レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年01月14日
- 登録日時
- 2021/03/17 16:00
- 更新日時
- 2021/03/17 18:07
- 管理番号
- 0000110893
- 質問
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解決
光市の伊保木(いよき)皿山窯について書かれている資料はないか。
- 回答
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下記資料1に、「中世~近世の窯業遺跡」の一覧表があり、72番に「伊保木皿山窯」の項がある。出典として、資料2が挙げられている。
資料2に、「伊保木皿山の焼物」として以下の記述がある。
「宝暦年間(一七五五)頃(推定)、東伊保木中村の丘に陶器、瓦の焼竃があった。この地名を皿山という。(元伊保木小学校邸(引用者注:庭か)西側・昭和二十五年頃運動場拡張工事の際、埋土を採掘の場所から壷・皿・瓦破片多数と登竃跡をみた。筆者は当時同校勤務)ここでは嘗て陶器・瓦等を製造したものであるが、その数量は明らかでない。
天保期の古記録の“伊保木の風俗の項”に「中己下、或は次男三男の分は廻船乗・舸子働・又は瓦焼仕候者も御座候。」とあり、わずかに当時のことが偲ばれるのみである」
なお、資料2の「中己下、…」は、「防長風土注進案」(資料3)の熊毛宰判室積村の記述を引用したものと思われる。
- 回答プロセス
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『山口県陶磁器展(図録)』を探す。自館で所蔵しているのは『山口県の陶磁器展 郷土陶磁器展の手引』(山口県立博物館 宇部市立図書館 編,清交会,1954.4)で、同書を確認するかぎり伊保木皿山についての記述は見当たらなかった。(光市の窯に関する記述がなかった。)
県内図書館横断検索でも同図録のヒットなし。編集者である山口博物館及び宇部市立図書館にも照会したが、所蔵なし。国立国会図書館サーチでもヒットなし。
『光市史』の目次を確認したが焼物に関すると思われる章なし。自館「ふるさと文献情報データベース」でも、伊保木(光市の)皿山についてはヒットなし。
焼物に関する資料を探す。ふるさと文献情報データベースで、「焼物」で検索、ヒットした資料のうち、『日本やきもの集成9 山陽』を確認するが、「伊保木皿山」に関する記述なし。なお、光市室積に窯のあった「輪亭焼」については記述がある。
雑誌記事検索にて「窯」で検索、渡邊一雄著「窯業遺跡からみた山口県域の窯業」(「地域文化研究」17,2002.3,p1-15)がヒット。内容を確認すると、『生産遺跡分布調査報告書 窯業』(資料1)についての記述を見つける。
資料1を確認、出典である資料2も確認
- 事前調査事項
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国立歴史民俗博物館 編「国立歴史民俗博物館研究報告」第73集(国立歴史民俗博物館,1997.3)p110に「伊保木皿山」について記載があり、出典としてp266-267に『山口県陶磁器展(図録)』(山口県立山口博物館,宇部市立図書館 編,清交会,1954)が挙げられている。
- NDC
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- 陶磁工芸 (751 9版)
- 参考資料
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1.山口県教育委員会文化課,山口県埋蔵文化財センタ- 編 , 山口県教育委員会 , 山口県埋蔵文化財センター. 山口県埋蔵文化財調査報告 第74集. 山口県教育委員会, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I060539261-00 (p18) -
2.中道静夫 編著 , 中道, 静夫, 1918-. 室積郷土史談. 光市立図書館, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001537114-00 (p65) -
3.山口県文書館/編修 , 山口県文書館. 防長風土注進案 7. マツノ書店, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021331189-00 (p198)
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1.山口県教育委員会文化課,山口県埋蔵文化財センタ- 編 , 山口県教育委員会 , 山口県埋蔵文化財センター. 山口県埋蔵文化財調査報告 第74集. 山口県教育委員会, 1983.
- キーワード
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- 窯業
- 照会先
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- 宇部市立図書館、山口県立山口博物館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295334