レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024年02月08日
- 登録日時
- 2024/03/30 17:35
- 更新日時
- 2024/04/11 22:06
- 管理番号
- 県立長野-23-210
- 質問
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解決
下伊那郡天龍村長島の歴史や民俗が書かれている資料はあるか。
- 回答
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すべての資料を紹介することはできないので、レファレンス協同データベース調べ方マニュアルに公開している県立長野図書館 (2110021)「長野県内の地域史の調べ方について」を補足する形で、資料の探し方を案内する。[この事例でのすべてのリンク先について最終確認2024.4.8]
『信州ふるさと変遷史』長野県図書館協会編 2006 一草舎【215.2/ナガ】の下伊那郡に、天龍村の変遷が樹形図で示されている。長沼村が長沼村と松島村に分村し、その後再度合併して長沼松島村になる。さらに、明治8年に福島、坂部、向方の3村と合併し神原村となった。神原村は明治16年に、神原村と長島村に分村。明治22年の平岡村との合併で平岡村、昭和31年に神原村合併し天龍村となっている。旧村の名称で検索する方法もある。
また、当館が運営する「信州ナレッジスクエア」から神原村の明治初期の村絵図見ることができる。
明治初期の当県内の町村の様子をまとめたものに『長野県町村誌 第3巻』長野県編 名著出版 1973(長野県町村誌刊行会 1936刊 の復刻)【N290/33a/3】がある。この資料で「神原村」を見ることができる。国立国会図書館デジタルコレクションで送信サービス公開している。長野県図書館機構のサイトの「『長野県町村誌』と明治初期の村絵図・地図」でも「神原村」をインターネット公開している。長野県内の歴史や民俗をまとめた資料に『長野県史』長野県編 長野県史刊行会 がある。通史編、近世史料編、近代史料編、民俗編、考古資料編、美術建築資料編、方言編で構成されている。近世史料編では、各領地別に内容ごとに、編年体で史料を列挙している。近代史料編では、内容ごとに、編年体で史料を列挙している。民俗編の調査対象地域は、天龍村は坂部、小沢で、長島は含まれていない。
江戸時代よりも古い史料を編年体でまとめたものに、『信濃史料』全28巻・補巻上下・索引 信濃史料刊行会編・刊【N208/28a】がある。この資料は、上記で紹介した国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービス)で公開している。国立国会図書館デジタルコレクションの検索サイトで、各村名「長沼村」「松島村」「長沼松島村」「神原村」「平岡村」「天龍村」等で検索すると、全文検索によって、この語を含む資料がヒットする。左側の「NDC分類」の「215 中部地方」にチェックを入れると、ある程度地域を絞ることができる。ヒットした資料から長野県関係のものと思われるものを確認していくことで、歴史、地誌的なことが調べられる。
同じように左側の「NDC分類」の「388 伝説、民話(昔話)」などにチェックを入れることで、内容を絞ることができる。ヒットした資料から長野県関係のものと思われるものを確認していく手順となる。<天龍村周辺の歴史に関する資料>
当館蔵書を検索した結果、当該地域に関するものはヒットしなかった。当該地域単独の資料、論文タイトルに含まれるものは確認できない。下伊那郡域の歴史をまとめたもので、目次からは当該地域について特に取り出した項目は確認できないが、それぞれ、当時の名称での記載がある可能性がある。
・『下伊那史 第1巻 考古編』 下伊那教育会編 下伊那誌編纂會 1991【N243/18/1】
・『下伊那史 第2巻 原始時代上』市村咸人編 下伊那誌編纂会 1955【N243/18/2】
・『下伊那史 第3巻 原始時代下』市村咸人編 下伊那誌編纂会 1955【N243/18/3】
上記3冊に索引はない。目次から地域としての「長島」「長沼」「松島」は確認できなかった。
・『下伊那史 第4巻 原始・古代』市村咸人編 下伊那誌編纂会 1961【N243/18/4】
索引がある資料だが、「長島」「長沼」「松島」(上伊那郡松島の松島氏が1ヶ所あるのみ)で、関係地域は確認で
きない。
・『下伊那史 第5巻 鎌倉時代』市村咸人編 下伊那誌編纂会 1967【N243/18/5】
索引がある資料だが、「長島」「長沼」「松島」で、関係地域は確認できない。
・『下伊那史 第6巻 鎌倉時代』市村咸人編 下伊那誌編纂会 1970【N243/18/6】
索引がある資料だが、「長島」「長沼」「松島」で、関係地域は確認できない。
・『下伊那史 第7巻 安土・桃山・江戸初期』下伊那郡教育会編 下伊那誌編纂会 1980【N243/18/7】
索引がある資料で、p.471に「正保2年青表紙」によると「長沼松島」村は知久預りになっているとあり、村上氏か
ら知久氏が引き継いだ、と記されている。「長島」「長沼」「松島」では、地名としての関係地域は確認できない。
・『下伊那史 第8巻 江戸中期,後期』下伊那郡教育会編 下伊那誌編纂会 2006【N243/18/8】
索引はない。目次から地域としての「長島」「長沼」「松島」は確認できない。
・『調査・朝鮮人強制労働3』 竹内康人著 社会評論社 2014【N366/335/3】
p.13-52に平岡ダム工事等にかかわる強制労働についてまとめられたものが所収されている。工事の関係個
所は、長島とは少し離れているが参考になる。
・『長野県における中国人俘虜殉難の事情と慰霊実行の中間報告』(前掲)
平岡ダムについての記載がある。
・『わがムラの石造文化財1』南信州文化財の会編 南信州新聞社出版局 2016【N714/98/1】
天龍村ではp.337-341に、お万様の墓(神原)と犬養毅揮毫の折立長老碑(平岡)の2件が記載されているが、
長島とは離れた地域となる。
- 回答プロセス
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1 当館蔵書を「長島」で検索しても、当該地域に関するものはヒットしない。また、近隣の「長沼」で検索すると、ほとんど長野市長沼に関するもの。「松島」は、上伊那郡箕輪町の松島に関するものが主にヒットし、当該地域の資料は探せない。単独の資料、論文タイトルに含まれるものはないため、下伊那地域を扱うものの中に記述がある程度と思われる。
<調査資料>
・『わがムラの石造文化財2』南信州文化財の会編 南信州新聞社出版局 2020【N714/98/2】
記載なし
・『下伊那郡誌資料』全3巻
下伊那郡役所編 歴史図書 1977(下伊那郡役所刊の復刻)【N243/2】
・『下伊那地方の村落の変遷と町村合併』平沢清人著 伊那史学会 1964【N243/30】
・『天龍村指定史跡・文化財』 天竜村教育委員会[編]・刊 2014【N243/297】
・『ボクがくらしている村』天龍未来塾【N243/237】
・『まぼろしの天龍美術館』【706.9/テン】
・本島和人著「松島自由移民送出と下伊那郡町村長会」『飯田市歴史研究所年報』第15号(2017.10)
・「天龍村の自然・歴史・文化と地名を尋ねて」『伊那谷地名研究会通信』第57号(2016.1)
- 事前調査事項
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『天龍村史 下巻』天龍村誌編纂委員会編 天龍村 2000【N243/204/2】
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 下伊那郡天龍村
- 長沼村
- 松島村
- 長沼松島村
- 神原村
- 平岡村
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000348376