レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月14日
- 登録日時
- 2023/10/15 11:22
- 更新日時
- 2023/11/01 23:05
- 管理番号
- 県立長野-23-104
- 質問
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解決
赤石山脈(南アルプス)の「赤石」の語源を知りたい。
- 回答
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赤石山脈の「赤石」は赤石岳からとられているという説と、赤い岩石からとられているという説が確認できた。
<赤石岳からとられているという説>
・『南アルプス国立公園パンフレット(平成29年5月発行)』
p.21「赤石岳」の紹介文に「山名は、赤石沢に多い赤色チャート岩盤に由来し、明治以降に称されるようになったとされている。赤石山脈の名はこの山から転用されたものである。」とある。
このパンフレットは環境省「南アルプス国立公園」のウェブページ「南アルプス国立公園 各種資料 パンフレット」で公開されている[最終確認日 2023年10月15日]。
・『角川日本地名大辞典 20 長野県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1990【291.03/カド/20】
p.73「赤石岳」の項目中に「赤石山脈の名は、赤石岳が山脈の中央に位置するところから命名された」とある。
なお、赤石岳の名前の由来について記載のあった資料は次のとおり。
・『大鹿村誌 中巻』大鹿村誌編纂委員会編 大鹿村誌刊行委員会1984【N243/142/2】
p.763に「赤石の名称は山頂近くに露出している赤赭のラジオラリア板岩の様相から名づけられたといわれている」とある。
・『南アルプス (ヤマケイアルペンガイド) 』中西俊明著 山と溪谷社 2020【N292/645】
p.6-7の南アルプス南部の解説中に「隆起の典型的な見本として、放散虫(ラジオラリア)が海底に堆積してできたチャートが随所で確認でき、南部の主峰・赤石岳(標高3121m)の語源となった赤い石(赤色チャート)を、聖兎のコルをはじめとして各所で観察できる。」とある。
<赤石山脈の「赤石」は赤い岩石からとられているという説>
・『日本地名大事典 4』渡辺光編 朝倉書店 1977【291.03/ワア/4】
p.5「赤石山脈」の項目に「甲斐駒・地蔵岳の花崗岩峰を除いて、いずれも峰頭は水成岩基盤が裸出し、その岩礫表面が赤色に酸化していることから「赤石」の名が由来した。」とある。
・『角川日本地名大辞典 22 静岡県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店1982【291.03/カド/22】p.73「赤石岳」の項目には地質的な説明が詳しく出ており、「赤色岩石の露出は赤石山地の名称の由来ともなった」とある。
- 回答プロセス
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1 各種地名辞典等で「赤石山脈」の項目を参照する。
『角川日本地名大辞典 20 長野県』(回答記載)
『角川日本地名大辞典 22 静岡県』(回答記載)
『日本地名大事典 4』(回答記載)
『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』平凡社 1979【291.03/ニホ/20】
『日本歴史地名大系 22 静岡県の地名』平凡社 2000【291.03/ニホ/22】
『大日本地名辞書 第5巻』吉田東伍著 富山房 1980【291.03/5a/5】
p.702「赤石山」(信濃)、p.950「赤石山」(駿河)」
『長野県百科事典』信濃毎日新聞社開発局出版部編 信濃毎日新聞社 1981【N030/2a】
2 登山ガイドを含む長野県の史跡・名勝・景観に関わる長野県郷土資料分類N293および、長野県の地質に関わる長野県郷土資料分類N455の棚を参照し、関連のありそうな資料にあたる。
『南アルプス (ヤマケイアルペンガイド) 』(回答記載)
『日本地方地質誌 4』日本地質学会編集 朝倉書店 2006【N455/122】
『長野の大地 見どころ100選』地学団体研究会長野支部『長野の大地』編集委員会編 ほおずき書籍 2004【N455/121】
『長野の大地 やさしい地学小事典』地学団体研究会長野支部「長野の大地」編集委員会編 ほおずき書籍 2012【N455/121/2】
『信濃中部地質誌』本間不二男著 信濃教育会小県部会 1931【N455/12】
3 隣接する大鹿村について書かれている資料を参照する。
『大鹿村誌 中巻』(回答記載)
4 赤石山脈周辺が南アルプス国立公園になっていることから、公園に関する資料を探す。
『南アルプス国立公園パンフレット(平成29年5月発行)』(回答記載)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002055045-00 , ISBN 4040012003 -
大鹿村誌編纂委員会 編 , 大鹿村 (長野県). 大鹿村誌 中巻. 大鹿村誌刊行委員会, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024402578-00 -
渡辺 光/[ほか]編集 , 渡辺‖光. 日本地名大事典 4. 朝倉書店, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005599772-00 -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編. 角川日本地名大辞典 22 (静岡県). 角川書店, 1982.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I003079951-00
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「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
- キーワード
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- 赤石山脈
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339806