レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年06月21日
- 登録日時
- 2021/12/27 00:30
- 更新日時
- 2022/12/13 00:30
- 管理番号
- 1C21007330
- 質問
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解決
『街能噂』巻之四には、挿絵《大阪舩■之図》(■は魚偏に叉)がありますが、この「魚偏に叉」はなんと読むのでしょうか。
- 回答
-
お問い合わせの漢字について、読みに関連する記述のある資料を以下にご紹介します。
(1) 『大阪の民具・民俗志』(小谷 方明/著 文化出版局 1982.9)
「第二章 民具研究の方法と今後の課題 四、古書にみる日本の民具 (2)江戸の民具と大阪の民具-『街の噂』」のp.131「大阪の船■[注:魚偏に叉]の図(図II~41)」の当該漢字には「いけす」とルビがふられています。
(2) 『日本国語大辞典 :第2版 第1巻 あ-いろこ』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2000.12)
p.898「いけす 生簀」の項の「表記」の一つとして、魚偏に又の字があります。
出典資料は「書」とあり、凡例p.14によると「和漢音釈書言字考合類大節用集〔中田祝夫・小林祥次郎著「書言字考節用集研究並びに索引―影印編・索引編」による〕」です。
なお、上記(2)の出典資料『和漢音釈書言字考合類大節用集』は、以下のサイトで見ることができます。
(3) 新日本古典籍総合データベース『和漢音釋書言字考合類大節用集』(村上 又三郎、村上 勘兵衞 享保2)
https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100260816/viewer/8 (2022.11.15確認)
8コマ目、左側のページに魚偏に又の字が確認できます。
- 回答プロセス
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1.国字字典、漢和辞典類を確認するが有用情報なし。
2.質問者の見たという挿絵を確認する。当館所蔵検索をフリーワード“街能噂”で検索するが、巻之四は所蔵なし。
3.「国立国会図書館サーチ」をキーワード“街能噂”で検索、『浪速叢書 第14』に収録されていることを確認。p.102-103当該挿絵の本文に「舩生洲」とあるのを手掛かりに、「Googleブックス」をキーワード“舩生洲 大阪”で検索し、資料(1)が見つかる。
4.異体字字典類を確認するが有用情報なし。
5.商用データベース「JapanKnowledge」を見出しキーワード“いけす”で検索、資料(2)が見つかる。
6.資料(2)の出典資料を確認。「日本古典籍総合目録データベース」( https://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/ )を「全項目」“和漢音釈書言字考合類大節用集”で検索すると、「合類大節用集」がヒット。資料(2)が参照しているのが享保二年版本の見出しなので、イメージデータを閲覧できるもののうち、該当する年のものより、資料(3)を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0070056455> 大阪の民具・民俗志 小谷 方明/著 文化出版局 1982.9 資料(1)
- 当館書誌ID <0000838752> 日本国語大辞典 :第2版 第1巻 あ-いろこ 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2000.12 9784095210018 資料(2)
- 新日本古典籍総合データベース『和漢音釋書言字考合類大節用集』(村上 又三郎、村上 勘兵衞 享保2) https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100260816/viewer/8 (2022.11.15確認) 資料(3)
- キーワード
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- いけす
- 船生洲
- 舩生洲
- 街能噂
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000309653