寺境内にある秋葉大権現碑の造立時期を調べる。
調べものコーナーの次の資料を見た。
①『橋本の昔話』 加藤重夫/編著 ぎょうせい 1985 (自館請求記号:K1-20)
p13の「秋葉講」の項目に、橋本上宿香福寺入口右側に秋葉大権現碑があり、またその権現碑の右側に「天和五年戊子歳」と刻まれている旨の記述がある。
②『相模原市史 民俗編』 相模原市総務局総務課市史編さん室/編 相模原市総務局総務課市史編さん室 2010 (自館請求記号:K1-21)
p401-402の「秋葉塔」の項目に「造立年のわかる秋葉塔をみてゆくと、十八世紀に造立されたものは、角柱塔三基、秋葉灯篭が五基である。もっとも古い秋葉塔は、橋本の香福寺にある明和五年(一七六八)の櫛形角柱塔で、全面に「秋葉大権現」と彫られている(以下略)」とある。
プロセス.B 年号「天和5年」及び「明和5年」について調べる。
資料①と②で記述が異なり、①の資料では「天和五年戊子歳」、②の資料では「明和五年(1768)」とある。
年号を確認するために、次の資料を見た。
『江戸幕末・和洋暦換算事典』 釣洋一/著 新人物往来社 2004 (自館請求記号:R449)
p110に「「天和4年・貞享元年(甲子) 354日・西暦1684年閨」」の項目がある。また、「■天和4年は2月20日(1684・4・4)まで■貞享元年は2月21日(1684・4・5)より」とある。従って、この資料の記述が正しいとすると、①の資料に記述のある「天和五年戊子歳」は存在しないことになる。
p195に「明和5年(戊子) 355・西暦1768年閨」の項目があり、この年の和洋暦対照表が載っている。和暦と西暦を確認するが、②の資料にあった記述「明和五年(1768)」と矛盾はない。
オンラインデータベース ジャパンナレッジ Lib(http://japanknowledge.com/library/ 2015/04/18 最終確認)でキーワード“天和”や“明和”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“天和”
江戸前期、霊元天皇の時の年号。1681年9月29日〜1684年2月21日。
"てんな【天和】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2015-04-18)
“明和”
江戸中期、後桜町天皇・後桃園天皇の時の年号。1764年6月2日〜1772年11月16日。
"めいわ【明和】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2015-04-18)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210)
- 参考資料
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- 『相模原市史 民俗編』 相模原市総務局総務課市史編さん室/編 相模原市総務局総務課市史編さん室 2010
- キーワード
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- 秋葉信仰
- 秋葉講
- 香福寺
- 秋葉権現
- 秋葉大権現
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 興福寺 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000175500