レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/09/07
- 登録日時
- 2023/10/14 00:30
- 更新日時
- 2023/10/14 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230227
- 質問
-
解決
スレートの加工方法や技法に関する資料はあるか。タイルの割り方や道具の使用方法、厚さや形の成型方法などについて知りたい。
- 回答
-
一般的な石材の加工方法や仕上げ方法について解説した資料は所蔵していますが、スレートに限っての加工方法や技法を解説した資料は見当たりませんでした。
参考までに、関連する記述があった資料を御案内します。※【 】内は当館請求記号です。
資料1 栗山寛, 石神武男「宮城県産天然スレートについて」『東北大学建築学報』1号, pp.18-23, 東北大学工学部建築学科, 1952年【P051.1/ト】
p.19 「(1) 我国の天然スレート工業の現状とその将来に就いて」-「IV. 加工」の項
「露天掘或は坑内掘によつて採掘された大塊は加工場に運ばれて石鋸によつて所定の大きさに切断される。切断は専ら手による現状であるが石切鋸の研究利用が望ましい。次に所要厚さに割る。この作業も専ら手によつている。更に魚鱗、円形等の場合は押切機で一枚一枚切断する。」と記載されていました。
資料2 原口博光, 長谷川重俊「天然スレート"ペルム"の新施工法」『旭硝子研究報告』39巻1号, pp.147-165, 旭硝子中央研究所, 1989年
p.148 「2 開発目標」-「2.1 天然スレートの加工手順」の項
「天然スレートは、火薬、バックホーなどにより、塊として山で採掘され、約1m四方の大きさに加工される。工場では、天然スレートのサイズに応じ、ダイヤモンドカッターで四辺を切断し板厚はfig.1[省略]に示すように棒状の工具を打ち込んで割って求める。その後、裏面研削、マーキング、品質検査の後仕上がる」と記載されていました。
なおこの資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで図書館送信参加館・個人送信限定で公開されています。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3332320 (最終アクセス日:2023/09/07)
※該当コマは78コマです。
- 回答プロセス
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資料1-2のほかに調査した資料は以下のとおりですが、加工法に言及した箇所は見当たりませんでした。
資料3 横田暉生著『新・建築石工事』彰国社, 1987年【525.53/ヨ1】
pp.44-51 「6 石の加工と仕上げ」の項には、石の加工工程の標準が紹介されていますが、花崗岩・大理石を対象としたもので、スレートへの言及はありません。
資料4 上山正二著『図解石材工事の実際』オーム社, 1992年【629.6/ウ1】
p.6 「1章 1・1構造用石材の種類と特質」-「〔7〕粘板岩」の項は、産地と特質への言及のみです。
資料5 佐原真著 ; 金関恕編『佐原真の仕事』 2 ; 道具の考古学, 岩波書店, 2005年【202.5/2005.1/2】
打製石器や石斧についての記述が中心です。
資料6 鈴木淑夫著『石材の事典』朝倉書店, 2009年【569.8/2009.4/R】
石材としてのスレートが例示されています。
資料7 武井吉一, 中山実著『石と建築』鹿島出版会, 1992年【524.22/1992.X】
資料8 全国建築石材工業会監修『原色石材大事典』誠文堂新光社, 2016年【524.22/2016.5】
資料9 高崎康隆監修『庭仕事の庭石テクニック』誠文堂新光社, 2013年【629.61/2013.Y】
資料10 庭石大事典制作委員会著『原色庭石大事典』誠文堂新光社, 2016年【629.61/2016.5】
資料11 雄勝町史編纂委員会編『雄勝町史』雄勝町, 1966年【K251.3/オ1】
資料12 塚本嘉一著『石の匠』MBC21, 1998年【525.53/1998.2】
資料13 吉川金次著『斧・鑿・鉋』法政大学出版局, 1984年【583.8/ヨ1-2】
資料14 大工道具研究会編『鑿大全』誠文堂新光社, 2010年【583.8/2010.5】
また、石材の加工方法や道具について記述がある下記資料を御案内しました。
資料15 橋本勝雄「ものづくりの原点‐最古のハイテク 石器製作-」『千葉県立現代産業科学館研究報告』15号, 千葉県, 2009年
pp.3-4 「2 打製石器の製作」-「(2)打製石器の作り方」に、「打ち割る」技術と「押し剥ぐ」技術の解説と、工具としてハンマーの使い方が解説されています。
この論文は、千葉県立現代産業科学館のWebサイト内の「研究報告書」(http://www2.chiba-muse.or.jp/www/SCIENCE/contents/1522436090605/ 最終アクセス日:2023/09/07)からアクセスできます。
資料16 日本造園組合連合会『庭づくりの技~石・竹・植栽の道具と使い方~』
pp.12-35 「第1章 石の技」の項
pp.13-21 「1. 石材工事に用いる工具と使い方」の項に、工具(コヤスケ、タガネ、びしゃん等)の解説や使用法が書かれています。
p.22 「2. 石を割る」の項には、コヤスケやタガネを石に当て、セットウで叩いて割る方法が紹介されています。
当該資料は、平成28年度厚生労働省ものづくり立国の推進事業の成果品で、下記URLから利用可能です。
https://jflc.or.jp/index.php?catid=178&blogid=4 (最終アクセス日:2023/09/07)
- 事前調査事項
- NDC
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- 建築構造 (524 9版)
- 参考資料
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- 鈴木/淑夫?著. 石材の事典. 朝倉書店, 2009.4【569.8/2009.4/R】:なし
- 武井 吉一/著 中山 実/著. 石と建築. 鹿島出版会, 1992.10【524.22/1992.X】:なし
- 全国建築石材工業会?監修. 原色石材大事典. 誠文堂新光社, 2016.5【524.22/2016.5】:なし
- 高崎/康隆?監修. 庭仕事の庭石テクニック. 誠文堂新光社, 2013.11【629.61/2013.Y】:なし
- 庭石大事典制作委員会?著. 原色庭石大事典. 誠文堂新光社, 2016.5【629.61/2016.5】:なし
- 雄勝町史編纂委員会/編. 雄勝町史. 雄勝町, 1966【K251.3/オ1】:なし
- 塚本 嘉一/著. 石の匠. MBC21, 1998.2【525.53/1998.2】:
- 吉川 金次/著. 斧・鑿・鉋. 法政大学出版局, 1984.3【583.8/ヨ1-2】:
- 大工道具研究会?編. 鑿大全. 誠文堂新光社, 2010.5【583.8/2010.5】:
- 横田暉生/著. 新・建築石工事. 彰国社, 1987.10【525.53/ヨ1】:
- 上山 正二/著. 図解石材工事の実際. オーム社, 1992.3【629.6/ウ1】:
- 佐原/真∥著 金関/恕∥編. 佐原真の仕事 2 道具の考古学. 岩波書店, 2005.5【202.5/2005.1/2】:
- キーワード
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- 石材
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000339775