レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/03/02 18:16
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2022-事例12
- 質問
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解決
「ナミノハナ」という言葉をなぜ「波の花」と表現するのか。
花とはどんな花なのか。死の忌み言葉という意味もあるようだがどうしてか。
- 回答
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「ナミノハナ」とは、波が白く泡立つのを花にたとえていう語、また食塩のことである。
『大言海 新編版』に「波ノ、岩、濱、ナドニ碎ケテ白ク散ルヲ、花ニ譬ヘテ云フ語。」とあり、比喩表現と思われる。
忌み言葉については、『新修隠語大辞典』に「塩」の「シ」が「死」に通じ忌むため、また、「しおれる」に通じて縁起が悪いため「浪の花」と表現するとの記述があった。花柳用語と記載のある辞典もある。
なお、夜間の忌み言葉としても塩を「ナミノハナ」と呼ぶ。『世界大百科事典』に、「夜間に塩の名を口にするときには<波の花>といい換えるのは、ヤマイヌとかオオカミなど危険な動物に気づかれぬよう心をくばった古代の人々の習慣のなごり」との記載がある。
また、『日本常民生活資料叢書 第四巻 水産篇(3)』では、塩が夜間において取り扱いが好まれていなかったのは、暗がりの中枡量りの取り扱いが不便だったのではないかとされている。
- 回答プロセス
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「ナミノハナ」を各国語辞典や『たべもの語源考』、『たべもの語源辞典』などの語源辞典で調べたところ、『大言海』と同様の記述が多かった。資料によって、ナミの表記が「波」「浪」と異なるものもあった。また、由来を調べるのに、塩に関する民俗の辺りを調査した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 製塩.塩業 (669)
- 衣食住の習俗 (383)
- 参考資料
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- 『大言海 新編版』 大槻 文彦/著 富山房 1982 年
- 『日本国語大辞典 第10 巻 第二版』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2004 年
- 『塩 ものと人間の文化史7』 平島 裕正/著 法政大学出版局 1978 年
- 『たべもの語源考』 平野 雅章/著 雄山閣 1985 年
- 『世界大百科事典 13』 平凡社 2007 年
- キーワード
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- ナミノハナ
- 食塩
- 忌み言葉
- 語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312956