レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/01/10
- 登録日時
- 2024/03/01 00:30
- 更新日時
- 2024/03/01 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230223
- 質問
-
解決
仙台市泉区山の寺にある洞雲寺に関する伝説に、普美という女性と、竹阿という人物が登場するものがあるが、「竹阿」の性別について知りたい。
- 回答
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1 下記資料に関連の記述があります。いずれの資料も登場人物名は「普美子」「竹阿」となっていますが、「竹阿」の性別については、「男」とするものと、記載がないものとがありました。「普美子」「竹阿」が登場する部分を引用します。(原文に返り点がある場合には省略しました。)
資料1 『仙台叢書』第13巻, 復刻版. 宝文堂出版販売, 1972年【K081/セ1-2/13】
pp.359-363 「仙台金石志」のうち、巻之十四「重興洞雲寺碑」の項
p.359 「(前略)其後當天長之際。近邑有富人勘新太者。其妻曰普美子。美而艶矣。時圓通寺有童男竹阿者。亦榮于色。(後略)」
資料2 田辺希文編 ; 鈴木省三校『封内風土記』第1巻, 宝文堂出版販売, 1975年【K290.1/ホ1/1】
pp.124-134 「七北田邑」のうち、「龍門山洞雲寺」の項
p.126 「(前略)淳和帝。天長中。寺邊有富民。其名曰勘新太。土人稱之長者。其妻曰普美子。容色踰人。寺有美童。曰竹阿。(後略)」
資料3 「龍門山洞雲寺傳 封内風土記巻之三宮城郡七北田邑の部(原文漢文)」『仙台郷土研究』14巻6号, pp.10-15, 仙台郷土研究会, 1944年【PK201/セ】
※『仙台郷土研究』第6巻, 復刻版. 宝文堂, 1980年【PK201/セ】に収録されています。
「(前略)淳和帝の天長中、寺邊に富民有りて其の名を勘新太と曰ひ、土人これを長者と稱せり。其の妻を普美子と曰ひ、容色人に踰ぐ。寺に美童ありて竹阿と曰ふ。(後略)」 ※資料2の内容を読み下したもののようです。
資料4 宮城県史編纂委員会編『宮城県史』21, 宮城県史刊行会, 1973年【K201/ミ1/21】
p.311 「伝説」-「祠堂の部」のうち、「山ノ寺洞雲寺」の項
「(前略)天長年中、村の長者勘新太の妻普美子が寺の美童竹阿に懸想し、思い叶わず大蛇となって村も寺も灰とし、竹阿も寺の池に入って大蛇と化し、雌雄とも門前の川に潜んで旅人を害した。(後略)」
資料5 富田広重著『宮城県の伝説』歴史図書社, 1979年【K388/ト1-3】
※上記資料は富田広重著『滅び行く伝説口碑を索ねて』第1輯, 富田文庫, 1926年【K388/ト1/1】の改題復刻版です。
pp.176-180 「山の寺物語」
「(前略)その頃佐賀野寺に竹阿と呼ぶ女にでもして見まほしい程に優しく美しい稚兒がゐた。(中略)土地の長者に勘新太といふ男があつた。その女房の普美といふ女は、これも鄙には惜しい美人であつたが、人妻の身を忘れて竹阿に戀してゐた。(後略)」
資料6 泉市誌編纂委員会編『泉市誌』下巻, 泉市, 1986年【K225.5/イ1/2】
pp.367-370 「第十九章 文化」-「第一節 金石志」-「十四、碑銘」のうち、「4 重興洞雲寺碑」の項
※資料1に収録されているものと同じ碑文です。
pp.826-828 「第二十章 民俗」-「第十二節 伝説」-「六、仏」のうち、「4 山の寺(七北田山の寺)」の項
「(前略)天長年間寺近くに富民がいて名を勘新太といって、土地では長者といった。その長者の妻を普美子といい容色人に優れた。寺に竹阿という美童がいて互いに愛し合うようになったが、(後略)」
資料7 島貫裕著 ; 今野進編『古刹山の寺洞雲寺の歴史』今野進, 2017年【K188/シヒ2017.Z】
p.15 「(前略)淳和帝〈じゅんわてい〉の天長〈てんちょう〉年中(天長は元年から十四年まで)のこと、この山の寺近くに、勘新太〈かんしんた〉と云う長者が住んでいて、その妻は普美子といい、非常に美しい女性であった。そして寺には竹阿〈たけくま〉と云う、これまた美童がいて、(後略)」 ※〈 〉内はふりがなです。
2 また、洞雲寺に関する説話が題材となっている民話として下記がありましたので、参考までにお知らせします。
資料8 及川儀右衛門編『みちのくの長者たち』(日本の民話 ; 別巻2), 未来社, 1976年【388.1/ミ1】
pp.60-62 「勘新太長者」の項
「(前略)寺の近くに勘新太という長者があった。(中略)新太の妻はフミ女といい、(中略)ある日、フミ女は夫についてお寺参りをしたが、その頃お寺に来てから間もない竹阿という若い美僧にお茶をくんでもらって、(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- . 仙台叢書 第13巻 復刻版. 宝文堂出版販売, 1972.8【K081/セ1-2/13】:
- 田辺 希文/編 鈴木/省三∥校. 封内風土記 第1巻. 宝文堂出版販売, 1975.11【K290.1/ホ1/1】:
- 仙臺郷土研究会. 仙臺郷土研究 復刻版. 仙台郷土研究会, 【PK201/セ】:
- 宮城県史編纂委員会/編. 宮城県史 21. 宮城県史刊行会, 1973【K201/ミ1/21】:
- 富田 広重/著. 宮城県の伝説. 歴史図書社, 1979【K388/ト1-3】:
- 泉市誌編纂委員会/編. 泉市誌 下巻. 泉市, 1986【K225.5/イ1/2】:
- 島貫裕/著 今野進/編. 古刹山の寺洞雲寺の歴史. 今野進, 2017.12【K188/シヒ2017.Z】:
- 及川 儀右衛門/編. みちのくの長者たち. 未来社, 1976【388.1/ミ1】:
- キーワード
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- 伝説 -- 宮城県 -- 仙台市
- 普美子(フミコ)
- 竹阿(チクア)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000346753