レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/11/25
- 登録日時
- 2022/02/25 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M21112515315099
- 質問
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鉄の構造が熱によって並び変わると聞いたが、何度でどのように変化するのか。
- 回答
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①『よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み 第3版』
p.28-29<9. 鋼鉄材料の変態とは>に、「鉄は、常温では体心立方格子(α-Fe)という結晶構造の固溶体です。これを加熱していくと、910℃で突然、面心立方格子(γ-Fe)という結晶構造の固溶体に変わります。」「さらに温度を上げていくと、1400℃で元の体心立方格子に戻ります(δ-Fe)。さらに加熱すると1538℃で溶融状態、つまり溶けてしまいます。」と書かれている。P.29には体心立方格子と面心立方格子の結晶構造が図示されている。
②『鉄鋼の組織制御 その原理と方法』
p.38 図3.1<純Feの同素変態, およびγ-Feとα-Feの結晶構造.>に、純Feの低温から溶融状態までに見られる変態点と相の種類が図にまとまっている。この図によると、α-Fe(フェライト)からγ-Fe(オーステナイト)に変化するのは911℃、γ-Feからδ-Feに変化するのは1392℃、δ-Feから液体に変化する融点は1536℃である。また、γ-Fe(オーステナイト)の面心立方格子(fcc)から膨張してα-Fe(フェライト)の体心立方格子になる変態が図示されている。膨張については、p.37で「FeのA?点でのγ(fcc)→α(bcc)変態は、密な構造から粗な構造へ変化する変態であり、冷却時の変態で膨張を伴う異常な相変態といえる。A?点で約1.0%の体積膨張が起こる。」と解説されている。
③『固体化学 第2版』
p.56-57 鉄の結晶について、「温度に応じて構造が変化し、α鉄、γ鉄、δ鉄と呼ばれる相が各温度領域で存在する。」とあり、図2・5<鉄の多形と結晶構造の温度による変化>と図2・6<α鉄とγ鉄における炭素の固溶>によって変化する温度と結晶構造の形が図示されている。
④『トコトンやさしい熱処理の本』
p34-35 <11.金属の結晶構造と変態>に、「金属はそれぞれ固有の結晶格子を持っています。」「なかでも代表的な構造は、面心立方格子、体心立方格子、稠密六方格子です。」とあり、Feが結晶格子と変態の例に挙げられ、図を交えて説明されている。
⑤『最新熱処理のしくみと技術』
p.18-19 <4.純鉄の温度と構造>に昇温にともなう構造変化と体心立方構造、面心立方構造についての解説と図が掲載されている。
また膨張・収縮の関係を図示したものがある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 物理化学.理論化学 (431 9版)
- 参考資料
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①山方三郎『よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み 第3版』 秀和システム,2016,238p. 参照はp.28-29.
②牧正志『鉄鋼の組織制御 その原理と方法』 内田老鶴圃,2015,300p. 参照はp.37-38.
③田中勝久『固体化学 第2版』 東京化学同人,2019,340p. 参照はp.56-57.
④坂本卓『トコトンやさしい熱処理の本』 日刊工業新聞社,2005,155p. 参照はp.34-35.
⑤仁平宣弘『最新熱処理のしくみと技術』 ナツメ社,2017,223p. 参照はp.18-19.
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①山方三郎『よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み 第3版』 秀和システム,2016,238p. 参照はp.28-29.
- キーワード
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- 金属加工
- 熱処理
- 変態
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2021112515381915099
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000312532