レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20230402
- 登録日時
- 2023/11/03 00:30
- 更新日時
- 2023/11/15 09:13
- 管理番号
- 30002272
- 質問
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未解決
次の二人が札幌農学校に入学するまでの学習履歴について調査しています。
(1)桑名藩士柳本通徳 長男、 安政4年生の柳本通義について、父である柳本通徳、及び師である志田の名の掲載のある分限帳、城下屋敷割などはありますか?また、立教館、紫山義塾(桑名義塾?)に関する史料はありますか?
(2)鳥羽藩士藤田龍蔵(藩校尚志館句読師)三男、安政5年生の藤田九三郎(幼名:安之助→可也)について、父である藤田龍蔵の名の掲載のある分限帳、城下屋敷割などはありますか?また、尚志館のほか藤田の通った可能性のある鳥羽城下の私塾に関する史料はありますか?
- 回答
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①当館が所蔵する桑名藩の分限帳等に、「柳本通徳」「志田羊右衛門」の名前は確認できませんでした。
なお、以下<調査した資料>中の『桑名藩史料集成』「安政二年無格分限帳」に「志田羊左衛門」とありましたが、翻刻のミスなのか別人なのかは分かりませんでした。
<調査した資料>
・『桑名藩分限帳』桑名市教育委員会/編纂・発行 1989
・『桑名市博物館紀要 第2号』桑名市博物館 1988 「移封家臣名簿」
・『三重県史 資料編近世2』三重県/編集・発行 2003 「文政五年桑名藩分限帳」
・『桑名藩史料集成』桑名市教育委員会/編集・発行 1990 「本の籬」「安政二年無格分限帳」「文久元年御家中分限帳」
・『桑名郡人物志』桑名郡教育会/編・発行 1921
・『三百藩家臣人名事典 4』家臣人名事典編纂委員会/編 新人物往来社 1988
・『桑名人物事典』伊藤 信夫/編 三重県郷土資料刊行会 1971
②立教館に関する史料は『立教館令条』(桑名藩学館 明治三庚午年)があります。
その他、『桑名市史 本編』(近藤 杢/編,平岡 潤/校補 桑名市教育委員会 1987)のp.492~p.503の「立教館」の項目に、史料から抜粋された「立教館令条」や「立教館全図」、「立教館蔵板書」などが掲載されています。
『三重県教育史 第1巻』(三重県総合教育センター/編集・発行 1980)のp.92~p.135「第二節 藩校の教育」にも、「立教館令条」や「立教館童蒙訓」など、立教館の史料が散見されます。
国会デジタルコレクションからご確認いただける『日本教育史資料〔1〕 諸藩の部 畿内,東海道,東山道』(文部省 編・発行 明治23-25)(https://dl.ndl.go.jp/pid/809554)でもp.89~97において「立教館令条」や「立教館童蒙訓」など、立教館に関する史料がご確認いただけます。
また、『桑名市史 本編』『三重県教育史 第1巻』『日本教育史資料〔8〕 雑纂,私塾寺小屋表 上』(文部省/編・発行 明23-25)などを確認しましたが、紫山義塾や桑名義塾という名前は発見できませんでした。
桑名義塾が編集した史料、『鎮国・守国両神公御遺事』(桑名義塾 編 岩尾惇忠 明27)(https://dl.ndl.go.jp/pid/782018)は国立国会デジタルコレクションでご覧いただけます。
③以下の資料に「藤田龍蔵」の名前が確認できました。
『鳥羽市史 上巻』鳥羽市史編さん室/編纂 鳥羽市役所 1991
p.1000-1048「志州鳥羽藩禄高控付明細帳(安政四年)」のp.1011上段および、
p.1049-1068「御家中分限帳(元治元年)」のp.1056下段にありました。
『鳥羽商船高等専門学校紀要 第16号』鳥羽商船高等専門学校 1994
p.79-88「鳥羽藩の教育 鳥羽藩出身の先賢4」の中に「藤田四郎」の項目(p.87,88)があり、そこに「父龍蔵は文政元年6月の生れで」や「兄藤田九二は、藩の公費遊学生に選抜され」など父と兄あわせて4行のみですが簡単な解説とともに名前が書かれています。
④尚志館については以下の資料に記載がありました。
『鳥羽市史 下巻』鳥羽市史編さん室/編纂 鳥羽市役所 1991
p.130-134に、尚志館の教育内容や文武修行の状況などの史料が掲載されています。
また、p.134-138に版籍奉還から学生発布までの尚志館の動向に関する史料が掲載されています。私塾に関する記載はありませんでした。
『鳥羽商船高等専門学校紀要 第14号』鳥羽商船高等専門学校 1992
p.85-94「鳥羽藩の教育 藩校「尚志館」について1」において、史料に関しては分限帳の抜粋のみ掲載されており、開設について、教育の特徴について、沿革要略などがまとめられた論文となります。
p.95-104「鳥羽藩の教育 藩校「尚志館」について2」において、明治元年から5年までの鳥羽藩政および尚志館に関する史料および沿革が掲載されています。
『三重県教育史 第1巻』三重県総合教育センター/編集 三重県教育委員会 1980
p.130「課業の内容」の項目に鳥羽藩尚志館に関する史料の抜粋があります。
p.255「鳥羽藩尚志館」の明治二年以降について史料とともに簡単に掲載されています。
『日本教育史資料〔1〕 諸藩の部 畿内,東海道,東山道』文部省 編・発行 明治23-25
(国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/809554)
p.122-128 鳥羽藩の学校について(明治元年以降)の史料等が掲載されています。
『日本教育史史料〔4〕 諸藩の部 参照,学士小伝 上』文部省 編・発行 明治23-25
(国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/809557)
p.53,54「旧鳥羽藩 旧藩主取調」として学制について掲載されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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(1)
自伝では、桑名では志田羊右衛門より漢籍習字を習い、藩校立教館に学び、紫山義塾(桑名義塾?)にて英学を学んだようです。
(2)
弟の四郎は農商務省事務次官、台湾精糖社長です。鳥羽では尚志館に学び、近藤真琴が上京の際、英学の教授を代行、後、藩費にて大阪開成所に入学しましたが、廃藩置県により帰国、というのが現在わかっていることです。
柳本については自伝,藤田については新渡戸の小伝を参考にしています。
- NDC
- 参考資料
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- 立教舘令条 全 桑名藩学館 明治三庚午年
- 桑名市史 本編 近藤 杢/編 桑名市教育委員会 1987
- 三重県教育史 第1巻 三重県総合教育センター/編集 三重県教育委員会 1980
- 鳥羽市史 上巻 鳥羽市史編さん室/編纂 鳥羽市役所 1991.3
- 鳥羽市史 下巻 鳥羽市史編さん室/編纂 鳥羽市役所 1991.3
- 鳥羽商船高等専門学校紀要 第14号 鳥羽商船高等専門学校 1992
- 鳥羽商船高等専門学校紀要 第16号 鳥羽商船高等専門学校 1994
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000340504