レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年06月03日
- 登録日時
- 2014/06/04 11:55
- 更新日時
- 2015/10/14 13:39
- 管理番号
- 島根参2014-05-007
- 質問
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解決
「海潮山月」という言葉の意味と、出典である「大国十二勝」という資料の著者、出版社等詳しい情報が知りたい。
- 回答
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「大国十二勝」は旧邇摩郡大国村の人、久利慎が作った漢詩。
全十二景からなり、第四景のタイトルが「海潮山月」である。
当館所蔵資料から以下の資料を紹介。
【資料1】『ふるさと十二勝 大国文化観光誌』千手慶一,田中貞徳/編 千手慶一,田中貞徳/〔刊〕 1972年
p24「大国十二勝(その四景)海潮山月」
※「大国十二勝」の本文と詳しい解説が書かれた資料。
第四景「海潮山月」は、海潮山勝音寺の佇まいを題材にしている。
【資料2】『島大国文 33号』(島根大学法文学部国語学国文学研究室)
p65-79「安永天明期の石東俳諧―大国村俳諧を中心として―」吉川隆美/著
p72-73に“さて可登には漢詩「大国十二勝」なるものが元大国小学校(現大国公民館)に残っている。その作者は久利慎である。昭和四十七年一月発行の大国文化観光誌『ふるさと十二勝』によれば、久利村(現大田市)の松代城主の末裔で、二代(三大の誤か)久利元泰が大国村に移住し(安永六年歿という)、その後を継いだのが慎(元淑)だという。”という記述あり。
- 回答プロセス
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(1)kw:「海潮山月」「大国十二勝」で蔵書検索、ヒットなし。
(2)篆刻作品に使われていることから「書道故事成語辞典」(大修館書店)「書道名言辞典」(東京書籍)を調査。記載なし。
(3)「海潮」を『大漢和辞典』(大修館書店)で検索、“②出雲国の地名”という記述あり。
(4)大田市に大国という地名がある。キーワードを「大国」「十二勝」と分かちを入れてインターネット検索したところ、論文「安永天明期の石東俳諧―大国村俳諧を中心として―」(吉川隆美著)がヒットした。
http://www.lib.shimane-u.ac.jp/kiyo/a014/033/007.pdf(最終確認2014/12/21)
※同論文は雑誌『島大国文』第33号に掲載されており、引用されている資料『ふるさと十二勝 大国文化観光誌』は当館に所蔵があった。
内容を調査したところ「大国十二勝」の本文と解説が書かれていた。
【補足】
資料『ふるさと十二勝 大国文化観光誌』の書誌情報に内容細目を入力し、「大国十二勝」と全十二景の各タイトルで検索できるよう目録を整備した。
- 事前調査事項
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調査依頼者によれば「海潮山月」はある作者の篆刻作品のモチーフとして使われている文字で、出典が「大国十二勝」であることは分かっている。
漢和辞典や禅語関係の資料で一通り調べたが、見つからなかったとのこと。
- NDC
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- 中国地方 (217 8版)
- 参考資料
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【資料1】千手慶一 , 田中貞徳/編. ふるさと十二勝 : 大国文化観光誌. 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000516062-00 (p24 当館請求記号 092.95/14 ※貸出禁止資料) - 【資料2】島大国文 第33号 p. 65-79.島根大学法文学部国語学国文学研究室. (当館資料番号 915639994)
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【資料1】千手慶一 , 田中貞徳/編. ふるさと十二勝 : 大国文化観光誌. 1972.
- キーワード
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- 篆刻
- 大国十二勝
- 海潮山月
- 漢詩
- 大田市
- 大国村
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000153974