レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/01
- 登録日時
- 2023/03/09 00:31
- 更新日時
- 2023/03/09 00:31
- 管理番号
- 6001059846
- 質問
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解決
真社会性とは何か知りたい。また虫の仲間以外で真社会性の生態をもった生き物がいれば、その生き物について解説した資料を見たい
- 回答
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真社会性がどういうものかについて、以下の資料に解説があった。
・『オックスフォード生物学辞典』(Robert S.Hine Elizabeth Martin/編 大島泰郎/監訳 朝倉書店 2014.6)
p.237「真社会性の eusocial」
「社会性のアリ、シロアリ、カリバチ、ハチなど(→ 膜翅類)の最も発達したとされる動物社会を示す。たいてい、高度な分業と協力が行われ、餌集め、防御、養育などの特定の仕事を行う階紙が存在する。繁殖は生殖力をもつ個体たちのなかのエリート個体が担当し、不妊の労働者がその支援をする。さらに、一つのコロニーのなかで世代が重なることでコロニーは何年も維持され続ける。いくつかの脊椎動物は同じようなレベルの真社会性をもつ。例えばハダカデバネズミはカースト制があり、生殖機能のない成熟ネズミは、餌を探すか、巣穴を守るか、ただ周りのネズミを暖めるために存在する。」
真社会性の定義については以下の資料に記述があった。
・『生態学事典』(日本生態学会/編集 共立出版 2003.6)
p.223-224「社会性の進化 social evolution」
「この「真社会性」なる用語を最初に使ったのはハチの研究者のバトラ(Batra, 1996)であり、「真社会性」とは「巣を創設した親が、彼女の成長した娘たちとともに労働の分化を有しながら、ともに生活している状態である」とした」(p.223)
「その後、ミッチナー(Michener ,1969)が、ハチ目(膜翅類)のハナバチ類の社会性を広範に比較した総説の中で、「真社会性」とは次の3つの性質をもったものと定義した
(1)同種の複数個体が共同して子供を育てる。
(2)繁殖のみを行う個体(カーストもしくはカスト、階級ともいう。 caste)と、繁殖を行わない固体(カースト)がいる。
(3)親世代成虫と子供世代成虫が共存している。」(p.223)
次の資料では、具体的に生物の例をあげて真社会性について解説している。
・『動物の社会:社会生物学・行動生態学入門 新版』(伊藤嘉昭/著 東海大学出版会 2006.8)
p.1-31「社会性昆虫:ハチ・アリとシロアリの社会」, p.33-51「ハチ・アリとシロアリ以外の節足動物の社会」
『オックスフォード生物学辞典』に名前の挙がっていた、ハダカデバネズミについて以下の資料で解説していた。
・『ハダカデバネズミのひみつ』(岡ノ谷一夫/監修 エクスナレッジ 2020.8)
・『ハダカデバネズミ:女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 151)』(吉田重人/著 岡ノ谷一夫/著 岩波書店 2008.11)
[事例作成日:2023年2月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 生態学 (468 10版)
- 一般動物学 (481 10版)
- 参考資料
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- オックスフォード生物学辞典 Robert S.Hine‖編 朝倉書店 2014.6 (237)
- 生態学事典 日本生態学会∥編集 共立出版 2003.6 (223)
- 動物の社会 新版 伊藤/嘉昭∥著 東海大学出版会 2006.8 (1-31,33-51)
- ハダカデバネズミのひみつ 岡ノ谷/一夫‖監修 エクスナレッジ 2020.8
- ハダカデバネズミ 吉田/重人∥著 岩波書店 2008.11
- キーワード
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- 真社会性(シンシャカイセイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330019